SEMITEC<6626> 16 年 3 月期は減益見通しだが実態は堅調、極薄フィルム温度センサに注目

2016/01/07

温度センサをはじめとする各種センサを製造・販売
16 年 3 月期は減益見通しだが実態は堅調、極薄フィルム温度センサに注目

業種:電気機器
アナリスト:大竹 喜英

◆「適地生産」「消費地生産」のセンサ専業メーカー
・SEMITEC(以下、同社)は、温度センサをはじめとする各種センサ等の製造・販売を主な事業とする電子部品メーカーである。
・同社グループはセンサ素子の開発と量産、「適地生産」及び「消費地生産」の考え方を基本にアジアを中心とした子会社ではアッセンブル及び販売を行っている。

◆ 16 年 3 月期上期決算は増収ながら経常減益
・16/3 期第 2 四半期累計決算は、売上高 6,836 百万円(前年同期比 6.3%増)、経常利益 422 百万円(同 9.3%減)、純利益 268 百万円(同 29.6%減)となった。
・研究開発費等が増加したことで減益となった。ただし、同社期初予想に対し、売上高は 144 百万円下回ったものの、営業利益は 4 百万円、経常利益は 92 百万円、純利益は 28 百万円、それぞれ上回った。

◆業績は堅調だが収益改善効果が予想より遅れ気味
・同社は 16/3 期業績を、売上高 14,041 百万円(前期比 7.5%増)、経常利益 655 百万円(同 36.3%減)、当期純利益 450 百万円(同 42.3%減)と予想している。期初予想からの変更はない。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、受注が継続的に拡大しており、研究開発費などコスト負担増以上の収益改善効果が可能と考えていたが、受注の勢いや生産効率改善の進捗が想定に比べ若干遅れ気味と判断し 16/3 期以降の業績予想を低めに微調整した。

◆ 投資に際しての留意点
・期末配当の年 1 回、継続的かつ安定的な配当を行うことが基本方針。16/3 期は減益予想で、同社は 1 株当たり 20 円を予定している。
・医療やヘルスケアなどのウェアラブル機器向けに開発した厚みが 0.2 ㎜以下の極薄フィルム温度センサは注目製品。
・同社の株価は電気機器メーカーでは珍しく、低評価のバリュエーションとなっている。事業拡大に伴い再評価の局面があると当センターでは見ている。

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。