(6573:東証マザーズ) アジャイルメディア・ネットワーク テスト販売プラットフォームの成長に期待
今回のポイント |
・「ファンの“好き”を加速する」をテーマに、クライアント企業の商品や製品・サービスのファンである「アンバサダー」を対象にクチコミ(利用体験の発信・購入の推奨)の活性化や購買促進、商品開発を支援する様々なサービスを提供。1人ひとりの情報発信力や企業や製品に対しての興味度合いを分析する「テクノロジー」と、「アンバサダーを活性化するためのノウハウ」が同社最大の差別化要因であり、テクノロジーとノウハウを活かした効果測定により、クライアント企業に今後のマーケティング活動に有用な情報を提供できる点が同社の強みである。
また、一連のサービスをネットとリアル双方で提供することができる点も他社にはない同社の大きな特長である。 ・18年12月期の売上高は前期比23.9%増の9億10百万円。アンバサダープログラムでは新規顧客を獲得し単価も上昇した。アンバサダープログラム運営の生産性が向上し粗利増で粗利率も上昇。販管費増や株式上場関連費用を吸収し、営業利益、経常利益、当期純利益は2桁の増益。売上高、利益ともに過去最高を記録した。ただ期初予想に対しては未達であった。 ・19年12月期の売上高は前期比27.3%増の11億58百万円の予想。今期もアンバサダープログラム案件数は堅調に増加する見込み。カタパルトは数千万円の規模。事業展開を始めた台湾関連の売上は織り込んでいない。営業利益は同15.8%増の1億4百万円の予想。カタパルト、アンバサダープラットフォーム、台湾向け等のシステム開発増を見込んでいる。 ・今後は得意とする分析テクノロジーと運営ノウハウを核に外部パートナーとのアライアンスも進め、アンバサダー事業の拡大と並行し、カタパルト事業、海外事業への投資により成長のスピートアップと規模拡大を追求する。 ・18年12月期は増収増益。今期も各種投資を行いながらも2桁の増収増益予想だが、残念ながら株価は上場来安値近辺での推移となっている。好業績ではあるが上田社長も説明会で述べていたように、売上高、利益ともに計画未達だった点も株価低迷の要因であろう。まず短期的には今期の計画をしっかりと超過することができるのかを四半期ごとの進捗と共に見守りたい。また中期的にはカタパルトの本格的な離陸がいつごろなのか、台湾事業の具体的な成果とともに注目したい。 |
会社概要 |
「ファンの“好き”を加速する」をテーマに、クライアント企業の商品や製品・サービスのファンである「アンバサダー」を対象にクチコミ(利用体験の発信・購入の推奨)の活性化や購買促進、商品開発を支援する様々なサービスを提供。
得意とする分析テクノロジーと運営ノウハウを核に外部パートナーとのアライアンスも進め、アンバサダー事業の拡大と並行し、カタパルト事業、海外事業への投資により成長のスピートアップと規模拡大を追求する。【1-1 沿革】 2007年2月設立。インターネットの発達に伴う新しいコミュニケーションの在り方を追求する中で、ブロガーをネットワークした広告配信を開始する。2008年6月にはブログの特長や影響力を分析する分析ツール「ブログチャート」の提供を開始。Twitter、FaceBookなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の普及・浸透に合わせ2010年6月、SNSを活用したキャンペーン構築システム「ソーシャルタイアップ」を、2012年4月にはソーシャルメディアを横断して影響力を測定する「ユーザーチャート」を相次いでリリースする。 2013年7月に、現在の中心事業である「アンバサダープログラム」をリリース。2016年1月にはアンバサダーの統合管理・分析ツールである基幹システム「アンバサダープラットフォーム」の提供を開始した。 SNSでの活動を実際の売上に結び付けたい企業のニーズを取り込み採用実績および収益はともに拡大。 2018年3月、東証マザーズに上場した。 【1-2 企業理念】 沿革にあるように、同社は設立以来、インターネットの発達に伴うマーケティングにおける新しいコミュニケーションの在り方を追求してきた。 20世紀的なコミュニケーションがマスを対象に「伝達する」ことを重視していたのに対し、現在のソーシャルメディア時代のコミュニケーションは、人と人とのつながりによって情報が共有されたり、共感の輪が広がったりする、いわば「会話」が重要な意味を持つと考えた同社は、ひとりひとりのユーザーのリアルな声を、新しいマーケティングの中心に位置づけ、企業と生活者と社会の間に立ち、時代に即した人間中心の新しいコミュニケーションと、新しいマーケティングを考えていくことを目指している。 【1-3 同社を取り巻く環境】 商品・サービス内容が成熟し機能的な差別化が難しくなるのに加え、消費者やユーザーの嗜好が多様化する中で、マスを対象に企業が情報を一方的に伝達しても消費者の購買・利用意欲を喚起することは難しい一方、様々なテクノロジーをベースに、双方向性に優れ、絞り込んだ消費者・ユーザーにリーチできるインターネット広告が費用対効果の面からも企業のニーズを取り込んでいることが見て取れる。 また、詳細な金額は明らかではないが、プロモーション(販促)ページ制作費やソーシャルメディアのための広告制作費・制作関連(システム運用)費の増加も同調査においては指摘されている。広告主の「売上増」に繋がるマーケティングやプロモーションに対するニーズは今後もより一層強まることが予想される。 ◎SNS普及に伴う「クチコミ」の影響力増大 【1-4 事業内容】 (1)アンバサダー事業 (アンバサダーとは?) (なぜアンバサダーが重要なのか?) ①アンバサダープログラム® 企業が保有する会員をベースにアンバサダーを募集するため会員数の多寡により1プログラム当たりのアンバサダー数は1,000人から十数万人と幅はあるが平均は約2,000人。
参加された人の中には、大阪からのお仕事終わりにオフ会に参加いただいた方もいらっしゃいました。 まずは自己紹介を兼ねて、アンバサダーのみなさんがお好きなカロリーメイトの味や、どのようなシーンで活用されているかを教えていただきました。 お仕事の合間や、残業中に食べるという方や、海外旅行や出張の際にバックに入れて持ち歩くという方、中にはスキー場でリフトの移動中に食べるという方も! 自己紹介タイムのあとは、簡単に大塚製薬の取り組みや、カロリーメイトの開発背景などをご紹介。 みなさん、とても熱心にメモやスライドの写真を撮っているのが印象的でした。 その後、アンバサダープログラムの活動についての感想や今後のご要望等を聞かせていただきました。 SNSの活用方法や、フォトコンテストについてのご要望等とても参考になりました。 さらに、みなさんが考える「カロリーメイトゼリーのおすすめポイント」を、発表してもらいました。 すっきりと飲めて、バランスよく栄養補給ができるのがポイントという点が多くあげられました。 最後にオフ会に参加いただいたみなさんと記念撮影を行いました!! (同社WEBSITEより抜粋) (基幹テクノロジー「アンバサダープラットフォーム」とは?) ASPサービスである「アンバサダープラットフォーム」は、アンバサダーの発見・告知・登録・管理・抽出(条件の抽出やグループ化)、クチコミの分析(登録者一人ひとりのクチコミを断続的に収集)、アンバサダーの分析(一人ひとりの影響力をレベルで判定するほか、クチコミの広がりや友人の反応を把握)、貢献評価(アンバサダー全体の貢献を判定)を行い、このサイクルを回すことで、費用対効果の高いプロモーション活動を可能にしている。 企業が自社でTwitterやFaceBookを運営している場合、公開アカウントにおけるフォロワーや「いいね!」といっている友達が何名いて、そのフォロワーや友達には何名のフォロワー・友達がいるかは把握できるが、フォロワーが自身の様々なSNSアカウントで普段どんな発信をしているかは判明できない。 (クライアント企業におけるメリット) 例えば、商品サンプリングを行う場合、通常のサンプリングは応募者に対して無作為に当選者を選出し、商品体験をしてもらうが効果測定を行うことはできず、どのような成果が見込めるか、事後どの程度成果があったかは不明である。これに対しアンバサダープログラムにおいては、クチコミや影響力を指標に候補者を選出することができるほか、商品体験後は貢献度の高いアンバサダーによるクチコミの発信・拡散が期待でき、クチコミ・波及の有無や友人・知人の反応を把握することで効果測定も可能であり、成果の見込みと検証が可能な費用対効果の高い施策となる。 *顧客生涯価値(LTV:ライフ・タイム・バリュー※)の向上 ※顧客生涯価値 *キャンペーンや商品開発におけるアイデアや改善点の抽出 アンバサダーには金銭報酬は支払われないが、アンバサダーは金銭的な見返りよりも、特別な機会を体験できる点に充足感を得ており、それゆえ情報の信頼性が高い点もアンバサダープログラムの特徴である。 (収益モデル) (その他のサービス) *レビューズ *アライアンスサービス (協業例) *マーケティング企業との取り組み (2)カタパルト事業 ②「カタパルト」とは? 上記のような環境下、これから世に出そうと考えている新製品や、まだ価値や魅力が伝わっていない製品を対象に、市場投入への発射台として「先行予約販売」と共にクチコミによる「プロモーション」、「ファン獲得」が可能なサービスを、初期費用不要・成果報酬型で提供する。 *サービス構成・特長 クライアント企業は「カタパルト」サイト上において個別プロジェクトの形で新商品やサービスを期間限定・先行予約の形で販売する。
サイトには体験記事を執筆する得意領域で活躍するブロガーやライターが「カタパルト 公認ガイド」として商品体験記事を寄稿し、利用者視点で製品の魅力や特徴を伝える。記事制作費は同社が負担する。
購入者・利用者は、製品の購入やサービスの利用のほか、クチコミ応援を行う。
初期費用不要、販売金額に対する一定の手数料を支払う成果報酬型なので、中小規模の企業も安心して利用できる。
クラウドファンディング「ENjiNE(エンジン)」を運営する Relic社と連携し、数十の国内クラウドファンディングサービスへのプロジェクト相互露出を行い、新製品やサービスを様々な媒体の優良な読者へ向けてアプローチする仕組みも備えている。
(ただし、カタパルトの対象製品は一定額が集まった場合に製品化を進めるクラウドファンディングではない。) *アンバサダープログラムとの相違 カタパルトの運営に関しては、同社がこれまでに培ったクチコミ分析テクノロジーやファンクラブ運営ノウハウを活かし、カタパルトの購入者やその友人が参加できるファンクラブ機能を今後リリース予定である。 【1-5 特長と強み】 (テクノロジー) (アンバサダー活性化のノウハウ) |
2018年12月期決算概要 |
プログラム導入件数増で大幅増収増益。売上高、利益は過去最高を記録。
売上高は前期比23.9%増の9億10百万円。アンバサダープログラムは新規顧客を獲得し単価も上昇した。 アンバサダープログラム運営の生産性が向上し粗利増で粗利率も上昇。販管費増、株式上場関連費用を吸収し、営業利益、経常利益、当期純利益は2桁の増益。売上高、利益ともに過去最高を記録した。 ただ期初予想に対して未達であった。 (2)事業動向 上場に伴う新株式発行で現預金が、ソフトウェアの自社開発で無形固定資産がそれぞれ増加し、資産合計は前期末比3億51百万円増加の7億68百万円。 無形固定資産の取得(ソフトウェアに開発)による支出などでフリーCFは出超に転じた。株式の発行による収入で財務CFは入超。キャッシュポジションは上昇した。 |
2019年12月期業績予想 |
連続増収増益 |
今後の展開 |
同社の得意とする分析テクノロジーと運営ノウハウを核に外部パートナーとのアライアンスも進め、アンバサダープログラム、カタパルトに加え、海外プロモーション・市場進出支援を開始した。 (1)主な事業展開 *ソーシャルゲームに特化したアンバサダープログラム (概要) (特徴) 料金は初期150万円、月額80万円でいずれも税別。最低契約期間は6カ月。 *自治体に特化したアンバサダープログラム (開発の背景) (概要) (事例:名古屋市) 名古屋市の担当者は、「参加者の名古屋に対する熱量は非常に高く、アンバサダー登録前後で大幅なクチコミの増加などの成果があがっています。アジャイルメディア・ネットワークが提供する分析テクノロジーや運営ノウハウに引き続き期待しています。」とアンバサダープログラムを高く評価している。 料金は初期50万円、月額70万円でいずれも税別。最低契約期間は6カ月。 ②カタパルト ③海外事業をスタート (台湾進出の背景) (台湾で取り組む事業) アジャイルメディア・ネットワークはNiusnews社と共同でniusnews読者を対象にした独自の女性プレミアムファン組織「NIUS Ambassador」を設立し、クチコミ発信が可能な体制を構築する。 *Ontoo社との連携 アジャイルメディア・ネットワークが日本と台湾で展開するテストマーケティングプラットフォーム「カタパルト」と連携して、Ontoo社が運営する「flyingV」の利用企業及び、利用ユーザー基盤、情報発信力を活用。日本及び台湾企業のそれぞれの相手国市場への進出や、海外テストマーケティングの支援を行う。 台湾で開催した今回の提携発表会にはメディアおよび出品企業100名以上が来場。関心の高さをうかがわせた。 (2)成長イメージ |
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<参考:コーポレートガバナンスについて> |
◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2018年8月21日 <実施しない主な原則とその理由> |