セレコーポレーション<5078> 若者向けアパートのシェア拡大とアパート管理等のストック事業強化で成長目指す

2022/03/16

首都圏で若者向けの賃貸アパート建築と賃貸アパート管理を展開
若者向けアパートのシェア拡大とアパート管理等のストック事業強化で成長目指す

業種: 建設業
アナリスト: 鎌田 良彦

◆ 首都圏で若者向け賃貸アパート建築と賃貸アパート管理を展開
セレコーポレーション(以下、同社)グループは、同社と子会社1社からなり、首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)において、若者向けの賃貸アパートの建築、賃貸アパートの管理を主に行っている。子会社のセレレントパートナーズは、賃貸アパートの入居者に対する不動産賃貸保証業務を行っている。

同社グループのセグメントは、「賃貸住宅事業」、「賃貸開発事業」、「賃貸経営事業」、「中国賃貸事業」の4セグメントであったが、中国賃貸事業からは、21年12月に撤退した。中国賃貸事業は、浙江省寧波市で工場建屋の賃貸業務、上海市でサービスオフィスの提供を行っていた。工場敷地が寧波市の都市再開発地域内にあったため、寧波市から売却の打診を受け、これに応じて工場建屋賃貸を行う子会社と、その100%子会社で、上海でサービスオフィス事業を行っていた会社の2社の株式を譲渡した。

21/2期の売上高は、賃貸住宅事業が5,250百万円(売上高構成比30.7%)、賃貸開発事業が3,092百万円(同18.1%)、賃貸経営事業が7,742百万円(同45.3%)、中国賃貸事業が925百万円(同5.4%)、その他が74百万円(同0.4%)となっており、フロービジネスである賃貸アパート建築の賃貸住宅事業と、ストックビジネスである賃貸アパート管理の賃貸経営事業が主力事業となっている(図表1)。

◆ 賃貸住宅事業
賃貸住宅事業では、不動産オーナーに対して土地活用の目的に応じた賃貸アパート建築についてのコンサルティングを行い、千葉の自社工場で製造した鋼材を用いて自社施工による鉄骨造賃貸アパートの建築・販売を行っている。

同社の鉄骨造賃貸アパートは、国土交通大臣の型式適合認定を受けた、軽量鉄骨を構造材とした工法と、国土交通大臣の製造者認証を受けた千葉工場で製造した鋼材を用いた工業化住宅であり、耐振性や品質の均一性に優れている。

賃貸アパートは、首都圏を対象とした25~35歳を中心とした若者向けの賃貸アパート建築に特化しており、殆どが単身者向け賃貸アパートである。間取りの自由度の高さや、赤煉瓦調の外観とデザイン性のある門柱、オートロックや防犯カメラの標準装備等で、他社アパートとの差別化を図っている。

◆ 賃貸開発事業
賃貸開発事業は20年10月から開始した事業で、主に土地を保有していない富裕層の顧客に対し、地価が下落しづらく、資産性のある駅近等の土地を同社が購入し、その上に賃貸アパートを建築して販売するものである。東京都の城南(品川区、目黒区、港区、大田区)、城西(渋谷区、新宿区、世田谷区、中野区、杉並区、練馬区)エリアを対象に、100坪程度の土地を購入して賃貸アパートを建築して販売している。顧客の相続税対策だけでなく、資産承継もサポートする事業となっている。

21/2期の賃貸住宅事業と賃貸開発事業を合わせた賃貸アパートの引き渡し棟数は76棟であった。同社が02年12月にニツセキハウス工業から工業化住宅の営業権を譲り受けてから21/2期までの累計では2,540棟の建築実績がある。1棟当たりの住戸数は物件ごとに異なるが、平均すると12戸程度である。

◆ 賃貸経営事業
賃貸経営事業では、自社施工及び他社施工賃貸アパートの管理業務を受託し、入居者の募集、入退去管理、家賃回収等の管理業務、建物点検、清掃等の維持管理業務を行っている。売上は一括借上家賃収入が多く、集金代行手数料がそれに次ぐ。また、リフォーム工事やリノベーション工事の提案、請負を施工部門の賃貸住宅事業と連携して行っている。21/2期末の管理戸数は、10,739戸(前期末比717戸増)となっている。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。