最近の指標から見るインド経済(2015年9月)~物価安定で追加利下げへ~

最近の指標から見るインド経済(2015年9月)~物価安定で追加利下げへ~

【ポイント1】生産の拡大基調が継続

内需が外需の低迷を補う

■7月の鉱工業生産指数は前年同月比+4.2%(6月は同+4.4%)となり、拡大基調が続いています。内訳では耐久消費財が同+11.4%となり、内需の堅調さがうかがわれます。

■一方、輸出は昨年12月以降マイナスが続き、8月は同▲20.7%となりました。これまでの利下げによる内需の堅調さが外需の低迷を補っています。

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【ポイント2】物価は目標を大きく下回る

9月利下げが濃厚

■8月の消費者物価指数は前年同月比+3.66%となり、前月(同+3.69%)に引き続き、インド準備銀行(中央銀行、RBI)の目標(年+6%、2016年1月)を大きく下回りました。昨年高騰した食品価格が比較的落ち着いていることや、原油安などが物価安定の背景です。

■今月29日のRBIの会合では、政策金利が引き下げられるとの期待が高まっています。ただし、前月比で野菜価格の足元の状況を見ると、8月は+8.5%と高い伸びになりました。インドルピー安による物価上振れも警戒され、RBIがさらに先の政策をどのように示唆するかが注目されそうです。

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【今後の展開】構造改革の足踏みで成長期待が後退も、利下げが景気を下支え

■夏季の通常国会は、与野党の対立から、モディノミクスの目玉とされる物品・サービス税(GST)法案と土地収用法案の審議がなされぬまま8月に閉会になりました。構造改革の足踏みを受けて、中長期的な成長期待が後退しました。

■足元では、中銀によるこれまでの利下げが下支えとなり、景気は概ね底堅く推移しています。一段の利下げが濃厚で短期的にルピーに下押し圧力がかかりますが、景気見通しの改善につながれば、ルピーは堅調な推移に向かうと期待されます。

 (2015年9月17日) 

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