ブティックス<9272> 新規事業の立ち上げに取り組む一方で、創業事業のeコマース事業の譲渡を決断

2020/01/28

介護関連業界を対象にした商談型展示会とM&A仲介が主力事業
新規事業の立ち上げに取り組む一方で、創業事業のeコマース事業の譲渡を決断

業種: 小売業
アナリスト: 前田 吉弘

◆ 介護関連業界を対象としたマッチング・サービスを提供
・ブティックス(以下、同社)は、介護関連業界を対象とした「商談型展示会事業」、「M&A仲介事業」で構成されるBtoB事業セグメント、介護用品等の商材を一般消費者向けに販売する「eコマース事業」で構成されるBtoC事業セグメント(事業譲渡を決定済)を展開している。これらに加えて20/3期からは配食・介護食マッチング事業と海外事業からなる「新規事業」セグメントを新たに設けている。

◆ 20年3月期第2四半期累計期間は概ね会社計画に沿って推移
・20/3期第2四半期累計期間(以下、上期)の決算は、2.1%減収ながら営業損失は83百万円となり前年同期から56百万円改善した。下期に利益が偏重する事業特性を勘案すれば、増収増益を見込む会社計画に概ね沿った順調な業績推移と考えられる。

◆ 20年3月期会社計画は1.7%増収、106.2%営業増益で据え置き
・20/3期について同社は、BtoB事業の順調な拡大とBtoC事業の収益性改善を織り込み、1.7%増収、106.2%営業増益を計画している。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)は、20/3期上期実績等を踏まえて20/3期の業績予想を見直し、売上高を1,551百万円(前期比8.0%増)、営業利益を247百万円(同100.5%増)に上方修正した。

◆ 「eコマース事業」の事業譲渡を決定
・同社は19年12月にeコマース事業の事業譲渡(譲渡期日20年3月31日予定)を決定した。収益性が悪化していたとはいえ創業来の事業である同事業を譲渡することは同社の事業トランスフォーメーション力を端的に示す英断であると評価する。また、今回の譲渡対象は営業権のみで人材や資産・負債の移動は伴わない。つまり、この英断は当センターが注視していた「限られた経営資源を新規事業に取り組むために如何に最適化していくか」という課題に対しての一つの回答ともいえるであろう。

>>続きはこちら(2.81 MB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。