ナガオカ<6239> 今後の成長の鍵を握る水処理関連装置「ケミレス」の拡販動向に注目
石油関連プラントや取水設備向けにスクリーンを提供する企業
今後の成長の鍵を握る水処理関連装置「ケミレス」の拡販動向に注目
業種:機械
アナリスト:藤野敬太
1.会社概要
・ナガオカ(以下、同社)は、石油関連プラントの内部装置(スクリーン・インターナル)や地下水の取水用スクリーンなどの中核部品を提供する。
・同社は単なる部品メーカーではなく、石油関連プラントや取水に関するソリューションプロバイダーと位置づけられ、今後は水処理関連が成長機会となろう。
2.財務面の分析
・10/6 期~15/6 期は、売上高は年平均 10.2%の成長率で拡大してきた。経常利益は 13/6 期以降は 2~4 億円の水準で推移してきた。
・他社との比較では、直近での成長性の高さが目立ち、収益性も総じて優位にある。しかし、安全性の指標である自己資本比率が低い。
3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、1 つの事業で蓄積された技術やノウハウを用いて次の事業をつくりだす市場開拓力にある。技術開発力の裏付けのほか、業界内の技術的なオピニオンリーダーとの強固なパートナーシップにより、業界内で不可欠な存在としてのポジションを確立している。
4.経営戦略の分析
・エネルギー関連事業および取水関連事業で安定的な収益を確保しながら、水処理関連の分野を成長事業と位置づけている。
・海水淡水化分野への参入の先に、水ビジネスでの設計から建設までを一括で請け負う企業(EPC 企業と呼ぶ)への転換を見据えている。
5.アナリストの評価
・既存事業は、顧客の設備投資動向によって業績が変動する可能性がつきまとうが、06/6 期以降 10 期連続で当期純利益の黒字を確保できたことから、うまく舵取りできるものと考える。
・今後の成長は、その他事業に属する水処理関連の進捗にかかっている。特に実績が積み上がってきたケミレス(薬品を使わずに微生物で水処理をする装置)がどのような成長軌道を示すかに注目したい。
・直近 2 期連続の営業キャッシュ・フローの赤字や、借入に関する財務制限条項の存在など、財務面での安全性には留意しておく必要がある。