来週の金融市場見通し(2024年2月26日~2024年3月1日)
■来週の見通し
米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月開催)では、早すぎる段階で金融緩和に動くことのリスクが指摘され、利下げに慎重な姿勢が示されました。FOMC以降も堅調な米経済指標の発表が相次いでいることから、3月の利下げ開始観測は大きく後退しています。他方、注目された米半導体大手のエヌビディアの決算は、売上高が事前予想を大幅に上回りました。来週は全国・消費者物価指数(CPI)や米個人消費支出(PCE)価格指数に加え、高田日銀審議委員の挨拶なども確認したいところです。
◆株価 :高値警戒感から上値の重い展開
今週の日経平均株価は、米半導体大手エヌビディアの好決算を受けて史上最高値を更新しました。来週は、企業業績の改善を背景に、史上最高値近辺で推移することが想定されます。ただ、為替介入への警戒から一段と円安が進行する余地は限定的であることや日銀の金融政策修正観測が重しとなり、上値の重い展開となりそうです。来週は、全国CPIや米PCE価格指数の発表を受け、株価の変動が大きくなる可能性があり注意が必要です。
◆長期金利 :レンジ継続か
FOMC議事要旨では、早すぎる段階で金融緩和に動くことのリスクが指摘され、利下げに対する慎重な姿勢が示されました。早期利下げ観測が後退し、米長期金利が上昇していることは国内金利の低下を抑制しそうです。一方、日銀はマイナス金利解除等を実施しても、緩和的な金融環境は当面続くとの見方を示しており、国内金利の上昇を抑制しそうです。しばらく長期金利は、0.7%付近のレンジでの動きが続きそうです。
◆為替 :ドルじり高か
ドル円は、底堅い地合いの中、じりじりと上値を模索する展開が見込まれます。1月のFOMC議事要旨において時期尚早な利下げに懸念が示されたことなどから、米長期金利は上昇しており、ドル円は150円台前半での底堅い動きとなっています。来週も、同様の地合いが継続するとみられるものの、150円台後半の水準からは日銀の介入警戒感が高まるとみられることに加え、1月の米個人消費支出の結果次第では、波乱の展開も想定されます。
◆Jリート :戻りを探る
東証REIT指数の1,700ポイント前後の水準は、コロナ禍の2020年12月の水準で、足元では、オフィス市況の悪化も一服しつつあり、インバウンド需要も回復しています。資産価格からみた割安感も強まっており、やや売られ過ぎの水準とみられます。予想分配金利回りは4%台後半まで上昇しており、利回り面での投資妙味も高い状況です。株式市場の過熱感が一服すると、割安感からの買いなどから戻りを探る動きも想定されます。
■来週の注目点
全国消費者物価指数(1月) 2月27日(火)8時30分発表
全国の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は昨年12月に前年比2.3%上昇と、11月の同2.5%上昇から伸びが鈍化しました。政府のエネルギー価格抑制策を受け、電気代が同20.5%下落したことがコアCPIを押し下げました。
1月のコアCPIは、前年比2%程度の上昇率が見込まれます。引き続き生鮮食品を除く食料の価格上昇などが物価を押し上げそうです。今後も当面、賃金の引き上げに伴うサービス価格上昇の動きも踏まえれば、コアCPIの上昇率は2%程度で推移すると予想されます。
米個人消費支出(1月) 2月29日(木) 22時30分発表
昨年12月の米個人消費支出(PCE)は、前月比0.7%増と前月より伸びが拡大しました。また、PCE総合価格指数は前年比2.6%上昇と前月並みとなりました。食品とエネルギーを除くPCEコア価格指数は同2.9%の上昇となり、2021年以来の低い伸びとなりました。
米連邦準備理事会(FRB)による大幅な利上げや貯蓄の減少が個人消費の重しになるとみられる中、インフレ率の低下は緩やかなものとなりそうです。1月のPCEは前月比0.2%増程度、総合価格指数は前年比2.4%程度、コア指数は同2.8%程度の伸びが想定されます。
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