アイドママーケティングコミュニケーション<9466> クライアントの成長と共に築き上げられてきたビジネスモデルに着目
食品スーパーやドラッグストアに統合型販促支援サービスを提供
クライアントの成長と共に築き上げられてきたビジネスモデルに着目
業種:情報・通信業
アナリスト:藤野敬太
1.会社概要
・アイドママーケティングコミュニケーション(以下、同社)は、食品スーパー やドラッグストア向けに、統合型販促支援サービスを提供している。クライ アント先への専属チームの常駐、印刷以外の業務プロセスの内製化、販 促チラシの制作までも手掛けて販促効果を追求する体制が特徴である。
2.財務面の分析
・12/3 期~16/3 期は、5 期連続の増収で、売上高は年率 9.2%のペースで 拡大してきた。経常利益は年率 15.9%で増加したが、構造改革の一環の 制作センターの集約による費用増で、15/3 期に一度減益を経験した。
・販促支援に関するサービスを行う企業との財務指標の比較では、全般 的に同社が優位にある。しかし、売上高成長率は他社を上回る一方で、 経常利益成長率は下回るのは、売上高を増やすのにスタッフを増やさな くてはならない同社の事業構造が影響している可能性も考えられる。
3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、共に成長できるクライアント(関係資本)を獲 得した創業社長(人的資本)と、その取引を通じて研鑽された統合的販 促支援サービスのビジネスモデル及びその体制(組織資本)にある。
4.経営戦略の分析
・対処すべき課題には、成長に見合った人員の確保、売上の分散(特定 の取引先への依存度の引き下げ)、知名度の向上がある。
・既存事業では、西日本を中心としたクライアント開拓と新機能開発による 付加価値向上を図る。また、開発中の「キャッシュバックアプリ」でのビジ ネスモデルを確立し、食品・飲料メーカーを取り込んでいく方針である。
5.アナリストの評価
・クライアントの成長とともに成長し、統合型販促支援サービスのビジネス モデルを構築できたのが同社の最大の成功要因であり、クライアントとの 密接な関係が同社の安定成長を支えている。しかし、クライアントのオフ ィスに常駐するスタッフ等の人員確保が成長のボトルネックになる可能性 がある。そのため、人員増を伴わない形で成長が可能な事業を確立出 来るかどうかに注目したい。