(4477)BASE株式会社 先行投資継続で増収減益

2021/09/02

 

 

鶴岡 裕太 CEO

BASE株式会社(4477)

 

 

企業情報

市場

東証マザーズ

業種

情報・通信

代表者

鶴岡 裕太

所在地

東京都港区六本木三丁目2番1号 住友不動産六本木グランドタワー 37F

決算月

12月

HP

https://binc.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,060円

110,828,749株

117,478百万円

6.0%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

0.00

-13.10円

739.22円

1.4倍

*株価は8/12終値。各数値は20年12月期決算短信より。EPS(予)はレンジの下限。PBRは、2021年4月1日付で実施の1:5の株式分割を考慮。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2017年12月

1,147

-1,261

-1,268

-175.82

0.00

2018年12月

2,352

-791

-798

-854

-118.45

0.00

2019年12月

3,849

-441

-455

-459

-38.73

0.00

2020年12月

8,288

803

747

584

28.18

0.00

2021年12月(予)

9,750~10,536

-1,433-929

-1,433-929

-1,437-933

-13.10-8.51

0.00

* 予想は会社予想。単位:百万円、円。2016年12月期、2017年12月期は非連結。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。
2021年12月期のEPSは、2021年4月1日を効力発生日として実施する1:5の株式分割を考慮している。

 

BASE(株)の2021年12月期第2四半期決算概要などについてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2021年12月期第2四半期決算概要
3.2021年12月期業績予想
4.中期の経営方針
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • Eコマースプラットフォーム「BASE」の運営を中心に、ネットショップ向け決済サービス「PAY.JP」及び購入者向けID決済サービス「PAY ID」等のサービスを手掛ける。「BASE」は、誰でも簡単にデザイン性の高いネットショップを無料で作ることができるネットショップ作成サービスと、開設された店舗の商品を購入できるショッピングアプリ「BASE」等を提供するEコマースプラットフォーム。開設したネットショップは、商品管理から決済、発送、お金の管理まで必要な機能を無料で使うことができ、万ユーザーが利用するスマートフォンアプリ「BASE」から送客される。

     

  • 21年12期第2四半期(累計)の売上高は前年同期比27.2%増の46億84百万円。両事業とも増収。営業利益は前年同期6億12百万円の利益から2億百万円の損失に転換。増収により売上総利益も増加したが、BASE事業の持続的な成長を目的としたプロモーションや人材採用への先行投資により、販管費が大きく増加した。四半期ベースの売上高・売上総利益は、前年同期に比べてBASE事業のGMVの減少により減収減益となったが、では増収増益。GMVはPAY事業の成長で四半期、累計とも過去最高額を記録した。

     

  • 21年12期の通期業績予想に変更は無い。増収も、BASE事業を中心に中長期の利益成長を目指した先行投資を継続するため営業利益以下損失を見込んでいる。ただ、規律を持った先行投資とし、プロモーション費用を除いた営業損益は黒字を確保する。第2四半期の売上高及び売上総利益は業績予想のレンジの中央値付近で推移し、第3四半期以降も業績予想の範囲内で推移すると会社側は見ている。

     

  • 主力のBASE事業では新型コロナウイルスのプラス影響が大きかった(4-6月)からの反動はあったものの、主要KPIの一つGMVは増加に転じ、またもう一つの主要KPI売店数は大幅に成長している。

     

  • 元々同社では前期のようなトレンドが今期も継続するとは見ておらず、ロングテール市場で確固たる地位を築くための中期的な取り組みがしっかりと効果を生んでいるといえよう。第2四半期に増加に転じたBASE事業の売上・利益及びGMVが第3四半期どのように拡大していくのか注目したい。

     

     

1.会社概要

ミッションとして「Payment to the People, Power to the People.」を掲げ、SBM(Small and Medium Business)やスタートアップ等の事業者向けEコマースプラットフォーム及びオンライン決済サービスの提供と、購入者向けID決済サービス「PAY ID」の提供を行っている。事業セグメントは、BASE事業、PAY事業、その他事業に分かれ、同社がEコマースプラットフォーム「BASE」を提供するBASE事業を、連結子会社PAY(株)がクレジットカード決済によるオンライン決済サービス「PAY.JP」及びID決済サービス「PAY ID」を提供するPAY事業を、それぞれ手掛けている。事業には、連結子会社BASE BANK(株)が「BASE」を利用するショップオーナーに対して事業資金を提供する資金調達サービス「YELL BANK」等が含まれている。
尚、ミッションである「Payment to the People, Power to the People.」には、ペイメントを人々に提供し、その結果、人々が強くなり、自由に生きて行けるような世の中を作りたい、という思いが込められている。

 

【行動指針】
Be Hopeful
楽観的でいること。期待した未来は実現すると信じて、勇気ある選択をしよう。
Move Fast
速く動くこと。多くの挑戦から多くを学ぶために、まずはやってみよう。
Speak Openly
率直に話すこと。より良い結論を得るために、その場で意思を伝えよう。

 

1-1 事業内容

報告セグメントは「BASE事業」「PAY事業」「その他事業」の3セグメント

 

BASE事業
専門知識がなくても簡単にデザイン性の高いネットショップを無料で作ることができるネットショップ作成サービスと開設された店舗の商品を購入できるショッピングアプリ等を提供するEコマースプラットフォーム「BASE」を展開している。初期費用・月額費用無料で豊富なテンプレートや決済システム(「BASEかんたん決済」)を使うことができ、手軽にネットショップを開設することができる(このため、「BASE」にあるショップは全て、店舗デザインが異なる)。決済は「BASEかんたん決済」の利用が義務付けられており、決済手数料がBASE事業の収益となる。
多様な拡張機能も「BASE」の特徴である。BASEは、初めてネットショップを開設するユーザーをターゲットとしているが、拡張機能を使うことで事業規模が大きくなっても使い続けることができる。例えば、最初の管理画面はシンプルだが、「BASE」のAppsという拡張機能の中から、ショップ機能を、事業規模が拡大しても「BASE」を快適に使うことができる。
ユーザーに提供できる付加価値が高いことが、テイクレート(ECサイト上でののうち運営企業の取り分の割合)の高さおよび流通総額(GMV)の増大に結び付いている。

 

PAY事業
Webサービスやネットショップにクレジットカード決済を簡単に導入できるオンライン決済サービス「PAY.JP」と、ショップでの購入者向け ID決済サービス「PAY ID」を提供している。「PAY.JP」はシステム(ペイメント)を提供し、「BASE」と同じく決済手数料を受け取っているが、エンジニアが在籍し自社サイトの構築等を自社で可能な企業に決済だけを提供するサービスである。提供しているAPIを使うことで簡単に自社サイトに決済機能を導入できる。
一方、「PAY ID」は購入者向けサービスである。クレジットカード情報等のユーザー情報を登録しIDを取得することで、購入の都度クレジットカード番号や届け先情報を入力する必要がなく、IDでログインするだけでスムーズにオンライン決済を行うことができる

 

その他事業
「BASE」を利用するネットショップ運営者に対して事業資金を提供するサービス「YELLBANK」等を提供している。「YELL BANK」は、「BASE」のショップオーナーが、リスクが無く即時に資金調達できる金融サービスである。ショップの将来の売上金額を予測して「YELLBANK」がショップオーナーから将来の売掛債権を買い取る。買い取った金額は即時にショップオーナーに支払われるため、ショップオーナーは将来の売上を利用して資金を調達できる。

(同社資料より)

 

1-2 決済の仕組み

決済代行会社から同社グループへの入金は、同社グループからBASEショップ及びPAY加盟店への支払前もしくは同時に行われるケースが大半。基本的に加盟店への支払いよりも決済会社からの入金の方が早いため、急激にGMVが増えた場合でも資金的な問題が発生することはない。

 

BASE事業
購入者がBASEショップで商品を注文すると、決済代行会社を通じて同社に入金される。同社は手数料を控除し、決済代金をBASEショップへ支払う。決済代行会社から同社への入金サイクルは、決済方法によって異なるが、概ね購入者が注文後、即日から1ヶ月程度。一方、同社からショップへの支払いは、通常、ショップが商品発送後、10営業日以降の任意のタイミングで、ショップの支払依頼に基づき行われる。

 

PAY事業
購入者がPAY.JP加盟店で商品・サービスを注文・決済すると、決済代行会社を通じて同社に入金される。同社は手数料を控除し、決済代金をPAY.JP加盟店に支払う。決済代行会社から同社への入金は、決済後、半月程度。一方、同社からショップへの支払いは、加盟店の導入プランにより異なるが、決済後、半月もしくは1ヶ月のタイミングで行われる。

 

1-3 BASEの特徴

BASEの特徴として、「初期費用・月額費用が無料」、「BASEかんたん決済」、「デザイン性」、及び「BASE Apps」を挙げることができ、この他、リアル店舗出店スペース及び出品型ポップアップスペースとして、「BASE」の出店ショップに対し、百貨店等、リアルの場で商品を販売する機会も提供している。

 

初期費用・月額費用が無料
ネットショップの初期導入費用及び月額運営費用を無料としており、ネットショップの作成から運営まで無料でできるため手軽にネットショップを始めることができる。

 

BASEかんたん決済
同社独自の決済システムであり、クレジットカード決済、コンビニ決済・Pay easy決済、銀行振込決済、後払い決済、キャリア決済、PayPal決済のの決済方法を、最短で翌営業日に「BASE」により開設したネットショップに導入できる。一般にネットショップを始める際には、ネットショップの開設の他に決済機能の導入も併せて行う必要あり、ショップオーナーは、決済会社との契約や銀行口座の用意等、ネットショップの運営開始までの間に煩雑な手続きを行わなければならない。「BASE」を用いてネットショップを開設したショップオーナーは、煩雑な手続きを行うことなく、「BASEかんたん決済」の利用申請を行うだけで決済機能を導入することができる。決済手数料は、決済方法にかかわらず、取引金額に対して3.6%+40円、及びサービス利用料として取引金額の3.0%。「BASEかんたん決済」は取引の安全性を確保するため、同社が仲介するエスクロー決済となっている。

 

デザイン性
ファッション、フード、雑貨等、様々なカテゴリに対応できる豊富なテンプレートを用意しており、表現したいネットショップのデザインをすぐに表現することができる。

 

多彩な拡張機能「BASE Apps」
「BASE」をより便利に利用するためのプラグインプラットフォーム(拡張機能)「BASE Apps」が用意されており、目的や必要に応じて使いたい機能だけをインストールしてネットショップに追加できる。「BASE」では、初めてネットショップを作成するユーザーでも視覚的にスムーズに操作できるようにシンプルな機能がベースになっているが、「BASE Apps」を利用することでショップコンセプトに合わせたカスタマイズが可能。主な拡張機能は次の通り。

 

機能名称

内容

区分

BASEロゴ非表示

BASEのロゴを非表示にすることが可能。

有料

HTML編集

BASEが用意している11種類のテンプレートに縛られず、HTML・CSS・JavaScript等を編集し、オリジナルのネットショップをデザインすることが可能。

無料

独自ドメイン

ショップのURLをオリジナルのURLに変更することが可能。

無料

Instagram販売

BASEの商品とInstagramを連携することで、Instagramの投稿に商品をタグ付けして、BASEの商品販売ページに直接リンクさせることが可能。

無料

定期便

指定した販売サイクルと継続回数で商品を定期販売することが可能。

無料

予約販売

入庫前の商品を先行販売し、予約注文を受けることが可能。

無料

かんたん発送

伝票作成不要で簡単に商品発送が可能。(ヤマト運輸との連携)

無料

 

 

2.2021年12月期第2四半期決算概要

【2-1 連結業績(累計)】

 

20/12期2Q

構成比

21/12期2Q

構成比

前期比

売上高

3,681

100.0%

4,684

100.0%

+27.2%

売上総利益

2,256

61.2%

2,691

57.4%

+19.3%

販管費

1,644

44.7%

2,961

63.2%

+80.1%

営業利益

612

16.6%

-270

経常利益

613

16.7%

-273

四半期純利益

503

13.7%

-246

* 単位:百万円。

 

増収もプロモーションや人材採用への先行投資で損失計上
売上高は前年同期比27.2%増の46億84百万円。両事業とも増収。
営業利益は前年同期6億12百万円の利益から2億百万円の損失に転換。増収により売上総利益も増加したが、BASE事業の持続的な成長を目的としたプロモーションや人材採用への先行投資により、販管費が大きく増加した。

 

四半期ベースの売上高・売上総利益は、前年同期に比べてBASE事業のGMVの減少により減収減益となったが、では増収増益。GMVはPAY事業の成長で四半期、累計とも過去最高額を記録した。

 

【2-2 セグメント別動向】

◎売上・利益

 

20/12期2Q

構成比・利益率

21/12期2Q

構成比・利益率

前年同期比

BASE事業

3,276

89.0%

4,027

86.0%

+22.9%

PAY事業

392

10.6%

639

13.6%

+63.0%

その他

13

0.4%

17

0.4%

+%

連結売上高

3,681

100.0%

4,684

100.0%

+27.2%

BASE事業

774

21.0%

-104

PAY事業

-52

-35

その他

-24

-34

調整額

-86

-95

連結営業利益

612

16.6%

-270

* 単位:百万円

 

◎BASE事業
増収、損失計上。
新型コロナウイルスの影響が顕著だったではGMVは減少したが、月間売店数の増加(4,000店増)により、では増加した。
継続的な成長を目的としたプロモーションへの先行投資によりプロモーション費が増加し、損失を計上。
上位ショップ(2020年第1四半期の月間GMVが上位約0.1%のショップ)はネガティブチャーンを達成し、離脱は発生していない。
テイクレート(GMV(決済額)に対する売上高の比率)は主に購入者手数料の減少により減少した。

(主なトピックス)
*累計ショップ開設数は2021年5月に150万ショップを突破した。
*「ページ追加App」を提供開始した。ネットショップとしてだけでなく、Webページとしても利用ができ、ブランド情報や商品情報の魅力をより自由に表現することが可能になった。
*クラウドファンディング及びPOSレジとの連携を開始した。クラウドファンディング大手の株式会社CAMPFIREが提供する「CAMPFIRE」とBASEのアカウント情報を連携し、「CAMPFIRE」でクラウドファンディングのプロジェクトを容易に立ち上げることが可能となった。また、POSレジに関しては、株式会社スマレジが提供するクラウドPOSレジ「スマレジ」との連携により、実店舗とネットショップの商品在庫の一元管理が可能になり、「売り逃し」や「売り越し」などを防ぎ、業務効率化を図ることができる。
*リアル店舗出店スペース「SHIBUYA BASE」が移転リニューアルオープンした。従来のアパレル・雑貨等に加え、新たに飲食物の販売も可能になり、ブランドの認知向上や新規顧客の獲得などの商機の拡大を、リアル店舗を通じてサポートする。

 

◎PAY事業
増収、損失幅縮小。
GMVは、既存加盟店の継続的な成長により2020年以前のGMVが増加。前年同期比、前期比とも順調に成長した。
GMVの増加により、売上高、売上総利益は大きく成長した。

◎その他事業
増収、損失幅拡大。
2018年12月のサービス提供開始以降、利用者数は堅調に推移している。

 

【2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)】

◎財政状態

 

20年12月

21年6月

増減

 

20年12月

21年6月

増減

流動資産

27,693

27,847

+154

流動負債

12,224

12,598

+374

現預金

22,271

23,027

+756

営業未払金

8,989

9,407

+418

未収金

4,971

4,533

-438

営業預り金

2,589

2,842

+253

固定資産

811

855

+44

固定負債

63

62

-1

有形固定資産

120

113

-7

負債合計

12,287

12,661

+374

無形固定資産

3

4

+1

純資産

16,217

16,042

-175

投資その他の資産

688

737

+49

負債・純資産合計

28,505

28,703

+198

資産合計

28,505

28,703

+198

 

 

 

 

* 単位:百万円
現預金の増加の一方未収金が減少し、総資産は前期末比1億98百万円増の287億3百万円。営業未払金の増加などで負債合計は同3億74百万円増加。損失計上で利益剰余金が減少し、純資産は同1億75百万円減少し160億42百万円。
自己資本比率は前期末より1.0ポイント低下し55.9%となった。

 

◎キャッシュ・フロー(CF)

 

20/12期2Q

21/12期2Q

増減

営業キャッシュ・フロー

2,611

756

-1,855

投資キャッシュ・フロー

-24

-12

+12

フリー・キャッシュ・フロー

2,587

744

-1,843

財務キャッシュ・フロー

1

12

+11

現金及び現金同等物期末残高

9,783

23,027

+13,244

* 単位:百万円

 

税金等調整前当期純損失計上により営業CF及びフリーCFのプラス幅は縮小。
キャッシュポジションは大きく上昇した。

 

3.2021年12月期業績予想

【3-1 通期連結業績】

 

20/12期

構成比

21/12期(予)

構成比

前期比

進捗率

売上高

8,288

100.0%

9,750~10,536

100.0%

+17.6%~+27.1%

48.0%

売上総利益

4,992

60.2%

5,614~6,118

57.6%~58.1%

+12.5%~+22.6%

47.9%

販管費

4,189

50.5%

7,047

72.3%~66.9%

+68.2%

42.0%

営業利益

803

9.7%

-1,433~-929

経常利益

747

9.0%

-1,433-929

当期純利益

584

7.1%

-1,437-933

*単位:百万円。進捗率は業績予想下限に対する進捗率。

 

業績予想に変更無し。中長期成長のための先行投資を継続。
業績予想に変更は無い。増収も、BASE事業を中心に中長期の利益成長を目指した先行投資を継続するため営業利益以下損失を見込んでいる。
ただ、規律を持った先行投資とし、プロモーション費用を除いた営業損益は黒字を確保する。
第2四半期の売上高及び売上総利益は業績予想のレンジの中央値付近で推移し、第3四半期以降も業績予想の範囲内で推移する。

 

【3-2 セグメント別見通し】

(1)BASE事業

 

20/12期

21/12期(予)

前期比

進捗率

GMV(注文)

95,296

115,000~125,000

+20.7%~+31.2%

46.8%

GMV(決済)

87,717

103,500~112,500

+18.0%~+28.3%

48.6%

売上高

7,321

8,350~9,100

+14.1%~24.3%

48.2%

テイクレート

8.3%

8.1%

売上総利益

4,872

5,450~5,950

+11.9%~+22.1%

47.9%

GMV(決済)比

5.6%

5.3%

売上総利益率

66.6%

65.3%

* 単位:百万円

 

GMVは第2四半期時点において業績予想のレンジの中央値付近で推移した。第3四半期以降も業績予想の範囲内で前年同四半期比でもプラスの成長を見込んでいる。
(主な取り組み)
*GMVおよび売上総利益の成長を重視し、先行投資を積極的に実行する。
*更なる認知度獲得及び新規ショップ獲得のための広告宣伝を強化する。
*ショッピングアプリ「BASE」やクーポンなどを活用し、ショップの販促支援を強化する。
*サービス拡大のためのプロダクト人員の採用等の先行投資を加速する。
*プロダクト開発においては、より幅広いユーザーの利用を促進するための機能開発、拡張機能の強化や資金提供、キャッシュ・フローの早期化等、継続利用ショップの成長を支援するサービスを拡充し、長期的な利用とLTV の向上に努める。
*コロナ禍でお困りの方々をサポートするための支援を引き続き実施する。

 

(2)PAY事業

 

20/12期

21/12期(予)

前期比

進捗率

GMV

36,069

52,600~54,000

+45.8%~+49.7%

46.2%

売上高

939

1,370~1,406

+45.8%~+49.6%

46.7%

テイクレート

2.6%

2.6%

売上総利益

92

134~138

+45.1%~+49.5%

47.4%

GMV比

0.3%

0.3%

売上総利益率

9.8%

9.8%

* 単位:百万円

 

引き続きコストを抑制しつつ、プロダクトの強化及び加盟店数の増加に努め、GMVの成長を目指す。

 

【3-3 その他の取り組み】

◎ガバナンスの強化
予定通り、株主総会の決議を経てガバナンス体制の強化を行った。
*取締役会のうち半数を社外取締役とし、取締役会の監督機能を強化。
*執行役員制度により監督機能と執行機能を分離しガバナンスを強化。業務執行権限委譲で機動的な意思決定を行う。
*取締役会の諮問機関として社外取締役が過半数を占める任意の指名・報酬委員会を設置

 

(同社資料より)

4.中期の経営方針

以下のような経営方針の下、中期的な成長を追求する。
*引き続きBASE事業に注力する。
*先行投資は規律を持って実行し、プロモーション費用を除く営業損益の黒字は確保する。

 

◎BASE事業
*引き続き個人及びSMBをエンパワーメントすることに注力する。
*ストアフロント型EC市場において、個人及びSMBを対象とするロングテール市場は、大規模なショップを対象とする市場と比べ、より高いGMV成長率やテイクレートを期待できる市場である。

 

(同社資料より)

 

*同社はこのロングテール市場において、国内最大のシェアを占めている。
*ロングテール市場において確固たる地位を築き、持続的な成長を実現するために、認知度向上を目的としたプロモーションを積極的に展開するための先行投資を強化する。
*人材採用の促進や外部人材の活用により、プロダクト開発等への先行投資も加速させる。
*プロダクトの付加価値を更に高め、ロングテール市場において確固たる地位を築き、テイクレートを維持することで、中期的な売上総利益の成長を目指す。
*個人やSMBにとって商品が売れない時期からコストが先行するのはリスクであるため、ECサイト開設・決済機能の導入が容易で、かつ初期費用・月額費用が無料なことは、同業サービスとの大きな差別化要因になっている。

 

 

◎PAY事業
引き続きコストは抑制しながらも、プロダクトの強化及び加盟店数の増加に努め、GMVの成長を目指す。

 

 

5.今後の注目点

主力のBASE事業では新型コロナウイルスのプラス影響が大きかったからの反動はあったものの、主要KPIの一つGMVは増加に転じ、またもう一つの主要KPI売店数は大幅に成長している。
元々同社では前期のようなトレンドが今期も継続するとは見ておらず、ロングテール市場で確固たる地位を築くための中期的な取り組みがしっかりと効果を生んでいるといえよう。
第2四半期に増加に転じたBASE事業の売上・利益及びGMVが第3四半期どのように拡大していくのか注目したい。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

4名、うち社外2名

監査役

3名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2021年3月26日)
基本的な考え方
当社は、「Payment to the People, Power to the People.」をミッションとして掲げ、社会に貢献する企業となることを目指しております。このようなミッションのもと、企業価値の持続的な増大を図るためには、経営の健全性、効率性、透明性を高め、経営環境の変化に迅速かつ柔軟に対応できる組織体制を構築することが重要な課題であると位置付け、コーポレート・ガバナンスの体制強化、充実に努めております。

 

【コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由】
コーポレートガバナンス・コードの基本原則をすべて実施しております。

 

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