海外投資家は「石破総裁」にどう反応したか
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◆週次・旬次の対内証券投資統計を読み解く
財務省は、海外投資家による日本株の売買動向データをまとめた「対内対外証券投資統計」の週次分と月次分(上・中・下旬ごと)を公表しています。
下図は、9月中のデータを見たものです。外国人は上旬(▲1兆2,903億円)と中旬(▲4兆5,465億円)に売り越した一方、下旬は+8,647億円の買い越しに転じました。この間の動きは株価動向と軌を一にしており、買い姿勢に転じた下旬は、ちょうど、高市早苗氏が自民党総裁選に関する各種世論調査で支持を拡大していた時期と重なります。海外投資家が同氏に高い期待を寄せていた可能性がうかがえます。
◆「石破総裁」決定直後の9月30日も971億円の買い越しだったことが判明
それでは「石破茂総裁」の誕生にはどう反応したのでしょうか。総裁選の結果が出たのは27日(金)の株式市場終了後だったため、事実上の取引初日は9月最終営業日の30日(月)でした。下旬の売買高から第4週の売買高(+7,676億円)を差し引くと30日のみの売買高を算出できます。この日、日経平均株価は▲2,000円ほど急落し「石破ショック」とも称されましたが、外国人は+971億円の買い越しでした。また、10月1~4日も計+8,130億円を買い越しています。石破氏は金融政策の正常化等を訴えていたため、株式市場からは歓迎されないとの指摘がありました。しかし、売買データから見る限り、一定の期待が向けられていたようです。
石破氏は総裁に就いてから、日銀の早期追加利上げに慎重な姿勢を示すなど、従来の発言との変化が見られます。それが株式市場にフレンドリーな柔軟かつ現実的な政策運営姿勢と好感されるのか、それとも信念の弱い“ブレる政治家”と嫌気されるのか、今後の売買データに引き続き注目したいところです。
海外投資家の「石破総裁」への期待が続くかは、衆院選での政策議論や今後の政策運営姿勢にも左右されそうです。
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