VALUENEX<4422> 独自のアルゴリズムによる予測分析システムで顧客の戦略立案に貢献

2018/11/12

ビッグデータ解析ツールの提供とそれを用いたコンサルティングが事業の柱
独自のアルゴリズムによる予測分析システムで顧客の戦略立案に貢献

業種: 情報・通信業
アナリスト: 前田 吉弘

◆ 独自開発の解析アルゴリズムから派生した事業を展開
VALUENEX(以下、同社)は、独自開発のアルゴリズム注 1 を基盤にしたビ ッグデータ解析ツールの提供(ASP 注 2 サービス)とそれを用いたコンサルテ ィングサービス及びレポート販売を行っている。また、同社グループは、同 社と 100%出資の米国子会社(VALUENEX, Inc.)の 2 社で構成されている (図表 1)。

18/7期のサービス別売上構成比は、ASPサービスが31.8%、コンサルティン グサービスが 68.2%、レポート販売が 0.0%となっている(図表 2)。

◆ 独自開発ツールの利用ライセンスを提供する
ASP サービス ASP サービスとして、同社が独自開発した解析ツールである TechRadar® Scope(テックレーダー スコープ)、TechRadar® Vision(テックレーダー ビジ ョン)と DocRadar®(ドックレーダー)の利用ライセンスを提供している。料金 体系は月額固定料金の年間契約を基本としているが、解析対象とするデー タ量と範囲(日本のみか、海外を含むか等)により、料金は異なる(図表 3)。

◆ TechRadar®は特許専用の解析ツール
TechRadar®は、指定した技術文書をもとに特許データベース(日本、米国、 欧州、その他の海外)に登録されているすべての特許文書同士を比較した うえで、最大10万件までの特許文献間の類似度を自動的に判断し、膨大な 特許群を一目で認識できる俯瞰図という形で可視化する特許専用の解析ツ ールである。日本語、英語に対応しており、海外における特許解析も可能 である。

TechRadar®には、TechRadar® Scope と TechRadar® Vision がある。前者は 概念検索注 3 で類似特許を上位最大 1,000 件まで表示可能であり、特許出 願の有無確認や新規事業や潜在市場のアイデアを練る場合に適したツー ルといえる。一方、後者は最大10万件の特許データを高精度に配置、表示することが可能であり、大量の情報を分析することで、業界トレンドの把握や 自社のポジション確認等が行えるツールである。

解析後の俯瞰図にある膨大な数のドット(点)は、それぞれが 1 つの特許を 表しており、ドットが集合している領域は類似の特許が集中している分野(≒ 競争が激しい分野)、空白の領域は特許が存在していない分野(≒何らか の理由で競争が緩い分野)を示している(図表 4)。また、俯瞰図の時系列 推移から技術トレンドの変化等を読み取ることもできる。

利用者はこの俯瞰図から、①将来の技術開発分野の特定(自社の技術領 域を確認し、進むべきブルー・オーシャン注 4を選定)、②買収先の技術領域 の探索(強みの技術はどこで、競争優位性があるのか)、②潜在的なパート ナー企業の探索(自社の技術領域とシナジーのある技術領域を有している 企業はどこか)といったさまざまな情報を読み解き、将来予測や戦略立案に 役立てることができる。

◆ DocRadar®は多種多様なテキストデータの解析ツール
DocRadar®は、TechRadar®と同じく、最大 10 万件までのテキスト文書情報 を類似度評価によって可視化する解析ツールである。従来は整理が難しく ビジネスで活用しづらかった文書情報(例えばアンケートの自由記述等)を 類似度評価によって整理・クラスタリング注 5、さらに可視化し、文書情報の定 量分析を可能にするものであり、日本語、英語、中国語に対応している。

DocRadar®の解析対象は、ニーズ・マーケット情報、社内文書、アンケート、 インターネット情報、購買情報、判例情報、技術情報、研究情報といった多 種多様なテキストデータである。「有力キャピタリストの動向から、有望な投 資領域を予想する」といった利用方法が考えられ、金融から医療、法曹、マ ーケティングまで幅広い分野での活用が可能である。また、DocRadar®と TechRadar®は解析対象が異なるが、本質的には同じアルゴリズムを基盤と したツールである。

◆ ASP 利用にも結びつくコンサルティングサービス
基本的に、TechRadar®と DocRadar®の利用者は、解析結果が示す意味を 自ら読み解く必要がある。とはいえ、顧客から、読み解き結果の報告や読み 解き手法の指導まで要望されることがあり、その場合は TechRadar®と DocRadar®を用いたコンサルティングサービスという形で提供している。コン サルティングサービスは、その提供形態により、調査コンサルティングとコー チングの 2 つに大別される(図表 5)。

調査コンサルティングは、顧客の要望に応じた調査・解析を同社が顧客に 代わって TechRadar®と DocRadar®を用いて実施するものである。また、コ ーチングは、顧客の人材に対し、同社のコンサルタントが情報解析人材を 育成する観点で行うケースが多い。

コンサルティングサービスの顧客は、主として大手企業の研究開発部門や 経営企画部門であり、10年来の長期にわたる顧客も存在する。コンサルティ ングサービスの利用が、ASP サービスの利用へと結びつくことも多く、「ツー ルベンダー✕コンサルタント」のビジネスモデルが同社の強みとなっている。

◆ 簡易な解析レポートを提供するレポート販売
レポート販売は、TechRadar®と DocRadar®を用いて同社が作成した簡易な 解析レポートを提供するものである。現在は、日本経済新聞社が運営する データベースシステム(日経テレコン)を経由して、一般顧客へ提供するもの と、直販により顧客へ提供しているものの 2 つがある。

前者は、その時々の時宜にかなった技術トピックスや投資トピックスを題材 に同社がレポートを作成し、日経テレコンのサイトを通じ個人及び法人に販 売するものである。後者は、顧客が保有する企業情報やマーケット情報を材 料に同社が作成したレポートをその顧客に提供するものである。なお、いず れも 1 件ごとの従量料金である。

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ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。