4月6日妥当レンジ 9,100円~10,450円
米雇用統計のショックから懸念材料がクローズアップされる展開

2012/04/10

 【IFIS/TIWコンセンサス225】

先週は、スペイン国債の入札の不調や、中国の景気減速に不安が広がる中で、4月3日に公表された前回の米FOMC(連邦準備委員会)議事録から追加金融緩和への期待が剥落したことから世界的に株式市場は軟調に推移した。さらに、6日に公表された米雇用統計において非農業部門雇用者数が2月の24万人増から3月は12万人増へと半減したことから為替がドル安(円高)に大きく振れている。雇用統計は暖冬の影響で建設業などの雇用が押し上げられていたことに対する反動という見方もあり、米景気回復が後退したと考えるのは尚早と思われるが、今暫くは経済統計発表に慎重な状況が続きそうである。いずれにしても昨年末からの世界的な株価の上昇に対する調整局面にあると思われるが、中国景気やスペイン財政など懸念材料が目先的にはクローズアップされそうである。特に今週は消費者物価や貿易収支など中国の経済指標発表が予定されており神経質な展開が続きそうである。
ただし、後述するが日本企業に関しては2012年度の企業業績見通しが改善しつつあり、決算発表で業績が確認されることによって安心感が広がるものと考える。

4月6日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、引き続き今期予想ベース(1期)はマイナスであったが、来期予想ベース(2期)、再来期予想ベース(3期)は着実にプラスとなった。変化幅(円)は、(1期)▲2.75円、(2期)+3.17円、(3期)+5.57円であった。前週は2月決算のセブン&アイHD(3382)、高島屋(8233)が対象決算期変更となった。その影響額は、(1期)+1.57円、(2期)+0.89円、(3期)+0.71円と比較的限定されたものであり、来期(2期)、再来期(3期)の予想EPSのプラスは、ホンダ(7267)、KDDI(9433)、トヨタ自動車(7203)、キヤノン(7751)など輸出企業を中心とした幅広い銘柄群が影響した。

今週は日経平均の妥当レンジを下方に微調整するがモデル上のテクニカルな要因が大きい。

 先週も申し上げたが、来期予想EPSを基準としたバリュエーションからは、現在のマーケット水準は高くも無く、また安くもない。3月期決算が本格化し、業績安心感が広がるタイミングで再び株価は出直るものと考える。懸念材料としては為替レート(円高)が挙げられる。4月9日~10日に日銀政策決定会合が開催されるが、将来の追加緩和の可能性を日銀が真っ向から否定してしまうとなると、緩和期待の剥落から円高が進行する危惧がある。アナリストの業績予想も80円台/ドルを前提としているだけに、輸出企業の株価には注意が必要である。なお、筆者の基本ターゲットは、業績好調な中小型銘柄である。株式流動性の向上策を積極的に取る企業には大きなバリュエーション水準の変革の機会があると考えている。

◇日経平均妥当水準(レンジ)

9,100円~10,450円 (前回 9,300円~10,650円)

  *「IFIS/TIWコンセンサス225」(4月6日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(4月6日)

今期予想EPS 450.33 (前週 453.08円)
来期予想EPS 711.97 (前週 708.80円)
再来期予想EPS 806.49 (前週 800.92円)
今期予想PER 21.51 (前週 22.26倍)
来期予想PER 13.61 (前週 14.23倍)
再来期予想PER 12.01 (前週 12.59倍)
来期予想PBR 1.03 (前週1.07倍)
来期予想ROE 7.57% 前週7.52%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
 
6.52% (前週6.38%)

*4月6日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
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