(8931) 和田興産株式会社 10期連続の増配を予定
和田 憲昌 会長 |
高島 武郎 社長 |
和田興産株式会社(8931) |
|
企業情報
市場 |
JASDAQ |
業種 |
不動産業 |
会長 |
和田 憲昌 |
社長 |
高島 武郎 |
所在地 |
兵庫県神戸市中央区栄町通4-2-13 |
決算月 |
2月 |
HP |
株式情報
株価 |
発行済株式数(自己株式を控除) |
時価総額 |
ROE(実) |
売買単位 |
|
786円 |
11,099,798株 |
8,724百万円 |
8.5% |
100株 |
|
DPS(予) |
配当利回り(予) |
EPS(予) |
PER(予) |
BPS(実) |
PBR(実) |
34.00円 |
4.3% |
166.67円 |
4.7倍 |
2,032.35円 |
0.4倍 |
*株価は10/25終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
非連結業績推移
決算期 |
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
当期純利益 |
EPS |
DPS |
2016年2月(実) |
28,950 |
2,938 |
2,055 |
1,238 |
123.86 |
26.00 |
2017年2月(実) |
31,374 |
3,063 |
2,193 |
1,370 |
137.10 |
27.00 |
2018年2月(実) |
35,149 |
3,304 |
2,424 |
1,589 |
158.23 |
30.00 |
2019年2月(実) |
39,287 |
3,445 |
2,687 |
1,843 |
166.07 |
32.00 |
2020年2月(予) |
40,000 |
3,500 |
2,700 |
1,850 |
166.67 |
34.00 |
* 予想は会社予想。単位は百万円、円。
和田興産株式会社の2020年2月期第2四半期決算の概要と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.2020年2月期第2四半期決算概要
3.2020年2月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:ESGへの取組み>
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 20/2期上期は前年同期比1.9%の減収、13.0%の営業減益。その他不動産販売(収益物件の売却)や不動産賃貸収入が増加したものの、前年同期に大型プロジェクトの引渡があった反動で主力の分譲マンション販売が減少した。増収となった不動産賃貸も、新規物件の取得費用の計上や修繕費の増加等で利益率が悪化し、その他不動産販売を除く全てのセグメントで売上総利益が減少。販管費は、人件費の増加や賃貸物件の新規取得にかかる租税公課等で増加した。
- 通期予想に変更はなく、前期比1.8%の増収、同1.6%の営業増益。分譲マンション販売や戸建て住宅販売が増加するものの、前期よりも販売物件が小型化するその他不動産販売が減少する他、売却物件の増加で不動産賃貸収入も減少する見込み。利益面では、販管費が前期並みにとどまる見込みだが、不動産価格の上昇や建築業界の人手不足等による建築コストの高止まりを踏まえて売上総利益率の低下を織り込んだ。配当は記念配2円を落とし、普通配を4円増配の34円を予定しており、10期連続の増配となる(配当性向20.4%)。
- 首都圏では供給戸数の減少が顕著で、契約率も好不調の目安とされる70%を下回っているが、マンション価格の上昇が緩やかな近畿圏では契約率が70%を超え、供給戸数も首都圏ほど落ち込んでいない。こうした中、同社の仕入は順調で、上期末までに通期の仕入計画(650戸)を上回る705戸の仕入を完了した。主力の神戸・阪神間では、地元不動産業者との強固なネットワークを強みに相対取引中心に有利な仕入ができているようだ。リーズナブルな価格水準にとどまり堅調に推移する近畿圏のマンション市況と同社の順調な仕入を考えると、来期以降も安定成長が続くとみてよさそうだ。
1.会社概要
明治32年(1899年)創業の老舗不動産会社。兵庫県神戸市・明石市・阪神間を主要地盤に、マンションや戸建て住宅の分譲、不動産賃貸及び土地有効活用等、地域密着型の不動産事業を展開。同社は用地仕入と企画に特化し、設計・建築・販売業務を他社に委託している。ブランド名「ワコーレ」を冠するマンション分譲は30戸~50戸程度の中規模マンションを中心とし、神戸市内では、「供給棟数」21年連続第1位、「供給戸数」第2位。近畿圏供給ランキングでは、「供給棟数」第3位、「供給戸数」第7位(いずれも2018年)。2019年8月末現在の累積供給実績は486棟18,390戸(着工ベース)。
1899年1月、神戸市で不動産賃貸業を創業。1966年12月に和田興産(有)として法人化され、79年9月に和田興産(株)に改組した。
【企業理念-共生(ともいき) 自分の生き方が他の人の幸せにつながる-】
人と人とのつながりを大切に、共に支え合い、自分の生き方が他の人の幸せにつながることを歓びとする「共生(ともいき)」の思想。同社はこの想いのもと、プロダクトコンセプトとして「PREMIUM UNIQUE (プレミアムユニーク)」を掲げ、住まう一人一人の気持ちに応えながら、自身の生き方にフィットするオンリーワンの住まいづくりを目指している。
1-1 事業セグメント
「ワコーレ」ブランドで展開する分譲マンション販売、「ワコーレノイエ」ブランドで展開する戸建て住宅販売(販売は両事業共に外部委託)、収益物件や宅地等の開発・販売を手掛けるその他不動産販売、賃貸マンション(ブランド名「ワコーレヴィータ」他)、店舗、駐車場等の賃貸を行う不動産賃貸収入、及び保険代理店手数料など報告セグメントに含まれない「その他」に区分される。19/2期の売上構成比は、分譲マンション販売79.5%(18/2期77.3%)、戸建て住宅販売5.6%(同5.0%)、その他不動産販売7.9%(同10.1%)、不動産賃貸収入6.7%(同6.8%)、その他0.2%(同0.7%)。セグメント利益の構成比は、分譲マンション販売71.3%(同60.8%)、戸建て住宅販売1.7%(同1.4%)、その他不動産販売1.9%(同14.1%)、不動産賃貸収入23.4%(同21.3%)、その他1.7%(同2.4%)。
分譲マンション販売事業
神戸・明石地区(兵庫県神戸市、明石市周辺)、阪神地区(兵庫県芦屋市、西宮市、尼崎市、伊丹市、宝塚市)を主要エリアとし、大手マンションデベロッパーと競合の少ない30戸~50戸程度の中規模マンションを中心に「ワコーレ」ブランドで展開している。人気の高いエリアにフォーカスし、同一地域で異なるタイプのマンションを供給することで、消費者の多様なニーズの取り込みと高い販売効率を実現する販売戦略、複数の物件を同時に一つの常設マンションギャラリーで扱う事で販売コストを抑制するマンションギャラリー戦略等、独自の地域密着戦略で効率的な事業モデルを確立している事が強み。また、近年では大型プロジェクトへの対応や神戸・阪神間に隣接する大阪府北摂地域や兵庫県姫路市へのエリア拡大で新たな可能性を追求している。
20/2期プロジェクト事例
(同社資料より)
戸建て住宅販売事業
2007年より「ワコーレノイエ」ブランドで、神戸市・阪神間を中心に北摂地域も含め、10戸程度の開発を行っている。数多く寄せられる多様な用地情報の中には、立地、面積、地形等の面で戸建分譲に適した物件も多い。また、分譲マンションの事業期間が2年弱であるのに対して当事業は1年程度と短いため資金の回転も効き、分譲マンション竣工の谷間を埋める事ができる。街並み造りを基本とする開発コンセプト、分譲マンション事業で培ったデザイン性や設計・企画力等でパワービルダーとの差別化を図っている。
その他不動産販売事業
賃貸マンションをはじめとする収益物件の企画開発及び販売(一棟売り)、宅地等の販売を手掛けている。物件情報を有効活用する機能を担う他、資産の入替えに伴う賃貸物件(棚卸資産)の売却収益も当セグメントに計上される。近年は投資家向け一棟売り賃貸住宅を強化している。
不動産賃貸事業
住居系を中心に、店舗・事務所等、駐車場、トランクルーム等を運営。安定的なキャッシュ・フローが得られるビジネスとして創業時より継続する事業であり、市況に左右されがちな分譲マンション事業のウエイトが高い同社にあって、収益の安定化に寄与している。稼働率(入居率)の向上による安定収益の確保と物件入替によるポートフォリオの質の維持・向上を基本戦略とし、住居系は、一定期間経過後の入替えを念頭に、個人の富裕層等で購入希望者が多い2~3億円の物件を中心とした資産構成。稼働率は95%前後の水準を維持している。また、資産と負債を適切に管理する事で投資回収期間が長期にわたるリスク、及び資産が過大になる事に伴うリスクの軽減を図っている。各物件の表面利回りは9~10%と高く、間接経費の負担を賃貸事業の安定収益でカバーすることを目指している。
1-2 和田興産の強み
①日本有数の住宅地が事業エリア
日本有数の住宅地である神戸、明石、阪神間を主要な事業エリアとする事で旺盛な住宅需要を取り込むと共に情報力で比較優位を確立しており、地域に根差したコミュニティづくりでも定評がある。
②関西における「ワコーレ」ブランドの浸透
関西において「ワコーレ」ブランドは浸透しており、そのブランド力は大手マンションデベロッパーに引けを取らない。日本経済新聞社大阪本社が実施した「第21回(2018年) マンションブランドアンケートにおいて、「個性がある」ブランド部門、「親しみがある」ブランド部門でともに第4位にランクされた。
③徹底したリスク管理により財務の健全性を維持
リスク管理を徹底する事で財務の健全性を維持しており、金融機関での取引もバランスがよく、かつ、安定している。この結果、多くの企業が淘汰されてきた不動産業界にあって、創業から120年以上の社歴の中で赤字計上はリーマン・ショックの影響を受けた10/2期のみ。安定的な配当も継続している。
④大手との差別化に成功・事業エリア拡大による成長余地
リーマン・ショック後の不動産不況で中堅・中小のマンション事業者の淘汰が進み、大手不動産会社や鉄道系不動産会社等に絞られてきたが、これらの不動産会社は大型物件や沿線開発を得意とするため、30戸~50戸程度の中規模マンションを中心に展開する同社とは用地取得等で競合するケースが少ない。ただ、同社は更なる業容拡大に向け、既存エリアにおいて大型物件の開発に取組むと共に、既存事業エリアと隣接する兵庫県姫路市や大阪府下(北摂地域)へ事業エリアを拡大中である。
(同社資料より)
2.2020年2月期第2四半期決算概要
2-1 第2四半期上期非連結業績
|
19/2期 上期 |
構成比 |
20/2期 上期 |
構成比 |
前年同期比 |
期初予想 |
予想比 |
売上高 |
22,411 |
100.0% |
21,996 |
100.0% |
-1.9% |
22,000 |
-0.0% |
売上総利益 |
4,270 |
19.1% |
4,116 |
18.7% |
-3.6% |
– |
– |
販管費 |
1,758 |
7.8% |
1,930 |
8.8% |
+9.8% |
– |
– |
営業利益 |
2,511 |
11.2% |
2,185 |
9.9% |
-13.0% |
2,200 |
-0.6% |
経常利益 |
2,147 |
9.6% |
1,700 |
7.7% |
-20.8% |
1,850 |
-8.1% |
四半期純利益 |
1,420 |
6.3% |
1,270 |
5.8% |
-10.5% |
1,250 |
+1.7% |
* 単位:百万円
前年同期比1.9%の減収、13.0%の営業減益
売上高は前年同期比1.9%減の219億96百万円。その他不動産販売や不動産賃貸収入が増加したものの、前年同期に100戸超の大型プロジェクト2棟の引渡があった反動で分譲マンション販売が同2.9%減少した。
営業利益は同13.0%減の21億85百万円。前期の反動を受けたその他不動産販売や新規物件関連費用の計上及び修繕費の増加等による不動産賃貸収入の利益率低下等で売上総利益が同3.6%減少する中、人件費や不動産取得税の増加等で販管費が同9.8%増加した。
大型マンション用地取得に伴う資金調達費用等で営業外費用が増加したため、経常利益が同20.8%減少したものの、固定資産売却益1億31百万円を特別利益に計上した事で最終利益は同10.5%の減少にとどまった。
尚、経常利益の期初予想との乖離が大きいのは、前述の大型マンション用地取得に伴う資金調達費用が主な要因。
2-2 セグメント別動向
|
19/2期 上期 |
構成比 |
20/2期 上期 |
構成比 |
前年同期比 |
分譲マンション販売 |
20,030 |
89.4% |
19,444 |
88.4% |
-2.9% |
戸建て住宅販売 |
899 |
4.0% |
809 |
3.7% |
-10.0% |
その他不動産販売 |
116 |
0.5% |
331 |
1.5% |
+185.4% |
不動産賃貸収入 |
1,309 |
5.8% |
1,368 |
6.2% |
+4.5% |
その他 |
56 |
0.3% |
41 |
0.2% |
-26.1% |
売上高 |
22,411 |
100.0% |
21,996 |
100.0% |
-1.9% |
分譲マンション販売 |
2,376 |
81.4% |
2,183 |
83.2% |
-8.1% |
戸建て住宅販売 |
23 |
0.8% |
-3 |
-0.1% |
– |
その他不動産販売 |
-23 |
-0.8% |
-11 |
-0.4% |
– |
不動産賃貸収入 |
490 |
16.8% |
417 |
15.9% |
-14.9% |
その他 |
51 |
1.8% |
38 |
1.5% |
-26.2% |
調整額 |
-407 |
– |
-438 |
– |
– |
営業利益 |
2,511 |
– |
2,185 |
– |
-13.0% |
* 単位:百万円
* その他は、解約手付金収入、保険代理店手数料収入、及び仲介手数料等
分譲マンション販売
売上高194億44百万円(前年同期比2.9%減)、セグメント利益21億83百万円(同8.1%減)。前年同期に100戸規模の大型物件2棟の引渡があった反動で引渡戸数が328戸と同36.2%減少したものの、高価格帯物件「ワコーレ ザ・神戸トアロード」の引渡(総戸数192戸のうち188戸引渡を完了)が順調に進んだ事等で戸当たり平均価格が上昇し(39百万円→59百万円)、売上高は同2.9%の減少にとどまった。期初予想を下回ったのは、一部住戸の引渡が購入者都合で下期にずれ込んだため。
発売戸数は146戸と同53.8%減少したものの、前期発売物件の契約が順調に進み契約戸数は292戸と同39.7%増加。上期末の契約済未引渡戸数は642戸と27.4%増加した。仕入は大型物件の取得により705戸と通期計画の650戸を上回った。
分譲マンション販売事業のKPI
|
19/2期 上期 |
前年同期比 |
20/2期 上期 |
前年同期比 |
引渡戸数 |
514戸 |
+33.9% |
328戸 |
-36.2% |
発売戸数 |
316戸 |
-23.3% |
146戸 |
-53.8% |
契約戸数 |
209戸 |
-20.8% |
292戸 |
+39.7% |
契約済未引渡戸数 |
504戸 |
-31.2% |
642戸 |
+27.4% |
完成在庫戸数 |
1戸 |
-95.0% |
19戸 |
– |
仕入戸数 |
275戸 |
-5.8% |
705戸 |
+156.4% |
戸建て住宅販売
売上高8億09百万円(前年同期比10.0%減)、セグメント損失3百万円(前年同期は23百万円の利益)。「ワコーレノイエ 神戸鹿の子台」(兵庫県神戸市北区:総区画数90戸)、「ワコーレノイエ池田五月丘」(大阪府池田市:総区画数6区画)等の販売を行い、17戸(前年同期:24戸)の引渡を完了した。
不動産賃貸収入
売上高13億68百万円(前年同期比4.5%増)、セグメント利益4億17百万円(同14.9%減)。主力の住居系が稼働率93.7%、店舗事務所等の稼働率も93.4%と、共に高水準を維持した。最適な賃貸不動産ポートフォリオ構築を念頭に、「シーバース神戸(神戸市兵庫区)」を取得した。利益面では、修繕費や新規稼働物件の初期費用が負担になった。
賃貸収入内訳
|
収入額 |
構成比 |
前年同期比 |
住居 |
920 |
67.3% |
+6.1% |
店舗・事務所 |
361 |
26.4% |
-1.2% |
駐車場 |
47 |
3.5% |
+2.2% |
トランクルーム |
37 |
2.8% |
+31.2% |
合計 |
1,368 |
100.0% |
+4.5% |
* 単位:百万円
稼働率
|
18/2期 上期末 |
同 期末 |
19/2期 上期末 |
同 期末 |
20/2期 上期末 |
住居 |
94.2% |
96.9% |
92.1% |
95.7% |
93.7% |
店舗・事務所 |
94.0% |
96.0% |
89.7% |
92.3% |
93.4% |
駐車場 |
66.6% |
66.1% |
66.6% |
67.3% |
66.1% |
その他不動産販売
売上高3億31百万円(前年同期比185.4%増)、セグメント損失11百万円(前年同期は23百万円の損失)。販売プロジェクト数は7プロジェクト(前年同期4プロジェクト)。売上高の内訳は、開発関連2プロジェクト・1億40百万円(前年同期:3プロジェクト・1百万円)、販売用収益物件2プロジェクト・1億35百万円(同:1プロジェクト・1億15百万円)、その他3プロジェクト・57百万円(同:プロジェクトなし)。
販売用収益物件の内訳は、木造収益物件1棟(4戸)、鉄骨収益物件1棟(9戸)。大幅な増収となったものの、前年同期に好採算物件が多かった反動で、売上総利益率が前年同期の33.3%から19.5%に低下した。
セグメント別売上総利益
|
19/2期 上期 |
売上総利益率 |
20/2期 上期 |
売上総利益率 |
前年同期比 |
分譲マンション販売 |
3,477 |
17.4% |
3,371 |
17.3% |
-3.1% |
戸建て住宅販売 |
115 |
12.8% |
96 |
11.9% |
-16.5% |
その他不動産販売 |
38 |
33.3% |
64 |
19.5% |
+66.8% |
不動産賃貸収入 |
592 |
45.2% |
545 |
39.9% |
-7.8% |
その他 |
48 |
– |
40 |
– |
– |
売上総利益合計 |
4,270 |
19.1% |
4,116 |
18.7% |
-3.6% |
* 単位:百万円
2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー
財政状態
|
19年2月末 |
19年8月末 |
|
19年2月末 |
19年8月末 |
現預金 |
12,285 |
11,821 |
仕入債務 |
6,652 |
8,957 |
販売用不動産 |
5,575 |
7,821 |
短期有利子負債 |
23,748 |
20,206 |
仕掛販売用不動産 |
40,376 |
41,116 |
前受金 |
3,816 |
2,726 |
流動資産 |
59,325 |
61,995 |
長期有利子負債 |
25,188 |
32,219 |
有形固定資産 |
24,644 |
25,979 |
負債 |
63,734 |
66,954 |
無形固定資産 |
618 |
618 |
純資産 |
22,558 |
23,475 |
投資その他 |
1,704 |
1,836 |
負債・純資産合計 |
86,292 |
90,430 |
固定資産 |
26,967 |
28,434 |
有利子負債 |
48,937 |
52,425 |
* 単位:百万円
上期末の総資産は前期末との比較で41億37百万円増の904億30百万円。資産の増加要因は、販売用収益物件の竣工による販売用不動産の増加、順調な仕入を反映した仕掛販売用不動産の増加、及び賃貸物件の購入等による有形固定資産の増加等。販売用不動産(22億46百万円増)の主な増加要因は、収益物件(19億70百万円増)と分譲マンション(5億78百万円増)。仕掛販売用不動産(7億39百万円増)の主な増加要因も、収益物件(8億95百万円増)と分譲マンション(7億23百万円増)。戸建て住宅等は減少した。
負債・純資産の増加要因は、大型物件の竣工による仕入債務の増加、用地仕入に伴う資金調達による有利子負債の増加、及び利益剰余金の増加。自己資本比率26.0%(前期末26.1%)。
上期の新規取得物件
|
プロジェクト数 |
資産額 |
分譲マンション |
15 |
5,750 |
戸建て住宅 |
6 |
284 |
収益物件 |
12 |
622 |
合計 |
33 |
6,656 |
* 単位:百万円
キャッシュ・フロー(CF)
|
19/2期 上期 |
20/2期 上期 |
前年同期比 |
|
営業キャッシュ・フロー |
1,143 |
-1,984 |
-3,127 |
– |
投資キャッシュ・フロー |
-674 |
-1,598 |
-924 |
– |
財務キャッシュ・フロー |
-3,044 |
3,135 |
+6,179 |
– |
現金及び現金同等物期末残高 |
8,345 |
9,419 |
+1,074 |
+12.9% |
* 単位:百万円
税引前利益18億31百万円、減価償却費3億44百万円、たな卸資産の増加△29億85百万円、法人税等納付△5億41百万円等で、営業CFが19億84百万円のマイナスとなった。主に有形固定資産の取得により投資CFは15億98百万円のマイナス。
3.2020年2月期業績予想
3-1 通期非連結業績
|
19/2期 実績 |
構成比 |
20/2期 予想 |
構成比 |
前期比 |
売上高 |
39,287 |
100.0% |
40,000 |
100.0% |
+1.8% |
営業利益 |
3,445 |
8.8% |
3,500 |
8.8% |
+1.6% |
経常利益 |
2,687 |
6.8% |
2,700 |
6.8% |
+0.4% |
当期純利益 |
1,843 |
4.7% |
1,850 |
4.6% |
+0.4% |
* 単位:百万円
通期予想に変更はなく、前期比1.8%の増収、同1.6%の営業増益
売上高は前期比1.8%増の400億円。通期では、分譲マンション販売や戸建て住宅販売が増加するものの、前期よりも販売物件が小型化するその他不動産販売が減少する他、売却物件の増加で不動産賃貸収入も減少する見込み。
営業利益は同1.6%増の35億円。販管費が前期並みにとどまる見込みだが、不動産価格の上昇や建築業界の人手不足等による建築コストの高止まりを踏まえて売上総利益率の低下を織り込んだ。
3-2 セグメント別見通し
|
19/2期 実績 |
構成比 |
20/2期 予想 |
構成比 |
前期比 |
分譲マンション販売 |
31,229 |
79.5% |
31,700 |
79.3% |
+1.5% |
戸建て住宅販売 |
2,205 |
5.6% |
3,000 |
7.5% |
+36.0% |
その他不動産販売 |
3,106 |
7.9% |
2,700 |
6.8% |
-13.1% |
不動産賃貸収入 |
2,647 |
6.7% |
2,600 |
6.5% |
-1.8% |
その他 |
100 |
0.3% |
– |
– |
– |
売上高 |
39,287 |
100.0% |
40,000 |
100.0% |
+1.8% |
* 単位:百万円
分譲マンション販売
|
19/2期 実績 |
前期比 |
20/2期 予想 |
前期比 |
引渡戸数 |
755戸 |
+11.7% |
575戸 |
-23.8% |
発売戸数 |
809戸 |
+36.9% |
600戸 |
-25.8% |
契約戸数 |
622戸 |
-1.6% |
650戸 |
+4.5% |
仕入戸数 |
548戸 |
-30.8% |
650戸 |
+18.6% |
売上高が317億円と前期比1.5%増加する見込み。引渡戸数は、通期で575戸を計画しており、下期に247戸を引渡す事で通期計画(=予想売上高)を達成できる予想。上期末で契約済未引渡戸数642戸を抱えているため(全てが今期の引渡予定ではないが)、建設工事が計画通りに進めば、売上面での不安は少ない。
発売戸数は通期で600戸を計画。下期偏重の発売計画を反映して、契約も、上期実績292戸に対して下期358戸と下期偏重の計画。下期は発売戸数の増加を受けて、契約の取込みを加速する。尚、下期の竣工は9棟・240戸を計画しており、このうち182戸(契約率75.8%)は上期末までに契約を完了している。このため、契約の大半は来期以降の竣工物件となる。
仕入戸数は通期で650戸を計画していたが、神戸市内での100戸超の大型物件や尼崎市内で同規模の市場再開発物件の仕入を完了する等、上期末までに705戸の仕入を完了している。また、大阪府北摂地域や兵庫県姫路市を中心とした広域展開にも引続き取組んでいく。大阪府北摂地域は、万博記念公園等の豊かな自然環境に囲まれた街並みや治安の良さが、同社の主要エリアである神戸・阪神間と類似するところがある。加えて、大阪市内の大動脈である「御堂筋線」に乗り入れる「北大阪急行線」が横断しており、大阪市中心部に勤める人々のベッドタウンとして根強い人気を誇る。
戸建て住宅販売
通期で70戸の引渡を予定しており、売上高が30億円と前期比36.0%増加する見込み。今期発売した「ワコーレノイエ池田五月丘」(大阪府池田市)は総区画数6区画。阪急宝塚線「池田」駅徒歩10分。大阪府最大の広さを誇る「池田山風致地区」に位置し、利便性に優れた好立地。全邸断熱性・省エネ性により優れた次世代型住宅性能「認定低炭素住宅」の基準に適合している。
|
13/2期 |
14/2期 |
15/2期 |
16/2期 |
17/2期 |
18/2期 |
19/2期 |
20/2期 計画 |
戸数(戸) |
73戸 |
67戸 |
60戸 |
45戸 |
38戸 |
54戸 |
62戸 |
70戸 |
売上高(百万円) |
2,336 |
2,277 |
2,140 |
1,752 |
1,356 |
1,774 |
2,205 |
3,000 |
売上総利益(百万円) |
351 |
302 |
255 |
216 |
165 |
223 |
260 |
- |
売上総利益率 |
15.1% |
13.3% |
11.9% |
12.3% |
12.2% |
12.6% |
11.8% |
- |
その他不動産販売
通期で木造収益物件4棟・20戸(期初計画:4棟・22戸)、鉄骨収益物件9棟・130戸(同:7棟・94戸)の販売を計画しており、鉄骨収益物件の販売計画を上積みした。小型物件が多いため、売上高が27億円と前期比13.1%減少する見込み。
|
19/2期 実績 |
20/2期 計画 |
木造収益物件 |
4棟・34戸 |
4棟・20戸 |
鉄骨収益物件 |
5棟・77戸 |
9棟・130戸 |
4.今後の注目点
首都圏では供給戸数の減少が顕著で、契約率も好不調の目安とされる70%を下回っているが、近畿圏では契約率が70%を超えており、供給戸数も首都圏ほど落ち込んでいない。首都圏と比べてマンション価格の上昇が緩やかな事が要因と思われ、実際、2019年上期の近畿圏の戸当たり平均販売単価は3,800万円前後と、6,000万円超の首都圏と大きな差がある。
こうした中、同社の仕入は順調だ。今期の仕入は、採算を重視した慎重な対応を旨として望んだが、上期末までに通期の仕入計画(650戸)を上回る705戸の仕入を完了した。大阪府北摂地域等では、大手デベロッパーやワンルームマンション主体のデベロッパー等が強気な価格での仕入を行っているため厳しい仕入環境が続いているが、主力の神戸・阪神間では、地元不動産業者との強固なネットワークを強みに原則相対取引で有利な仕入ができているようだ。リーズナブルな価格水準にとどまり堅調に推移する近畿圏のマンション市況と同社の順調な仕入を考えると、来期以降も安定成長が続くとみてよさそうだ。
<参考:ESGへの取組み>
同社はESGへの取組みとして、居住者の、安心、安全、健康に配慮した住宅づくりに取組むと共に、自然災害時の住宅補償や青少年育成支援を通して社会貢献にも力を入れている。また、ガバナンスの面では、コーポレート・ガバナンス報告書に記載の通り、健全かつ透明性が高く効率の良い経営体制の確立を最重要課題と考え、ガバナンス体制の整備と充実に取り組んでいる。
<環境>
神戸市準拠の環境性能を分譲マンションに採用している他、スマートマンションへの取組みも進めている。また、木造住宅については、木造住宅用制震装置を標準搭載したプロジェクトにも取組んでいる。この他、木造に限らず、住宅全般についてシックハウス対策を講じている。
神戸市準拠の環境性能を分譲マンションに採用 |
神戸市では、一定規模の建築物を建てる際、地球温暖化への配慮、住む人の安心・安全など環境配慮への取組みを事業会社が自己評価し市へ届出、市は採点結果をホームページ等で公開している。同社は、この結果を分譲マンションのチラシやホームページ等の広告物に掲載し、建物の安全性を示している。 |
高断熱で高気密な住まいの実現 |
「ワコーレノイエ神戸鹿の子台」では、従来の軸組工法と比べ機密性の高いツーバイフォー工法を全邸に採用。二重屋根構造や床断熱、玄関ドアやバスルームにも高断熱の設備を使用し品確法に基づく「断念等性能等級4」の住まいの約1.5倍の断熱性能を実現している。 |
スマートフォンアプリにより見守り機能を強化 |
「ワコーレ大倉山シーズンズ」では、スマートフォンを利用したサービスを採用し、エネルギー使用量の確認やエコジョーズ(給湯器)、外出先からのガス機器操作、入浴中の見守り機能をスマートフォン1台で一括管理。安全安心な暮らしのサポートを行っている。 |
シックハウス対策 |
同社の建築物のフローリングや建具は、ホルムアルデヒド放散量が極めて少ないF☆☆☆☆等級の素材を採用している。また、クロス接着剤もノンホルマリンタイプを選びシックハウス等に配慮している。 |
<社会>
兵庫県が実施する住宅再建共済制度「フェニックス共済」へ加入
兵庫県が2005年9月から全国に先駆けて導入した住宅再建共済制度「フェニックス共済」(自然災害で被害を受け、再建、補修等を行う際に給付金が支払される)に加入し、兵庫県下で同社が販売する分譲マンションは全てについて、引渡から1年間の共済掛金を負担している。
施工中の分譲マンションを大学授業の教材として提供
建築業を志す学生が仕事内容を具体的にイメージできるよう、施工中の分譲マンションを神戸芸術工科大学の授業の教材として提供。 施工を担当しているゼネコンの協力のもと授業を実施し、配管設備や屋上など普段は見ることの少ない現場を見学していただいている。
青少年育成支援への取組み
少子高齢社会が進行する中、子供達が健全な社会生活を過ごせるよう、様々な育成支援を行っている。
こども絵画コンクール「ぼく・わたしの住みたい家」 青少年の表現力、創造力育成を目的に未就学から小学生までの児童が自分の住みたい家を自由に絵画で表現するコンクール。 |
ヴィッセル神戸サッカースクールパートナー 青少年へのサッカー普及活動支援のため、ヴィッセル神戸が運営する「サッカースクール」に協賛している。 |
神戸新聞社子育て支援プロジェクト「すきっぷ」 毎月12日「育児の日」に、神戸新聞社が主催する親子参加型の地域イベント「すきっぷサロン」に協賛している。 |
<ガバナンス・その他>
監査等委員会設置会社への移行
同社はコーポレート・ガバナンスの強化および企業価値の向上を図るため、2019年5月の株主総会をもって「監査等委員会設置会社」へ移行。これにより、同社の取締役は12名、うち4名が社外取締役として選任され、社外取締役構成比率は3分の1となった。
ディスクロージャー
同社はステークホルダーに対し、適時、公正、公平な情報開示について方針を明確化するため、ディスクロージャーポリシーを作成、同社IRサイトに掲載している。また、IR活動として、決算関連資料や各種指標をIRサイトへ掲載する他、アナリスト、機関投資家向けの決算説明会を年2回東京と神戸で実施。個人投資家向けにも会社説明会を開催している。
働きやすい職場環境づくり
同社は従業員が働きやすい職場環境づくりのため、有休休暇、時間単位休暇をはじめとした各種福利厚生制度を充実に努めている。また、女性の就業環境改善のため産前産後休暇・育児休暇や時短勤務制度を制定している。さらに、従業員の健康維持のため、産業医を交えた衛生委員会を毎月開催するとともに、健康診断やメンタルヘルスチェックを実施、健康状態の把握に努めている。
入社から3年以内の定着率 |
91.1% |
平均雇用年数の男女差 |
4ヶ月 |
産休・育児休暇取得率 |
100% |
入社5年以内の社員に占める女性比率 |
37.5% |
産休・育児休暇後復帰率 |
100% |
(2019年8月末時点)
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態及び取締役、監査役の構成
組織形態 |
監査等委員会設置会社 |
取締役 |
12名、うち社外4名 |
◎コーポレート・ガバナンス報告書 (更新日:2019年05月29日)
基本的な考え方
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、健全かつ透明性が高く効率の良い経営体制の確立を最重要課題と考え、その充実に取組んでおります。また、当社は小規模な組織でありますが、相互牽制や独立性にも配慮したシンプルで効率的な組織体系を構築しており、意思決定の迅速化と透明性の高い経営の実現を一層強固なものとするため、以下の5項目を重点にガバナンス体制の整備に努めております。
1.取締役会における実質的な議論に基づく監督機能の発揮
2.常務会による経営の意思決定のための重要事項の適時適切な審議
3.監査等委員会による実効性の高い監査の実施
4.内部監査室の設置、内部統制委員会の開催等による内部管理体制の整備
5.コンプライアンス体制の実現に向けた法律事務所等の外部機関との連携
<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
当社はコーポレートガバナンス・コードの「基本原則」をすべて実施しております。
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。 Copyright(C) 2019 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved. |