5月2日妥当レンジ 9,500円~10,900円
外部環境は想定の最低レベルだったが

2012/05/08

 【IFIS/TIWコンセンサス225】

仏大統領選は社会党のオランド氏が勝利し、ギリシャ総選挙も欧州連合(EU)/国際通貨基金(IMF)支援に反対の立場をとる急進左派連合が2位となり、与党は過半数を割れた。ある程度は予想されていた結果であったが、7日のユーロドルは1.30ドルを一時的に下回りユーロが大きく売られる結果となった。仏大統領にオランド氏が就任することで財政再建路線から遠退くとの見方は決して多くはなく、その点では市場は落ち着いているようだ。むしろ、ギリシャのユーロ離脱リスクや無秩序なデフォルトに陥る可能性の方が懸念される(しかし、ギリシャの無秩序なデフォルトに対する影響に対して、ユーロ・EU諸国の防備は既に整っているとの見方もある)。この問題はマーケットのリスク要因として繰り返し今後も登場しそうである。
先週末(4日)に発表された米雇用統計においては、非農業部門雇用者数の前月比は11.5万人と市場予想の16万人を下回った。これによりQE3への期待が高まり、米国長期金利(10年国債利回り)は1.8%台に低下するとともに対日本円で80円/ドルを割り込むドル安となった。昨日(7日)の日本株は週明けの悪材料を最初に織り込む市場であったため急落した(同日の日経平均安値9,109.01円)。

(このレポートを執筆している7日23時現在)為替はやや落ち着きを取り戻し、欧米市場も小幅な下落に留まっていることから、日本株もリバウンドに向かうと考えている。)

5月2日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、連休の中日である2日間(1日、2日)は決算発表企業が少なかったことから前週からの変化は小幅であった。変化幅(円)は、(1期)+9.92円、(2期)+1.01円、(3期)-0.68円であった。対象決算期が変更となった企業はヤマハ(7951)1社のみ。コンセンサスEPSへの影響額は、(1期)+7.82円、(2期)+0.53円、(3期)+0.10円であった。なお、ヤマハのEPSについて事前予想と決算後の予想値の比較は、13/3期は事前45.07円→決算後45.56円、14/3期は55.96円→58.35円、と決算後予想が事前予想を上回っている。
今週は日経平均の妥当レンジを9,500円~10,900円へと下方に調整する。これは純資産額(BPS)の推定値の変更に伴うテクニカルな要素による。

3月決算企業の決算発表は15日(火)までに終わる。日経平均採用銘柄も半分以上の130社強がこれから決算発表を迎える。今年度の企業業績見通しが、事前の予想通りであれば今期予想EPSは700円程度の水準にまで上昇するはずである(5/2現在では551.05円)。しかし、不透明な外部環境(欧州情勢、米国経済、中国の経済成長など)を受けて企業側が慎重な会社計画を現段階では出す可能性が考えられる。また、アナリスト予想のコンセンサスもそれに引きずられる可能性も考えられる。
しかし、仮にそうした事態が生じたとしても、(今期予想が事前予想を下回ったことを理由に)ここからマーケットがさらに下落してゆく展開は考え難い。決算途中の現時点の予想EPS水準でも、来期予想ベースのインプライド・リスク・プレミアムは7%を上回っており、既にマーケットがかなり割安であることを示している。
ここからは割安感の強い自動車関連企業や新興市場の好業績銘柄を積極的に拾うタイミングと考える。 

 

◇日経平均妥当水準(レンジ)

9,500円~10,900円 (前回 9,600円~11,050円)

  *「IFIS/TIWコンセンサス225」(5月2日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(5月2日)

今期予想EPS 551.05 (前週 541.13円)
来期予想EPS 762.80 (前週 761.79円)
再来期予想EPS 846.09 (前週 846.77円)
今期予想PER 17.02 (前週 17.59倍)
来期予想PER 12.30 (前週 12.50倍)
再来期予想PER 11.09 (前週 11.24倍)
来期予想PBR 0.97 (前週0.99倍)
来期予想ROE 7.91% 前週7.94%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
 
7.09% (前週7.07%)

*5月2日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

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