4月13日妥当レンジ 9,150円~10,550円
欧州債務懸念の再燃から神経質な展開続く

2012/04/17

 【IFIS/TIWコンセンサス225】

先々週に引き続き、欧州債務懸念の再燃から世界的な株安の循環が引き起こされている。スペインの財政懸念からスペイン国債やイタリア国債の利回りが上昇している。また、4月13日に発表された中国の1-3月のGDPは8.1%と市場予想をやや下回り、欧州景気減速の影響が心配されている。北朝鮮の人工衛星(=ミサイル)発射は失敗に終わったものの、その結果として核実験の実施に動くという憶測も広がっている。こうした悲観的な見解がある一方で、スペインのデギンドス財務相やオランダ中央銀行のクノット総裁など欧州要人の発言が、発言者の意図(足下には不安はないこと)とは異なって否定的に伝えられてしまっており、市場が冷静に戻れば心配はないという指摘もある。米国の1-3月決算についての慎重な観測は既に株価に織り込まれている可能性も高く、ここから過度に慎重スタンスを執る必要はないと考えている。国内企業業績に対するアナリスト予想は上向きに推移しており、5月中旬以降は対象決算期の変更から徐々に13/3期へと投資家の視線が向かうことを考えると、中期的には押し目買いの好機と捉えられる。

 4月13日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、引き続き今期予想ベース(1期)はマイナスであったが、来期予想ベース(2期)、再来期予想ベース(3期)は大きくプラスとなった。変化幅(円)は、(1期)▲2.07円、(2期)+6.47円、(3期)+9.80円であった。前週は2月決算のイオン(8267)、ユニー(8270)、Jフロントリテイリング(3086)の3銘柄が対象決算期変更となった。その影響額は、(1期)+6.18円、(2期)+0.71円、(3期)+1.16円であった。来期(2期)、再来期(3期)の予想EPSのプラスは、ファーストリテイリング(9983)、トヨタ自動車(7203)、TDK(6762)、ホンダ(7267)、大林組(1802)、京セラ(6971)など輸出企業を中心とした銘柄群が押し上げに影響している。
今週は日経平均の妥当レンジを上方に微調整する。

ここから決算発表が終了する1カ月間は、今期予想ベースにおいては12/3期と13/3期が、来期予想ベースでは13/3期と14/3期が混在する。混沌とした状態が続くものの来期予想ベースのEPSの変化に最も注意を置いて観察するべきであろう。来期予想EPSが800円台を確実に確保できれば、14/3期ベースでの割安感から年後半のマーケットには十分に期待が持てるだろう(夏場までは市場は13/3期の実現性を重視する)

足下は、欧州債務懸念から為替相場(円高)が変動しやすい展開が予想される。4月27日の日銀の政策決定会合で追加的緩和が行われるかどうかが注目点になりそうである。既に市場では、追加緩和が既定路線として受け止められているため、緩和そのものが見送られ、緩和規模が市場の期待を大きく下回った場合は、円高が一時的に加速される懸念があることには注意したい。

私事であるが、先週水曜日(4/11)に大阪証券取引所のIR担当者フォーラムで講演をする機会を得た。そこでのメッセージは主に二つ。一つは証券業界の構造から鑑みてアナリストは今後も減少するので企業側が自らの企業価値を積極的に示唆してゆく必要が高まっていること(アナリストに期待は出来ない)。二つ目は流動性リスクプレミアムに対しては株主数が大きく影響をしており、流動性の向上にはまずは株主数を増やす施策が求められること。
株主数とバリュエーションの関係についてはあらためて纏めたものを提示したい。

◇日経平均妥当水準(レンジ)

9,150円~10,550円 (前回 9,100円~10,450円)

  *「IFIS/TIWコンセンサス225」(4月13日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(4月13日)

今期予想EPS 448.26 (前週 450.33円)
来期予想EPS 718.44 (前週 711.97円)
再来期予想EPS 816.29 (前週 806.49円)
今期予想PER 21.50 (前週 21.51倍)
来期予想PER 13.42 (前週 13.61倍)
再来期予想PER 11.81 (前週 12.01倍)
来期予想PBR 1.02 (前週1.03倍)
来期予想ROE 7.61% 前週7.57%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
 
6.63% (前週6.52%)

*4月13日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
TIWマガジン「投資の眼」   株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。

このページのトップへ