3月23日妥当レンジ 9,200円~10,550円
日経平均が足踏みする中で新興市場の水準訂正が続く
【IFIS/TIWコンセンサス225】
先週は、鉱山会社BHPビリトンの中国の鉄鋼生産に関する見通しのコメントや中国の製造業PMI(3月、22日発表)の低下、また米国新築住宅販売件数(2月、23日発表)が減少したこと、ユーロ圏景況感指数(3月、22日発表)が弱かったこと、などから株式市場は調整局面を迎えた。
赤字が予想されていた2月の日本の貿易収支が僅かながらも黒字であったこともあり、円高に為替が振れたことから日本株の調整を促したようにも見える。いずれにしても昨年年末からの株式市場の上昇率が高いだけに高値警戒感やポジション調整は生じ易い状況になっており、悪材料に敏感に反応することも考えられる。
月末である今週は国内の各種経済統計の発表や米国の消費者信頼感指数(3月、27日発表予定)、シカゴ購買部協会景気指数(3月、30日発表予定)など経済指標の発表が続くために、マーケットが過敏に反応しがちであるが、一過性のものと考えている。
日本株はファンダメンタルの企業業績からすれば、概ね妥当水準であり、ここから3月期の本決算を迎えるまでは、大きな変化は生じにくいと考えている。投資家の一般的な行動としては、決算発表(特に13/3期予想)を確認するまでは動き辛いものであり、再び上昇トレンドに向かうとしても決算後になるであろう。
3月23日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、予想がリバイスされた銘柄のウエイトが小さく大きな変化は無かった。しかし、久しぶりに今期予想ベース(1期)、来期予想ベース(2期)、再来期予想ベース(3期)ともに前週比プラスとなった。
今週は日経平均の妥当レンジを9,200円~10,550円へと下方に微調整するがデータ算出上のテクニカルな要因による。
先週は日経平均、TOPIXともに下落したが、日経JASDAQ平均、JQ指数は上昇を継続した。マーケットの物色姿勢が中小型銘柄に根強いことを物語っている。
先週末までの4週間の上昇率は、日経平均3.77%、TOPIX2.19%に対して、日経JASDAQ平均は5.72%、JQ指数は5.02%と大きく上回っている。それでも各種株価指標では新興株式市場はまだ出遅れ感が強く、全体マーケットが足踏みする中でさらなる水準訂正が期待できると考える。
◇日経平均妥当水準(レンジ)
9,200円~10,550円 | (前回 9,250円~10,650円) |
*「IFIS/TIWコンセンサス225」(3月23日)来期予想ベースEPSをもとに算出
◇IFIS/TIWコンセンサス225(3月23日)
今期予想EPS | 456.26円 | (前週 455.71円) |
来期予想EPS | 706.43円 | (前週 797.01円) |
再来期予想EPS | 797.66円 | (前週 797.01円) |
今期予想PER | 21.94倍 | (前週 22.23倍) |
来期予想PER | 14.17倍 | (前週 14.37倍) |
再来期予想PER | 12.55倍 | (前週 12.71倍) |
来期予想PBR | 1.07倍 | (前週1.09倍) |
来期予想ROE | 7.54% | (前週7.57%) |
来期予想 インプライド・リスク・プレミアム |
6.37% | (前週6.34%) |
*3月23日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

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