バリオセキュア<4494> ワンストップサービスと迅速な対応に強味があると自負している

2020/12/04

機器開発から保守までをワンストップでネットのセキュリティサービスを提供
ワンストップサービスと迅速な対応に強味があると自負している

業種: 情報・通信業
アナリスト: 松尾 十作

◆ インターネット利用時のセキュリティサービスを提供
クリーマ(以下、同社)は、オリジナルのバリオセキュア(以下、同社)は、企業規模を問わず顧客にインターネットのセキュリティサービス等を提供している。セキュリティサービスは全都道府県を対象に、顧客企業規模に合わせ、顧客側での保守負担を軽減する365日24時間のインターネット環境を提供している。同社はインターネットセキュリティサービス事業の単一セグメントだが、サービス毎にマネージドセキュリティサービスとインテグレーションサービスの販売実績を開示している(図表1)。

1)マネージドセキュリティサービス
マネージドセキュリティサービスは、同社が自社開発した機器を設置し、インターネットにつながっている機器の監視及び運用までを同社が行うサービスである。同社が提供した機器のレンタル料、監視及び運用料金は、全て初期費用と月額課金で賄われている。そのため、同社のサービスを利用している顧客企業にとっては、インターネットにつながっていることで受ける可能性のあるサーバー攻撃やウイルス、迷惑メール、不正侵入を防ぐためのセキュリティ対策として、セキュリティ関連機器の選定や調達、各種セキュリティに関するソフトウェアの選定やインストール等の手間がかからなくなるといった利点がある。

マネージドセキュリティサービスで同社が提供している機器VSR(Vario Security Router)は、同社が自社開発し、製造は台湾の2社に委託している。VSRには、インターネット接続時のファイヤーウォール、不正侵入検知システム、自動防御システム等の多様なセキュリティ機能が集約されている。顧客企業は、VSRをインターネットとシステムとの間に設置するだけで同社が提供するインターネットセキュリティサービスを受けられる。

顧客企業のシステム利用者(システムにつながっているパソコン等の操作者)は、トラブルが発生しても迅速(数時間以内)に同社からのサポートを受けることが出来る。VSRは、20年9月末時点で7,300拠点に設置されている。1拠点当たりのVSRの台数は300台以上の場合もあるが、1台の場合もある。VSRの総設置台数は開示されていない。

企業が保有している情報資産注のバックアップシステムも提供している。同社が設置し監視及び運用しているため、顧客企業の担当者にとって、安心かつ運用負担が少ないバックアップシステムとなっている。

2)インテグレーションサービス
インテグレーションサービスは、VCR(Vario Communicate Router)の販売とネットワークインテグレーションサービス(以下、IS)で構成されている。インテグレーションサービスは、顧客企業のシステム面での課題に沿った機器の調達からシステム構築、運用まで幅広く対応している。いずれも同社としてはスポット型の売上となる。

VSRがインターネット接続環境を同社が24時間監視するため、同社が開発したソフトが多数インストールされている等、同社仕様で外注したオリジナル商品であるのに対して、VCRは同社の仕入れ商品である。

◆ 販売ルート
同社は、直接販売と販売代理店を介した間接販売を行っているが、間接販売が中心となっている。販売代理店は、相手先ブランド提供パートナーと再販売パートナーに大別される。相手先ブランド提供パートナーとは、販売代理店自らのブランドで顧客と直接契約する代理店である。再販売パートナーは、顧客と契約する際は、同社が契約主体となる代理店である。

相手先ブランド提供パートナーと再販売パートナーの売上高比率は開示されていないが、相手先ブランド提供パートナーでの販売が多いようである。主要な相手先ブランド提供パートナーは、ソフトバンク(9434東証一部)、USEN ICT Solutions(東京都品川区)等である(図表2)。沖縄クロス・ヘッド(沖縄県那覇市)はインテグレーションサービスの代理店である。

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