FM 今週のポイント(3月7日)

2016/03/07 <>

*やっと本格的なショートカバーがかかってきました。日経平均株価は先週末まで4日続伸(もちろん今年初)となり17000 円大台を回復しています。海外情勢が落ち着いてきたことがベースになっていますが(年初来の世界的なリスクオフの原因だった原油、米中景気の状況がともに改善した。(1)原油価格は2カ月ぶりに35 ドル台に上昇、(2)米国はISM 製造業指数が予想以上の強さになり、リセッション懸念が低下した、(3)中国は3月1日の金融緩和に加えて、5日から始まる全人代での政策期待も高まった)、日本の財政出動の思惑(5兆円規模)、消費増税の停止が想定されることに加えて3月期末の株価水準が意識されているようです。注目されていた米2月雇用統計は非農業部門雇用者数が24 万人増と事前予想の17 万人を大きく上回り、米景気に対する警戒感が大きく和らぎました。3月FOMC での利上げの可能性が限りなくゼロに近い中での雇用増は世界の株式市場を押し上げる上で安心感につながります。

*17000 円を超えた日経平均株価の戻りの目処を考えたいと思います。テクニカル的には昨年12月の高値20012 円から2月12 日の安値14865 円の半値戻しが17438 円です。価格帯別売買動向を見ると17000 円を超えれば18500 円近辺まで真空地帯です⇒3月中に18000 円大台を回復する可能性が考えられます。業績的には現状で来期予想EPS(東証1部:コンセンサス)が103.2 円程度です。PER14 倍でTOPIX ベースで1444.8、NT倍率を12.5 とすれば日経平均株価は18060円となります⇒業績、バリュエーション的にも年度末・年度始において18000 円台は許容される
と思われます。

*来年度は株式の債券化が大きなテーマになりそうです。今年度も最少分散指数(スマートベータ)の浸透で業績安定型の内需株を中心にPER の上昇が目立ちましたが、来期はさらに債券代替投資の活発化から高PER 銘柄群と低PER 銘柄群の2極化が起こるものと考えられます。債券投資家が債券の代わりに株式へ資金を流す動きが株式の債券化ですが、全ての株式が債券の代わりになるわけではありません。業績の安定性(大きな業績伸張は必要ないが落ち込まないことがポイント)、株価の低ボラティリティ、ある程度の配当率(2.5%以上)、そして株主還元率が高まりそうなことがスクリーニングの条件になるものと思われます。従来は内需に限定され、セクター的にも通信、食品、医薬品等にバイアスがかかりましたが、今後はもっと広い領域からの銘柄選別が活発化すると思います(極端な話、グローバル製造業でも可能性はある)。特にマイナス金利下において資本コストの見直しが急速に進むと考えられ、自社株消却が一段と注目されるものと考えています(自社株消却余力、意欲が高い企業が注目される)。株式の債券化は益回りの低下です⇒益回りはPER の逆数ですからPER が上昇することになります。

 

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