5月25日妥当レンジ 9,250円~10,650円
買い手不在だが、売りも一巡か
【IFIS/TIWコンセンサス225】
ギリシャのユーロ離脱についての考察が広がると同時に、無秩序なデフォルトの可能性も増してきているように見受けられる。スペインが同国4位の銀行バンキアに対して資本注入を行う見通しで有り、ギリシャ問題の他国への波及も強く懸念されている。
23日の日銀金融政策決定会合で市場が期待する政策もコメントも出されなかったことから円高圧力は緩和されずに、引き続き日本株式の重石になっている。国内株式市場は投資家のリスクオフから市場参加者が減衰し、その結果、かつて無いほどに要求リターン(割引率)が高まり、割安な状態になっている。しかしながら、ギリシャの議会総選挙(6/17)の結果までは、見送りによる薄商いが続くことが予想される。こうしたマーケットでは買い手は極めて限られるが、そろそろ売りも一巡したようにも見える。
今週は6月1日(金)の米雇用統計が予定されているが、非農業部門雇用者数の市場コンセンサスも15万人増と比較的低位にあり、コンセンサスを多少上回ったとしてもマーケットを好転させるほどのインパクトは生じない可能性が高そうだ。
5月25日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、今期(1期)705.78円(前週比-2.1円)、来期(2期)803.59円(同+0.51円)、再来期(3期)870.87円(同+5.83円)と、決算発表が一巡したこともあり、小幅な変化であった。
前週比でプラス・マイナスになった企業数のウエイトでは、今期(1期)、来期(2期)においてはマイナスとなった企業数の方が多かった。業種による傾向は特にないが、円高の影響や新興国経済の鈍化を早くも懸念し始めているのかもしれない。
今週は、日経平均株価の妥当レンジを9,250円~10,650円(前週は9,300円~10,750円)に微調整する。
当レポートにおいては昨年11月から新興市場企業への投資を提言してきた。それは、1部上場企業に比べて、バリュエーション面で割安であり、ROE水準が高く、成長性も期待できるからである。
具体的な投資対象をこれまで十分に示せずにいたが、昨日(5/28)に昨年末に発行した「TIWトップピック10」を衣替えして、「TIWモデルポートフォリオ」というレポートを発行した。選択した14銘柄の内の半数は、新興市場銘柄としたので是非、ご参照をいただきたい。
◇日経平均妥当水準(レンジ)
9,250円~10,650円 | (前回 9,300円~10,750円) |
*「IFIS/TIWコンセンサス225」(5月25日)来期予想ベースEPSをもとに算出
◇IFIS/TIWコンセンサス225(5月25日)
今期予想EPS | 705.78円 | (前週 707.88円) |
来期予想EPS | 803.59円 | (前週 803.08円) |
再来期予想EPS | 870.87円 | (前週 865.04円) |
今期予想PER | 12.16倍 | (前週 12.16倍) |
来期予想PER | 10.68倍 | (前週 10.72倍) |
再来期予想PER | 9.85倍 | (前週 9.95倍) |
来期予想PBR | 0.86倍 | (前週0.86倍) |
来期予想ROE | 8.09% | (前週8.05%) |
来期予想 インプライド・リスク・プレミアム |
7.59% | (前週7.61%) |
*5月25日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

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