5月18日妥当レンジ 9,300円~10,750円
終わってみれば企業業績は事前予想通り

2012/05/22

 【IFIS/TIWコンセンサス225】

ギリシャの議会総選挙が6月17日(日)に決定した。ギリシャのユーロ離脱や無秩序なデフォルトの可能性も示唆される中で、不安定なマーケット状況がまだ1ヵ月近くも続きそうである。19日に採択されたG8首脳宣言では「財政健全化」と同時に「成長と雇用の促進」が明記された。緊縮財政一辺倒から成長にも目配りをする形で、欧州の政策が転換したとの指摘もあるようである。今週には欧州連合首脳会議(23日)が予定されているがそこでの発言などが注目されるであろう。
ユーロ安が続く中で、退避資金の受け皿として日本円が79円台前半/ドルと騰勢を強めている。今回の日銀金融政策決定会合(22~23日)において追加緩和が行われる可能性は著しく低い。しかし、今後の金融緩和の方針等が示されないならば、円高が一段と強まることも懸念される。

3月期の決算発表が先週で揃った。5月11日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、今期(1期)707.88円、来期(2期)803.08円、再来期(3期)865.04円となった。先週も述べたが、決算が出揃ってみれば決算前の事前予想とほぼ一致しており、企業業績は堅調に推移していると言えるだろう。
今週は、日経平均株価の妥当レンジを9,300円~10,750円(前週は9,550円~11,000円)に引き下げる。これは、日経平均の実績BPSの拡大が大きく、予想ROEが低下することによる。これも先週述べたことであるが、再来期予想EPSの拡大(成長率)が低い水準に留まっている。その結果、予想ROEの改善率も小幅に留まっている。現在の配当性向の水準(約30%)を引き上げていかない限り、市場全体の株価上昇余地は抑制されることになろう(12,000円前後が日経平均の天井となる可能性も)。

N225のリスクプレミアムは7.61%(期待リターンは8.44%)にまで上昇しており、かつてないほどに投資家はリスクオフの状態にある。欧州情勢次第であるが、株価の割安感は顕著であり、リバウンドする際の短期的なポテンシャルは大きいと思われる。
投資対象を選択するときの基準は、利益成長力、ROE水準、配当性向引き上げ余地(財務体質)などが挙げられる。基本的には、割安感が顕著な自動車関連企業と新興市場の高成長・高ROE銘柄を中期的な投資対象と考える。しかし、短期的には対象決算期変更による予想EPSの改善、株価下落率が高かった東証1部銘柄が新興市場よりもリバウンドが大きくなる可能性も考えられる。東証1部とJASADAQ市場の期待リターン(今期ベース)の差は4週間前の3%台から前週には1.07%に急速に縮小しており、1部銘柄の割高感が解消されつつあることが理由である。

集計値を再計算した結果、極僅かであるが前回の各予想EPSを修正する。修正幅は各々1円未満である。それに伴って予想PERも若干修正する。 

 

◇日経平均妥当水準(レンジ)

9,300円~10,750円 (前回 9,550円~11,000円)

  *「IFIS/TIWコンセンサス225」(5月18日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(5月18日)

今期予想EPS 707.88 (前週 676.18円)
来期予想EPS 803.08 (前週 796.62円)
再来期予想EPS 865.04 (前週 859.78円)
今期予想PER 12.16 (前週 13.24倍)
来期予想PER 10.72 (前週 11.24倍)
再来期予想PER 9.95 (前週 10.41倍)
来期予想PBR 0.86 (前週0.91倍)
来期予想ROE 8.05% 前週8.12%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
 
7.61% (前週7.51%)

*5月18日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

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