テモナ<3985> 物販に留まらずサブスクリプションビジネス全般への事業領域拡大志向を強める
EC販売の一形態のリピート通販に特化したソリューション提供で成長してきた企業
物販に留まらずサブスクリプションビジネス全般への事業領域拡大志向を強める
業種: 情報・通信
アナリスト: 藤野敬太
1.会社概要
・テモナ(以下、同社)は、「たまごリピート」とその後継版サービスを通じ、リピート通販を中心に広くサブスクリプションビジネスを対象としたソリューションを提供している。
2.財務面の分析
・開示のある12/3 期以降6 期連続増収だが、上場に向けた体制強化のための増員やオフィス移転等により、15/9 期は経常減益となった。17/9 期以降は増収により過去最高の経常利益を更新し続けている。
・ECサイト構築サービスを主力事業として展開する上場企業との比較では、安全性、成長性、収益性のいずれも、総じて同社に優位性がある。
3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、ストックビジネス型の物販の可能性に気づいた経営陣(人的資本)にある。いち早くサービス化できたことで、リピート通販やサブスクリプションビジネスに関する知的財産・ノウハウ(組織資本) の蓄積の面で優位に立ち、リピート通販に親和性の高い業界の顧客を中心に関係資本の構築につながっていった。
4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、「サブスクストア」の拡販による顧客拡大のペースアップ、人材の確保及び人員急増に対応する組織強化、サブスクリプションビジネスの啓蒙が挙げられる。
・「サブスクストア」により、新領域の開拓、大規模顧客対応、他社システムとの連携等の新サービスを進めていく。中長期的には、消耗品のEC 販売に限らず、ストック型ビジネスになるものをサブスクリプションビジネスとして事業の対象とし、そのためのブランディングを行う方針である。
5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、同社の先行優位性の源泉である、コンセプト構築から実際のサービス開始までのスピードの速さを評価している。
・今後は「サブスクストア」の浸透度合いに着目したい。短期的な業績のみならず、あらゆるサブスクリプションビジネスを事業領域に含めていくという中長期的な方針にどこまで迫れるかの鍵を握るためである。