TAC(4319) 収益立て直し策に期待 従来予想を下方修正

2024/02/28

 

 

多田 敏男

代表取締役社長

TAC株式会社(4319)

 

 

会社情報

市場

東証スタンダード市場

業種

サービス業

代表取締役社長

多田 敏男

所在地

東京都千代田区神田三崎町3-2-18

決算月

3月末日

HP

https://www.tac-school.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

191円

18,504,000株

3,534百万円

3.5%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

6.00円

3.1%

-9.43円

-倍

341.58円

0.6倍

*株価は2月9日の終値。発行済株式数、DPS、EPSは24年3月期第3四半期決算短信より。BPS、ROEは23年3月期決算短信より。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2020年3月(実)

20,331

162

260

103

5.58

5.00

2021年3月(実)

19,749

404

646

405

21.92

5.00

2022年3月(実)

20,471

413

442

444

24.05

6.00

2023年3月(実)

19,711

319

324

214

11.69

6.00

2024年3月(予)

19,113

-210

-248

-171

-9.43

6.00

*単位:百万円。予想は会社予想。数値は発生ベース。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下、同様。

 

 

TACの2024年3月期第3四半期決算概要等についてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2024年3月第3四半期決算概要
3.2024年3月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 24年3月期第3四半期は前年同期比減収、営業赤字転落。現金ベース売上高は、前年同期比1.8%減の144億59百万円。発生ベース売上高は同3.9%減の143億69百万円。売上原価が同0.6%増、販管費が同0.5%増となったため、発生ベース営業損益は同6億62百万円減益の▲3億21百万円の赤字となった。四半期純利益は同4億40百万円減益の▲2億36百万円の赤字となった。 
  • 24年3月期は従来予想を下方修正した。発生ベース売上高は従来の196億20百万円から191億13百万円に、営業利益は3億80百万円から▲2億10百万円の赤字転落になると予想。税理士講座及び社会人が主な受講生層となる講座は、夏以降申し込みが戻ってきているものの、大学生を主要な受講生層とする公認会計士講座及び公務員講座は、民間企業への就職が良好なこと等により低迷していることなどによるもの。尚、配当は変更なく6.00円/株を予定。 
  • アフターコロナで需要回復を期待するも、個人教育関連の戻りが弱く、業績予想は下方修正となった。コスト削減として、賃借料の削減等を進めているが、外部環境にかかわらず、売上減少をいかにして止めることが最大のポイントとなろう。今後の収益立て直し策に期待したい。 

     

1.会社概要

「資格の学校TAC」として、資格取得スクールを全国展開。社会人や大学生を対象に、公認会計士、税理士、不動産鑑定士、社会保険労務士、司法試験、司法書士等の資格試験や公務員試験の受験指導を中心に、企業向けの研修事業や出版事業等も手掛ける。

 

企業グループ(連結子会社7社、持分法適用関連会社1社)

会社区分

セグメント

会社名

業務内容

連結子会社 個人教育事業 (株)TAC総合管理

太科信息技術(大連)有限公司

(株)オンラインスクール

教室用ビルの契約・メンテナンス業務等

大連オペレーションセンター(事務・教材視聴チェック等)

インターネットを通じての会員制教育事業

法人研修事業 (株)LUAC 保険関係の企業研修事業
出版事業 (株)早稲田経営出版 「Wセミナー」ブランドの出版事業
人材事業 (株)TACプロフェッションバンク

(株)医療事務スタッフ関西

人材紹介・派遣・求人広告事業

医療事務系労働者派遣、レセプト作成業務

持分法適用関連会社   (株)プロフェッションネットワーク 実務家向けWeb情報誌の発行

*2023年12月末。

【1-1沿革】

1980年12月、資格試験の受験指導を目的として設立され、公認会計士講座、日商簿記検定講座、税理士講座を開講。2001年10月に株式を店頭登録。03年1月の東証2部上場を経て、04年3月に同1部に指定替えとなった。09年9月には司法試験、司法書士、弁理士、国家公務員Ⅰ種(現・国家総合職)・外務専門職等の資格受験講座を展開していた(株)KSS(旧・早稲田経営出版)から資格取得支援事業及び出版事業を譲受。これにより、会計分野に強みを有する同社の資格講座に法律系講座が加わると共に、公務員試験のフルラインナップ化も進んだ。13年12月、小中高生向け通信教育事業を柱とする(株)増進会出版社と資本・業務提携契約を締結。14年6月には医療事務分野への進出を狙い、M&Aを実施。

 

【1-2強み】

(1)試験制度の変化や法令改正へのきめ細かい対応
同社は、会社設立間もない頃から講師陣が毎年テキストを改訂し、試験制度の変化や法令改正にきめ細かく対応することで他社との差別化を図り受講生の支持を得てきた。事業が200億円規模になると、毎年発生するテキスト改訂コストを吸収することが可能だが、新規参入を考える企業はもちろん、同社よりも事業規模の劣る同業者にとっても、テキストを毎年改訂することは大きな負担である(ノウハウの蓄積が進み、高い生産性を実現していることも強みとなっている)。

 

(2)積極的な講座開発と充実したラインナップ
同社は大学生市場の開拓も含めて積極的に新しい分野(新講座の開設)にチャレンジすることで業界トップに上り詰め、業界初の株式上場を果たした。また、09年には、Wセミナーの資格取得支援事業を譲受し、従来手薄だった法律系講座や公務員試験のラインナップを拡充した。法律系講座及び公務員講座は、会計系3講座(公認会計士、税理士、簿記検定)と共に3本柱を形成し、マーケットの大きい3本柱を中心に多様な講座をラインナップしている。

 

(3)受講生中心主義の下でのサービスの先進性
サービスの先進性も同社の強みである。教育メディアや講師を受講生が自由に選択できるシステムを、資格取得学校市場で最初に導入したのは同社である。その背景にある受講生中心主義の経営姿勢は、テキストの品質と共に、「資格の学校TAC」のブランド醸成に一役買っている。

 

【1-3 ROE分析】

 

17/3期

18/3期

19/3期

20/3期

21/3期

22/3期

23/3期

ROE(%)

10.3

8.6

5.7

1.9

7.2

7.4

3.5

 売上高当期純利益率(%)

2.40

2.11

1.51

0.51

2.05

2.17

1.09

 総資産回転率(回)

0.94

0.96

0.95

0.97

0.97

0.98

0.93

 レバレッジ(倍)

4.60

4.27

4.00

3.81

3.60

3.49

3.41

 

 

2.2024年3月期第3四半期決算概要

売上高について
同社が行う資格取得支援事業は、受講申込者に全額受講料をお支払いいただき(現金ベースの売上)、同社はこれを一旦、前受金として貸借対照表・負債の部に計上する。その後、教育サービス提供期間に対応して、前受金が月ごとに売上に振り替えられる(発生ベースの売上)。損益計算書に計上される売上高は発生ベースの売上高で、同社は経営管理上、現金ベースの売上高の増加を重視している。

 

季節的特徴について
現金ベース売上高(前受金調整前売上高)は受講申し込み金額を集計した売上高を、発生ベース売上高(前受金調整後売上高)は受講申し込み金額を教育サービス提供期間に対応して配分した後の売上高を、それぞれ表している。
同社が扱う公認会計士や税理士などの主な資格講座の本試験が春から秋(第1~第3四半期)に実施されることや、公務員講座など大学生が主な顧客となる講座の申し込みは春から夏(第1~第2四半期)に集中する等の特徴があるため、第4四半期は申し込み(現金ベース売上高)がその他の四半期に比べて少なくなりやすい傾向がある。一方、賃借料や講師料、広告宣伝費などの営業費用は毎月一定額が計上されるため四半期ごとの偏重は無い。

 

(1)連結業績

 

23/3期3Q

構成比

24/3期3Q

構成比

前年同期比

現金ベース売上高

14,729

98.5%

14,459

100.6%

-1.8%

発生ベース売上高

14,949

100.0%

14,369

100.0%

-3.9%

売上総利益

5,855

39.2%

5,220

36.3%

-10.8%

販管費

5,514

36.9%

5,542

38.6%

0.5%

営業利益

341

2.3%

-321

経常利益

352

2.4%

-353

四半期純利益

204

1.4%

-236

*単位:百万円。四半期純利益は親会社株主に帰属する四半期純利益。以下、同様。

 

減収、大幅減益
24年3月期第3四半期は前年同期比減収、営業赤字転落。現金ベース売上高は、前年同期比1.8%減の144億59百万円。発生ベース売上高は同3.9%減の143億69百万円。売上原価が同0.6%増、販管費が同0.5%増となったため、発生ベース営業損益は同6億62百万円減益の▲3億21百万円の赤字となった。四半期純利益は同4億40百万円減益の▲2億36百万円の赤字となった。

 

(2)セグメント別動向

セグメント別現金ベース売上高

 

23/3期3Q

構成比

24/3期3Q

構成比

前年同期比

個人教育事業

7,802

53.0%

7,604

52.6%

-2.5%

法人研修事業

3,404

23.1%

3,502

24.2%

+2.9%

出版事業

3,115

21.2%

2,941

20.3%

-5.6%

人材事業

445

3.0%

440

3.1%

-1.2%

セグメント間取引消去

-38

-28

連結売上高

14,729

100.0%

14,459

100.0%

-1.8%

*単位:百万円

 

セグメント別現金ベース営業利益

 

23/3期3Q

利益率

24/3期3Q

利益率

前年同期比

個人教育事業

-525

-683

法人研修事業

779

22.9%

816

23.3%

+4.8%

出版事業

723

23.2%

503

17.1%

-30.5%

人材事業

102

23.0%

96

21.9%

-6.3%

全社費用

-959

-965

連結営業利益

121

0.8%

-232

*単位:百万円

 

【個人教育事業】
減収・赤字拡大

増収

税理士講座、不動産鑑定士講座、宅地建物取引士講座、建築士講座、情報処理講座、中小企業診断士講座、社会保険労務士講座、司法書士講座、行政書士講座

 

新型コロナウイルス感染症が5月から第5類へ移行し、日常生活がコロナ禍前の状況に戻りつつあること等から、社会人の学習意欲は高まりを見せてきており、資格取得に向けた同社講座への申し込みも回復しつつある。他方、民間企業による積極的な若手人材の採用傾向も続いており、学生の資格取得意欲や公務員志望は引き続き低調で、個人教育事業全体としての現金ベース売上高は前年に比べ減少した。講座別では試験制度改正、税制改正等の追い風を受けた税理士講座は引き続き好調を維持しており、不動産鑑定士講座、宅地建物取引士講座、建築士講座等の不動産系の講座も今第3四半期に入り回復し、好調に推移している。また、IT関連の高い需要が続く情報処理講座や社会人を主な受講生層とする中小企業診断士講座、社会保険労務士講座、司法書士講座、行政書士講座等も堅調に推移した。一方、学生を主な受講生層とする公認会計士講座や公務員講座は前年の売上を下回った他、簿記検定講座、米国公認会計士講座等も低調に推移した。コスト面では、講師料、教材制作のための外注費、賃借料等を合わせた営業費用の合計は82億87百万円(前年同期比0.5%減)となった。
これらの結果、個人教育事業の現金ベース売上高は76億4百万円(同2.5%減)、現金ベースの営業利益は▲6億83百万円の営業損失(前年同期は▲5億25百万円の営業損失)となった。

 

【法人研修事業】
増収・増益

増収

金融・不動産分野、財務・会計分野、情報・国際分野、電気・設備関連の研修等

 

企業向けの研修は今第3四半期においても引き続き好調を維持した。分野別では主力の金融・不動産分野に加え、財務・会計分野、情報・国際分野、電気・設備関連の研修等が好調に推移し、前年を上回った。大学内セミナーは第2四半期において研修実施時期の関係で前年をやや下回っていたが、その影響はほぼ解消され、今第3四半期においては前年と同水準の売上を確保することができた。地方の個人を主な顧客とする提携校事業は前年同期比7.0%減、地方専門学校に対するコンテンツ提供は同2.7%増、自治体からの委託訓練は同2.3%減となった。コスト面では、営業費用全体として26億85百万円(同2.3%増)となった。これらの結果、法人研修事業の現金ベース売上高は35億2百万円(同2.9%増)、現金ベースの営業利益は8億16百万円(同4.8%増)となった。

 

【出版事業】
減収・減益

増収

TAC出版の税理士、中小企業診断士、建築士、証券アナリスト、W出版の司法書士、行政書士等

 

同社グループの出版事業は、同社が展開する「TAC出版」及び子会社の㈱早稲田経営出版が展開する「Wセミナー」(以下、「W出版」)の2つのブランドで進めている。
出版事業は今第3四半期に入り業績が回復してきており、前年同四半期(10~12月)と比較すると売上、利益ともに前年を上回ったが、第1四半期、第2四半期の影響をカバーするまでには至らず、今第3四半期連結累計期間の売上高は前年に比べ減少した。資格試験対策書籍ではTAC出版の税理士、中小企業診断士、建築士、証券アナリスト、W出版の司法書士、行政書士等が前年を上回ったが、簿記検定、宅地建物取引士、マンション管理士、FP等は前年を下回った。なお、旅行ガイドは旅行需要の追い風を受け、今第3四半期においても好調を維持。コスト面では、営業費用全体として24億38百万円(前年同期比1.9%増)となった。
これらの結果、出版事業の売上高は29億41百万円(同5.6%減)、営業利益は5億3百万円(同30.5%減)となった。

 

【人材事業】
減収・減益
子会社の㈱TACプロフェッションバンクが手掛ける会計系人材事業は、監査法人や税理士法人、一般企業等における会計系人材の採用需要が好調で、広告売上、人材紹介売上は引き続き堅調に推移している一方、人材派遣売上については前年を下回る結果となった。㈱医療事務スタッフ関西が手掛ける医療系人材事業は、新型コロナウイルス感染症関連の業務が減少した等の影響で第1四半期は売上減となったが、第2四半期からの回復基調を維持し、今第3四半期連結累計期間の売上高は前年と同水準の売上を確保した。一方、人件費等の営業費用の増加の影響等が引き続きあり、営業利益は減少した。
これらの結果、人材事業の売上高は4億40万円(前年同期比1.2%減)、営業利益は96百万円(同6.3%減)となった。

 

(3)分野別動向

同社は「収益認識に関する会計基準」等を適用しており、出版事業における返品の可能性のある取引については予想される返品相当額を売上高から直接控除している。当該返品相当額は過去の売上高に対する返品実績等に基づいた全体的な見積計算を行っており分野ごとの控除額は把握していない。そのため、下表中の「23/3期第3Q」および「24/3期第3Q」における売上高の合計額は、連結損益計算書における売上高とは一致しない。

 

分野別発生ベース売上高

 

23/3期3Q

構成比

24/3期3Q

構成比

前年同期比

財務・会計分野

2,800

18.8%

2,369

16.6%

-15.4%

経営・税務分野

2,382

16.0%

2,379

16.7%

-0.1%

金融・不動産分野

3,608

24.3%

3,593

25.3%

-0.4%

法律分野

948

6.4%

966

6.8%

+1.9%

公務員・労務分野

2,953

19.9%

2,632

18.5%

-10.9%

情報・国際分野

1,227

8.3%

1,270

8.9%

+3.5%

医療・福祉分野

208

1.4%

202

1.4%

-3.0%

その他

727

4.9%

820

5.8%

+12.7%

合計

14,857

100.0%

14,234

100.0%

-4.2%

*単位:百万円

 

【マーケット概要】
24年3月期第3四半期における受講者数は169,013名(前年同期比2.6%増、そのうち個人受講者数は92,925名(同1.2%減、1,097名減)、法人受講者数は76,088名(同7.7%増、5,414名増))となった。

 

受講者数の動向

 

23/3期3Q

構成比

24/3期3Q

構成比

前年同期比

個人受講者数

94,022

57.1%

92,925

55.0%

-1.2%

法人受講者数

70,674

42.9%

76,088

45.0%

+7.7%

合計

164,696

100.0%

169,013

100.0%

+2.6%

*単位:人

 

【分野別概況】
個人・法人を合わせた講座別では、税理士講座が前年同期比4.5%増、宅地建物取引士講座が同6.5%増、FP講座が同13.1%増、情報処理講座が同17.8%増等となった一方、簿記検定講座が同7.6%減、公認会計士講座が同5.2%減、マンション管理士講座が同6.3%減、公務員(国家一般職・地方上級)講座が同8.6%減等となった。法人受講者は、通信型研修が同11.0%増、大学内セミナーは同1.0%減、提携校が同7.2%減、委託訓練は同0.2%増となった。

 

分野別受講者数

 

23/3期3Q

構成比

24/3期3Q

構成比

前年同期比

財務・会計分野

22,523

13.7%

21,178

12.5%

-6.0%

経営・税務分野

20,333

12.3%

20,809

12.3%

+2.3%

金融・不動産分野

45,862

27.8%

49,535

29.3%

+8.0%

法律分野

8,000

4.9%

8,283

4.9%

+3.5%

公務員・労務分野

38,011

23.1%

35,809

21.2%

-5.8%

情報・国際/医療・福祉/その他分野

29,967

18.2%

33,399

19.8%

+11.5%

合計

164,696

100.0%

169,013

100.0%

+2.6%

*単位:人

 

(4)財政状態

◎主要BS項目

23年3月末

23年12月末

 

23年3月末

23年12月末

現預金

6,103

6,371

仕入債務

495

546

売上債権

3,835

3,872

返品廃棄損失引当金

333

288

たな卸資産

878

837

前受金

5,483

5,660

流動資産

11,604

11,679

資産除去債務

725

673

有形固定資産

4,973

4,913

有利子負債

5,298

5,899

無形固定資産

231

218

負債

14,591

15,016

投資その他

3,986

4,054

純資産

6,203

5,849

固定資産

9,190

9,186

負債・純資産合計

20,795

20,865

*単位:百万円

 

現預金の増加等から流動資産は前期末比74百万円増加。有形固定資産の減少等から固定資産は同4百万円減少。資産合計は同70百万円増加し208億65百万円。
有利子負債の増加等から負債合計は同4億24百万円増加し150億16百万円。
利益剰余金の減少等で純資産は同3億54百万円減少の58億49百万円。
この結果、自己資本比率は前期末より1.8ポイント下落し28.0%となった。

 

3.2024年3月期業績予想

(1)連結業績予想

 

23/3期 実績

構成比

24/3期 予想

構成比

前期比

現金ベース売上高

19,295

97.9%

発生ベース売上高

19,711

100.0%

19,113

100.0%

-3.0%

売上総利益

7,732

39.2%

販管費

7,413

37.6%

営業利益

319

1.6%

-210

経常利益

324

1.6%

-248

当期純利益

214

1.1%

-171

*単位:百万円。予想は会社側予想。

 

業績予想を下方修正。
24年3月期は従来予想を下方修正した。発生ベース売上高は従来の196億20百万円から191億13百万円に、営業利益は3億80百万円から▲2億10百万円の赤字転落になると予想。税理士講座及び社会人が主な受講生層となる講座は、夏以降申し込みが戻ってきているものの、大学生を主要な受講生層とする公認会計士講座及び公務員講座は、民間企業への就職が良好なこと等により低迷していることなどによるもの。尚、配当は変更なく6.00円/株を予定。

 

4.今後の注目点

アフターコロナで需要回復を期待するも、個人教育関連の戻りが弱く、業績予想は下方修正となった。コスト削減として、賃借料の削減等を進めているが、外部環境にかかわらず、売上減少をいかにして止めることが最大のポイントとなろう。今後の収益立て直し策に期待したい。

 

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

監査等委員でない取締役

12名、うち社外2名

監査等委員である取締役

3名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2023年12月19日

 

<基本的な考え方>
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、迅速な意思決定の重視という点にあり、当社の社内取締役は、現在10名となっております。一方で、社外取締役を5名配置し、パブリック・カンパニーとして求められる企業統治ないし法令遵守体制について適切に整備するとともに有効に機能するように運用しております。

 

わが国は、成熟した工業社会から急速に知識社会へシフトしつつあります。知識社会ではさまざまな分野ごとに知識専門家(プロフェッション)が要求され、活躍の場を広げています。プロフェッション(profession)とは英語のprofess=「神の前で宣言する」を語源とし、中世ヨーロッパ社会では神に誓いを立てて従事する職業として、神父・医師・会計士・教師等の知識専門家を指していました。当社は公認会計士を養成するビジネスを始めて以来、大学に代わって、現代に求められる多くのプロフェッションの養成を担当してまいりました。

 

当社グループは、「社会が必要とするプロフェッションを養成する」及び「個人の成長に深く関わる」ことを経営理念として、拠点とメディアを通して顧客(大学生・社会人・法人企業)の幅広い支持を受け、教育サービス及び人材育成・供給市場での一強となることを目指してまいります。ステークホルダーとしての顧客の支持基盤を有してこそ、「株主価値の増大」という株式会社に求められる最も基本的な命題も達せられると考えております。

 

当社グループのコーポレート・ガバナンスにはこうしたプロフェッションとしての自己規律が組織風土として働いており、当社の取締役自身も「経営のプロフェッション」たらんと律しております。取締役の任期は会社法上1年(監査等委員である取締役は2年)と定められており、毎期、株主総会において「経営のプロフェッション」であったかどうか株主によって判定されます。また、当社は機関設計として監査等委員会設置会社を採用し、企業経営に関する監督及び監査機能・内部統制の充実、コンプライアンスの徹底を図り、透明性の高い企業経営を目指しております。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>
当社は、コーポレートガバナンス・コードの以下の原則について実施しておりませんが、その理由は以下の通りです。

原則

実施しない理由

補充原則1-2(4)

当社の株主構成はその大半が国内の個人株主であり、機関投資家や海外の投資家の割合は限定的なものとなっております。そのため、現時点では議決権電子行使プラットフォームの利用等や招集通知の英訳は実施しておりません。しかしながら、今後、機関投資家や海外の投資家の割合が高まってきた際には、それらを進めていくことを検討してまいります。

補充原則2-4(1)

 

当社は中核人材の登用に関して、その属性にこだわらず、個人の能力に基づく評価・登用を基本としております。それゆえ、属性ごとの数値目標は定めておりません。

また当社は、日本国内での事業活動がそのほとんどを占めることもあり、外国人管理職の登用実績はありません。しかし当社は中核人材の登用に関して、その属性にこだわらず、個人の能力に基づく評価・登用を基本としているため、今後の事業展開により適任者がいれば、登用を検討してまいります。

当社は新卒採用に加え、中途採用等も積極的に行っており、多様性のある人材育成と活気のある組織作りに取り組んでおります。

補充原則4-11(1)

 

当社は、当社グループの経営を効果的かつ効率的に行い、会社の持続的な成長と企業価値の最大化を図るため、取締役会は能力や知識・経験等のバックグラウンドが異なる多様なメンバーで構成することとしております。また取締役の人数の上限については、迅速な意思決定が行えるように定款で15名以内、うち監査等委員である取締役が4名以内と定めております。

なお、スキル・マトリックスの開示に関しましては今後の課題として検討してまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>
コーポレートガバナンス・コードで開示が求められる各原則に関する当社の方針は以下の通りです(「コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由」に記載された原則を除く)。

原則

開示内容

補充原則3-1(3)

 

当社はサステナビリティに関する取り組みとして、環境面においては社内の業務におけるペーパーレスの推進、クールビズやウォームビズの実施及びそれに伴う空調エネルギーの省力化によるCO2排出の削減などに取り組んでおります。また、社会的な面においては、ビジネスパーソンに必須の会計知識の習得を推進し、企業並びに日本経済全体の発展に寄与することを目的とした「簿記チャンピオン大会」等を実施しております。

当社の経営理念は「プロフェッションの養成を通して社会に貢献」することです。

当社は学生や社会人の国家資格等の資格取得支援という教育サービス業を行っており、そのための教材・カリキュラム開発等、教育コンテンツの開発は、知的財産への投資にほかなりません。またその教育コンテンツ開発のためにプロフェッションの養成が不可欠であることから、従業員に対して日商簿記3級の取得を義務付けているほか、各種資格の取得を推奨し、そのための講座受講料等のサポートを積極的に行っております。

原則5-1

株主を含む投資家の方々からの問い合わせ等に対応するため、専門の部署(IR室)を設置しております。問い合わせ事項に関しては、インサイダーに抵触する恐れが高いと判断される情報を除き、適切に対応することとしております。

 

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