3月30日妥当レンジ 9,300円~10,650円
景況感は静かに上向いている

2012/04/03

 【IFIS/TIWコンセンサス225】

先週はドル・円が一時的に82円近辺まで上昇したことや、中国景気に対する懸念から上海総合指数が軟調に推移していること、などを受けて日本株もやや調整する局面があった。しかし、週末に再び円安に推移したことや堅調な海外市場を受けて今週のマーケットは上昇傾向で始まっている。今週は、日銀短観(4/2)、米ISM製造業指数(4/2)、米ADP雇用統計(4/4)、米ISM非製造業指数(4/4)、米雇用統計(4/6)と経済指標の発表が続くが、大きな波乱はないだろう。特別悪い数値が出ない限り、(コンセンサスの範囲でも)市場は概ねポジティブに反応すると考える。

さて、新年度入りしたのを機会に当レポートの主旨をあらためて説明させていただこう。
当レポートは、IFISコンセンサスを基礎データとしてN225型の予想EPSを算出している。算出されたEPSと株価水準からマーケットのインプライド・リスク・プレミアムを算出している。株価は理論的には、サプライサイド=企業業績(株主資本配当率+成長率)と、デマンドサイド=期待リターン(無リスク証券の利回り+インプライド・リスク・プレミアム)のバランスの上に構成される。株価の上昇・下落がこれらのどの要因によって齎されているのかを分解するとともに、インプライド・リスク・プレミアムの経験値から(日経平均の)妥当レンジを模索するという試みである。

この妥当レンジ自体は、先行指標にはならないという指摘を多く受ける。短期的にはその指摘は概ね当っていると考える。しかしながら、現在の株価水準が妥当レンジのどのあたりに位置するのかを認識し、予想EPSの変化やインプライド・リスク・プレミアムの水準から変化の方向性やその幅(あるいは率)を大まかに想定することは出来ると考えている。先ほど、先行指標にはならないと申し上げたが、一致指数、あるいは遅行指数として現在位置を確認する上では大きな意義があると考えている。

3月30日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、今期予想ベース(1期)はマイナスであったが、来期予想ベース(2期)、再来期予想ベース(3期)は着実にプラスとなった。変化幅(円)は、(1期)▲3.18円、(2期)+2.37円、(3期)+3.26円であった。再来期予想EPSは800.92円であり、800円台の奪還は昨年10月21日以来、23週ぶりである。また、来期、再来期では前週比プラス企業がマイナス企業を上回る状況となっている。
来期予想ベース(2期)、再来期予想ベース(3期)のいずれにおいてもプラス貢献した銘柄は、キヤノン(7751)、TDK(6762)、ソフトバンク(9984)、昭和シェル石油(5002)、ホンダ(7267)、アドバンテスト(6857)、KDDI(9433)、トヨタ自動車(7203)、など。自動車、電機、重機など輸出関連企業が目立っていた。マイナスとなった企業は、日本電気硝子(5214)、三菱倉庫(9301)、第一三共(4568)、小田急電鉄(9007)など、業種的な特徴は見られず、個別企業の要因によるものと思われる。

今週は日経平均の妥当レンジを来期EPSの増加と増益率の上昇から9,300円~10,650円へと上方に微調整する。

現状のマーケット水準は高くも無く、安くもない。3月期決算が本格化するまでは企業業績面からは動き難い展開が予想されるが、来期、再来期予想が静かに増加傾向にあり、景況感が徐々に上向いていることが伺える。

◇日経平均妥当水準(レンジ)

9,300円~10,650円 (前回 9,200円~10,550円)

  *「IFIS/TIWコンセンサス225」(3月30日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(3月30日)

今期予想EPS 453.08 (前週 456.26円)
来期予想EPS 708.80 (前週 706.43円)
再来期予想EPS 800.92 (前週 797.66円)
今期予想PER 22.26 (前週 21.94倍)
来期予想PER 14.23 (前週 14.17倍)
再来期予想PER 12.59 (前週 12.55倍)
来期予想PBR 1.07 (前週1.07倍)
来期予想ROE 7.52% 前週7.54%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
 
6.38% (前週6.37%)

*3月30日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

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