アグロカネショウ<4955> 委託試験費が当初予算から減少予想で 15 年 12 月期の営業減益率縮小へ

2015/09/01

中堅の農薬専業メーカー、野菜や果実向けが多い
委託試験費が当初予算から減少予想で 15 年 12 月期の営業減益率縮小へ

業種:化学
アナリスト:松尾  十作

◆ 中堅の農業薬品専業メーカー
・アグロ カネショウ(以下、同社)は、果樹、野菜向け等の農薬の製造販売を行っている中堅農薬専業メーカーである。導入品に独自のノウハウを加えた農薬と自社開発農薬で業容を拡大してきた。

◆ 15 年 12 月期上期利益は期初予想を大幅に上回る
・15/12 期第 2 四半期累計(以下、上期)決算は、前年同期比 4.7%増収、同 7.2%営業増益であった。同社の期初予想に対する達成率は売上高97.8%、営業利益 164.8%であった。
・営業利益が予想を大きく上回ったのは、委託試験費が当初見通しを下回り、販売費及び一般管理費が見込み額より少額にとどまったためである。

◆ 15 年 12 月期業績予想
・15/12 期について同社は、前期比 3.4%増収、58.3%営業減益とする期初予想を修正し 2.4%増収、18.9%営業減益を見込んでいる。上期同様に委託試験費が当初見通しを下回る見込みであるためである。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)も、主に販売費及び一般管理費の予想額を減額し、前期比 2.3%増収、18.4%営業減益を予想する。

◆ 投資に際しての留意点
・同社は東京電力に対し、福島第一原子力発電所の事故により操業停止に追い込まれた福島工場の補償を求めている。既に一部を受け取っているが、引き続き補償を求めていく方針である。
・同社は、東証第一部へ指定されたことに係る記念配当 7 円を加え、14/12期の 1 株当たり配当金を 27 円とした。15/12 期については記念配当を落とし、普通配当のみの 1 株当たり年 20 円配とする意向である。当センターは 15/12 期以降、年 20 円の普通配当が継続すると予想する。

 

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。