米国のISM製造業景況感指数(2015年9月)~外需の停滞から製造業は調整局面~

米国のISM製造業景況感指数(2015年9月)~外需の停滞から製造業は調整局面~

【ポイント1】3カ月連続の下落

製造業は世界的に下降局面
■9月のISM製造業景況感指数は、総合指数が50.2ポイントとなりました。前月の51.1ポイントから低下しましたが、好不況の分岐点となる50の水準は維持しました。

■中国や欧州の製造業購買担当者指数(PMI)も低下傾向にあることから、製造業は世界的に下降局面にあると考えられます。

20151002us1

【ポイント2】外需の鈍化が生産を抑制

内需は個人消費を中心に堅調
■ISM指数の内容を見ると、総合指数を構成する5指標のうち、需要動向を示す新規受注、生産指数のほか、雇用、入荷遅延指数が前月から下落しました。一方、在庫指数は横這いでした。

■新規受注、生産指数の下落は、需要が鈍化したことを示唆しています。国内の個人消費が堅調に推移していることを踏まえると、輸出の停滞によるところが大きいと考えられます。背景には、中国を中心とした新興国経済の減速とドル高があります。

 20151002us2

【今後の展開】製造業は当面のところ調整局面が続く見通し

■雇用・所得環境が良好なことから、内需は堅調を維持すると予想されます。他方、外需は当面のところ緩慢な状況が続きそうです。中国経済が在庫調整局面にあるためです。製造業の生産活動は、しばらく低迷が続く見込みです。

■もっとも、リーマン・ショック以降、米国の製造業は厳格な在庫管理を行っているため、大規模な在庫調整が発生する可能性は低いと考えられます。

 ■米国経済全体としては、サービス業がけん引役となり、拡大基調を持続する見通しです。

 (2015年10月2日) 

印刷用PDFはこちら→

今日のマーケット・デイリー 米国のISM製造業景況感指数(2015年9月)

関連マーケットレポート

2015年9月30日 良好さを維持する「消費マインド」(米国)

2015年9月18日 米国の金融政策(2015年9月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会