米国の金融政策(2015年10月)~12月利上げ開始の可能性も~

2015/10/29

米国の金融政策(2015年10月)~12月利上げ開始の可能性も~

【ポイント1】政策金利は据え置き

国内景気の評価は上方修正
■10月27日~28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場の予想通り現行の低金利政策の維持が決定されました。

■声明文での国内景気に対する評価は、前回と同様、「緩やかな拡大」でした。ただ、雇用の増勢こそ鈍化したものの、家計支出と設備投資の増加ペースが前回の「緩やか」から「堅調」に上方修正されたことを踏まえると、より前向きになったと考えられます。

 ■物価については、足元のインフレ指標は依然低い水準にとどまっている一方、中長期的なインフレ期待は安定しているとの判断が据え置かれました。

20151029us1

【ポイント2】海外情勢の不透明感が後退

中国利下げを受け金融市場も安定
■一方、前回会合で利上げを見送った理由として挙げられた「世界経済および金融情勢が経済活動を幾分抑制し、短期的にインフレを一段と抑制する要因になりうる」との文言は削除されました。 

■中国の利下げを受けて、世界経済の先行きに対する不透明感が後退し、金融市場も落ち着きを取り戻したことが背景にあると考えられます。

20151029us2

【今後の展開】年内利上げ開始の可能性も

■利上げ先送りを余儀なくされた要因がひとまず解消したことを受け、12月15日~16日に開催される次回FOMCで「利上げの妥当性について議論」することを明らかにしました。年内に利上げを開始する可能性がやや高まったといえます。

■雇用と物価見通しの改善が進めば、年内の可能性を含め、近い将来利上げが開始される見込みです。ただし、景気拡大のペースが緩やかなこと、物価上昇が緩慢なことを考慮すると、利上げの速度は極めて緩やかなものになると予想されます。

(2015年10月29日) 

印刷用PDFはこちら→

今日のマーケット・デイリー 米国の金融政策(2015年10月) 12月利上げ開始の可能性も

関連マーケットレポート

2015年10月19日 ISM指数の50割れを示唆する地区連銀製造業指数

2015年10月 6日 FOMCメンバーの政策金利予想(米国)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ