ALiNKインターネット<7077> 新型コロナウイルス禍の影響で直近業績は厳しいが「tenki.jp」の拡大継続に期待
天気予報専門の大手メディア「tenki.jp」を運営
新型コロナウイルス禍の影響で直近業績は厳しいが「tenki.jp」の拡大継続に期待
業種: サービス業
アナリスト: 藤野敬太
1.会社概要
・ALiNKインターネット(以下、同社)は、「気象情報×インターネット」を事業領域とする企業で、天気予報専門メディアである「tenki.jp(てんきじぇーぴー)」を運営している。「tenki.jp」は、インターネットで情報を提供する天気予報専門メディアの大手3サービスの一角を占めている。
2.財務面の分析
・売上高は、「tenki.jp」以外の業務をやめた16/2期に減収となったものの、15/2期から20/2期まで年平均22.2%のペースで拡大してきた。同期間、経常利益は同17.5%のペースで拡大したが、減収になった16/2期と、体制強化のため費用増となった18/2期に減益となった。
・気象業界の上場企業、自社メディア媒体からの広告収入を主な収益源とする上場企業との財務指標の比較では、事業規模は他社に比べてはるかに小さいが、収益性と成長性は他社を上回っている。共同事業のため、少ない資産で利益を出せる体制が優位に働いていると考えられる。
3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、関係資本のネットワークに属する、「tenki.jp」の協業先である日本気象協会との関係にあると考えられる。共同運営のメリットは大きく、同社は得意の集客やマネタイズの業務に特化することでノウハウを蓄積し、「tenki.jp」の広告媒体としての価値を上げていった。
4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、「tenki.jp」の認知度向上、広告単価の維持・向上、業績が天候の変化の影響を受けやすい状況への対応が挙げられる。
・既存の「tenki.jp」のトラフィックの更なる拡大を進めつつ、中長期的にウェザーテック企業となるべく、気象とユーザー行動を絡めた新たな気象データの活用や、気象予報士のネットワーク化等を模索している。
5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、自社の経営資源の利用を最小限に抑え、自社の優位性を活かせる業務に特化できる共同事業という枠組みを構築できた点を評価している。一方、少数精鋭の体制で共同事業に特化する展開についてはリスクもある。同社ではそれに対応するために増員を行う予定であり、その進捗に注目していきたい。