トレックスセミ<6616> 産業機器、車載機器、医療機器、ウェアラブル機器を重点市場として開発及び販売に注力

2015/04/03

アナログ電源半導体に特化するファブレスメーカー
産業機器、車載機器、医療機器、ウェアラブル機器を重点市場として開発及び販売に注力

業種:電気機器
アナリスト:高坂  茂樹

1.会社概要
・トレックス・セミコンダクター(以下、同社)は、各種電気機器に搭載される 電子部品に安定した電圧の電力を供給するアナログ電源半導体に特化 したファブレス半導体メーカーである。
・電源 IC のライフサイクルは長く、単価 10 円前後、月数千個の発注ロット の顧客を積み上げるビジネスモデルで安定成長を目指している。

2.財務面の分析
・営業体と技術陣が一体化する組織への改変、不採算取引の整理と重点 市場の変更等の改革により、業績は 11/3 期をボトムに急速に改善した。
・ファブレス経営の選択により、一貫生産の半導体デバイスメーカーよりも 高い収益性を確保している。

3.非財務面の分析
・経験豊富なエンジニアと回路図等の IP 等の知的資本が同社の競争力 の源泉である。ファブレス経営の選択も、柔軟な経営判断を可能にした。
・弱みは、ブランド力の低さや人的資源の成約に起因する欧米市場での 営業力の相対的な弱さであろう。

4.経営戦略
・同社は、産業機器、車載機器、医療機器、ウェアラブル機器等を重点市 場と捉え、開発及び販売に注力していく方針である。
・ウェアラブル機器の分野では、キーデバイスメーカーのリファレンスデザ インに採用されることで効率的な営業展開が可能と考えている。

5.中期業績見通し
・同社は 17/3 期に売上高 120 億円以上、営業利益 20 億円以上という中 期経営目標を掲げている。
・証券リサーチセンターは、産業機器や車載機器に向けた製品開発及び 販売を成長ドライバーに、17/3 期にかけて年平均で売上高 8.5%、営業 利益 10.8%の成長を遂げると予想する。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。