タスキ<2987> 東京23区・駅近を中心として小規模マンションに特化

2020/10/12

富裕層向けの新築投資用マンションの企画・開発・販売を展開
東京23区・駅近を中心として小規模マンションに特化

業種: 不動産業
アナリスト: 阪東 広太郎

◆ 東京23区を中心とした新築投資用マンションの開発・販売
タスキ(以下、同社)は、新築投資用マンションの企画・開発・販売および不動産事業者等に対するコンサルティングなどを手掛けるLiveMana事業と、不動産事業者や建設事業者等に給与前払いプラットフォームを提供するDayPay事業を展開している。DayPay事業は19年10月に開始したばかりで売上高は僅少である(図表1)。

1) LiveMana事業
LiveMana事業では、東京23区を中心に富裕層の相続税対策・資産継承用の一棟売りの新築投資用マンションの開発・販売およびコンサルティングサービスを提供している。19/9期の売上構成比は、新築投資用マンション等の不動産販売高が95.9%、コンサルティングが4.1%である(図表1)。

新築投資用マンション販売における同社の主力商品は、東京23区内で最寄駅から徒歩5分圏内の100m2~200m2程度の広さの土地に建設した鉄筋コンクリート造(RC造)で10戸~15戸程度の中低層マンションである。19年4月以降に着工したプロジェクトから、IoT注1対応設備(照明器具等)を標準仕様として導入している。ブランドは特に定めておらず、物件ごとに特徴に応じた名前を付けている。入居者は、単身者や共働きで子供を持たない夫婦を想定している。マンションの販売価格は3億円前後で、表面利回りは5%前後となっている。

東京23区・最寄駅から徒歩5分圏内に特化しているのは、都心へのアクセスが良く、長期に亘って安定した入居者需要が見込め、高い資産価値が維持できると判断しているためである。

同社は、一棟売りマンションの他に、新築投資用マンションの開発用地として取得した用地を個人や企業に販売することもある。自宅やオフィスを建てるにあたって、他社による建物の設計・開発を希望する個人や法人が主な販売先である。同社は、200m2を超える用地について、大型マンション等を開発する不動産事業者に販売するケースもある。18/9期に大和ハウス工業(1925東証一部)向け、20/9期にシノケングループ(8909東証JQS)傘下のシノケンハーモニーやタカラレーベン(8897東証一部)向けの販売構成比が高くなったのは、200m2を超える用地の販売によるものである(図表2)。20年8月14日時点で、案件数ベースで、用地販売の方が自社開発プロジェクトよりも多い。

同社の新築投資用マンションの販売先は、個人の富裕層が大半を占める。同社の顧客のうち約15%がリピーターである。

主な顧客の獲得経路は、富裕層が相続を相談する信用金庫や地方銀行などの金融機関からの紹介である。金融機関は富裕層から相続税対策や資産承継について相談を受けた際に、同社商品に合ったニーズを持つ顧客を同社に紹介している。他の経路としては、投資家の資産管理を行う会計・税務事務所や不動産仲介会社からの紹介や、同社が運営する物件情報メール配信サービスである「タスキ・ファン倶楽部」の会員からの問い合わせであり、いずれも富裕層が相続税対策を検討するタイミングで問い合わせを受け、対応するプル型の営業となっている。

LiveMana 事業では、プロジェクトの売却、引渡しを基準に収益を認識している。同社は、土地を仕入れた後、新築マンションの開発と並行して、顧客獲得を行っている。同社は販売実績から、金融機関から土地の仕入・開発に関する融資も得やすいようである。土地の仕入からプロジェクトの引渡しまでの期間は、新築マンション販売が約1 年、用地販売が約3 カ月である。同社は不動産販売の目標売上総利益率を18%と設定しており、新築マンション販売は20%前後、土地販売は18%未満と推察される。

コンサルティングサービスは、主に不動産仲介事業者ら同社の取引先に対する顧客紹介である。同社には富裕層の土地・建物に関する様々な要望が集まるが、同社が注力する新築投資マンション以外については、取引先に紹介し、富裕層のニーズ充足と取引先の取引拡大を支援している。同社は、紹介した顧客と取引先の間で売買契約が締結され、引渡しが完了した場合に顧客紹介料を得ている。

2) DayPay 事業
DayPay 事業では、給与の日払い、週払い等の給与前払いを可能とするクラウド型のサービスプラットフォーム「タスキDayPay」を提供している。

19 年10 月よりサービスを開始した「タスキDayPay」は、契約企業に代わって、前払給与の立替払いをするサービスである。月1 回の給与の支払い日を日払い、週払い等に分散することを可能とし、給与日前に働いた分の給与の受取りを希望する従業員向けの福利厚生サービスである。

従来の日払い、週払いは事務負担の増加や煩雑な処理となるため、従業員からの希望があっても企業は対応出来なかった。「タスキDayPay」は企業の事務負担を低減し、クラウド環境下で勤務データ管理、従業員からの前払い申請及び給与支払い状況のリアルタイム管理を実現している。

主な顧客は、LiveMana 事業における同社の取引先である不動産仲介事業者や建設事業者である。20 年6 月末時点での登録人数は969 人、6 月の利用回数は69 回となっている。主な販売経路は、同社のLiveMana 事業の取引先であり、DayPay 事業の既存顧客である不動産仲介事業者や建設事業者からの紹介である。

「タスキDayPay」の収益構造は、契約企業の従業員が利用する給与前払額に応じた従量課金である。従量課金は、システム利用料(給与前払額の4%)と従業員が前払を利用する毎の振込手数料(200 円/回)の2 種類がある。費 用負担は契約企業または従業員であり、導入企業が選択する。契約企業か ら導入費や月額固定費用は受け取らない。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
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