FM 今週のポイント(9月12日)
*先週の国内株式市場は、再度話題となった任天堂(9月7日に米国で開催されたApple の新製品イベントでも、任天堂の完全新作アプリ「SUPER MARIO RUN」が配信されることが発表)以外は主だったテーマが無い状況です。日経平均株価は前週末に比べて40 円強上昇したに過ぎません。8月中、継続したバリューシフトも一段落し、相場の方向性、物色の流れを再チェックする必要があります。
*何も無かった先週の市場で注目すべき事象は、東証マザーズ指数が25 日移動平均線を上抜けて終値ベースで7月14 日以来の水準まで上昇していることです(週間で6.3%上昇)。東証マザーズ指数は4月21 日に1230.82 ポイントの高値を付けて6月初旬まで比較的強いモメンタムを維持していましたが、6月13 日に25 日移動平均線を割り込んでから軟調な展開を余儀なくされていました。バリューシフトによるグロース株の軟調、HF等の新興市場株(割高銘柄)の空売り等もあり、900 ポイントを下回る水準が続いていました。ここに来ての25 日移動平均線上放れは新興市場全般の地合好転と考えられます。もちろん、主力株が一服していることによる幕間つなぎに過ぎない可能性もありますが、円高基調の継続による日経平均株価の上値の重さが意識される展開が続けば、徐々に力強いモメンタム形成が期待されます。
*やはり、9月の日銀金融政策決定会合が重要なイベントです。これまでの金融政策を検証した結果、どのようなサプライズが飛び出すのか?(黒田総裁はサプライズ政策を封印する意向)⇒日銀首脳陣の言動を吟味するとイールドカーブの「全体の低下」と「スティープ化」がキーワードのようです。短期金利のマイナス幅を深堀し、長期、特に超長期の金利を維持することが想定されます。この政策は長短金利差拡大により金融機関フレンドリーとなり、中曾副総裁の言うところの「マイナス金利の副作用を是正する」に当たると思われます。ただし、9月会合で追加緩和(マイナス金利の深堀等)に踏み切るかは微妙です。9月FOMC での利上げは無いと思われ、このタイミングでの追加緩和は難しいと考えられます(8日の理事会でECB も追加緩和を見送っている)。その場合、失望感から円高、株安が進行する可能性があり注意が必要です(年内の米国利上げの可能性が高いこと、年内の日銀の追加緩和の可能性が高いこと、日銀のETF 買い等により大きな円高・株安は想定しない)。
*日欧の金利上昇が週末の米国株式市場を揺るがしています。日本の10 年債利回りが一時、マイナス0.01%と半年振りの水準に上昇、「ゼロ」を窺う動きとなったことに加え、ドイツの10 年債利回りがプラス圏に浮上したことを受けて米10 年債利回りも約2ヶ月半ぶりの高水準をつけたことから、米国株式市場は大幅に下落しています(NYダウは前日比394 ドル46 セント(2.1%)安の1万8085 ドル45 セントと7月7日以来、約2ヶ月ぶりの安値で終えた。下げ幅は6月24 日以来、およそ2ヶ月半ぶりの大きさ)。日欧中央銀行のサプライズ封印の悪影響です。黒田日銀総裁には、より綿密な市場との対話をお願いしたいと思います。
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