イボキン<5699> 21年12月期は新型コロナウイルス禍の影響から抜け増収基調に戻れるかに注目

2021/03/12

解体工事、廃棄物処理、金属加工までワンストップで提供するリサイクル総合企業
21年12月期は新型コロナウイルス禍の影響から抜け増収基調に戻れるかに注目

業種: 鉄鋼
アナリスト: 藤野敬太

◆ 会社概要
・イボキン(以下、同社)は、兵庫県を地盤としたリサイクル総合企業である。解体工事、リサイクル処理、金属加工までをワンストップで提供する体制を構築しているが、解体事業を成長の柱と位置づけている。

◆ 20年12月期決算
・20/12期決算は、売上高5,453百万円(前期比12.8%減)、営業利益327百万円(同7.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益286百万円(同1.7%増)となった。新型コロナウイルス禍の影響に加え、増強工事のため環境事業の生産ラインの一部を一時期停止したため、減収となった。一方、好採算の解体工事案件の貢献もあって解体事業の利益率が大きく改善し、全体の営業増益を牽引した。

◆ 21年12月期業績予想
・21/12期業績について、同社は、売上高6,145百万円(前期比12.7%増)、営業利益328百万円(同0.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益216百万円(同24.3%減)を計画している。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、21/12期業績を、売上高6,197百万円(前期比13.6%増)、営業利益342百万円(同4.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益227百万円(同20.5%減)と予想した。新型コロナウイルス禍の影響が下期に向けて緩和し、解体事業の増収が全体を牽引するものとした。なお、親会社株主に帰属する当期純利益を減益としているのは、20/12期に計上した保険解約返戻金(営業外利益)や受取保険金(特別利益)がなくなるためである。

◆ 今後の注目点
・当センターでは、22/12期は前期比5.9%増収、23/12期は同6.0%増収となり、売上高営業利益率は23/12期に6.6%まで上昇すると予想した。
・新型コロナウイルス禍による影響は21/12期の中盤まで続く想定だが、しばらくは20/12期に見られた数量の減少からの回復を確かめる局面となろう。解体事業が全体の成長を牽引する展開は不変と考えている。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。