3月16日妥当レンジ 9,250円~10,650円
日経平均は10,000円台の足場固めで目先硬直的な動きか?
【IFIS/TIWコンセンサス225】
米国長期金利(10年国債利回り)は、2月の小売売上高の好調(+1.1%)や米FOMCでの景気改善に対する強いコメント等を受けて、2%前後で推移していた2月以降の動きから2.3%台へと上昇しました。これを受けて為替もドルが強含みで推移しており、ドル円も83円台で安定して推移しております。NYダウの13,000ドル台の足場固めが進む中で日本株も堅調な展開が続いている。
前回も述べたが当レポートも日本株の緩やかな上昇基調を見込んでいる。再来期のコンセンサス予想EPSをベース(本年5月中旬以降の新年度の基準)にした日経平均の妥当レンジは10,100円~11,600円である(前回の9,900円~11,450円よりやや上方修正)。本日(9,889.86円)を基準にして向こう1年間に2~17%の上昇を期待している。ETFなどインデックスの投資家にとってはこれでも十分な期待パフォーマンスかもしれない。しかし、これまでも何度も言及しているが、日本の株式市場は欧米に比べて非効率的であり、中小型株には過大な流動性リスクプレミアムが生じている。マーケットが上昇過程にある中では流動性リスクプレミアムの縮小から非常に大きなパフォーマンスが中小型株には期待できると考えている。
3月16日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、前週との比較では今期予想ベース(1期)は小幅ながら引き続きマイナス。来期予想ベース(2期)は3週連続プラス、再来期予想ベース(3期)は6週連続でプラスであった。変化幅はそれぞれ、▲1.87円(1期)、+0.77円(2期)、+0.05円(3期)である。前週比プラスの企業数がマイナス企業数を上回るのは、来期予想ベース(2期)、再来期予想ベース(3期)ともに6週連続。今回は業種的に目立った動きは特に見られない。幅広い業種で予想EPSが上向いていると言えよう。
今週も来期予想EPSの増加を受けて日経平均の妥当レンジを9,250円~10,650円へと上方に微調整する(9,250円~10,650円)。
インプライド・リスク・プレミアム(来期ベース)は、予想ROEの改善、増益率(今期→来期)の上昇、国債利回りの上昇などの影響もあり、今回は6.34%にまで低下している。年初(1/6)は6.75%であった。
再来期ベースの予想EPSから算出される妥当レンジは、前週現在では10,150円~11,700円である。これから1年をかけてこの水準がターゲットレンジとなってくるが、投資家の視線が(現在の)再来期に向かうのは本年8月の第1四半期決算以降になると考えている。つまり、来期ベースの妥当レンジを基準とするならば、マーケットの上昇余地は限定的であり、ここからは上値はやや抑えられる展開を予想する。
昨年末(12/30)から先週末(3/16)までの日経平均の上昇率は19.8%、TOPIXは19.0%。同期間の日経JASDAQ平均の上昇率は15.8%、JQ指数は11.0%である。元々、JASDAQ市場は割安に放置されていたことを考えれば、まだ上昇余地は大きい。引き続き中小型銘柄へのGAVP(growth at value price)戦略を提唱したい。銘柄選定に関してはROEが高く(7%以上)、ネットキャッシュ(現預金-有利子負債)がプラスの銘柄で、PBRが1倍以下(または1倍を大きく超えない)のものをターゲットにしたい。
◇日経平均妥当水準(レンジ)
9,250円~10,650円 | (前回 9,200円~10,600円) |
*「IFIS/TIWコンセンサス225」(3月16日)来期予想ベースEPSをもとに算出
◇IFIS/TIWコンセンサス225(3月16日)
今期予想EPS | 455.71円 | (前週 457.58円) |
来期予想EPS | 704.90円 | (前週 704.13円) |
今期予想PER | 22.23倍 | (前週 21.70倍) |
来期予想PER | 14.37倍 | (前週 14.10倍) |
来期予想PBR | 1.09倍 | (前週1.07倍) |
来期予想ROE | 7.57% | (前週7.57%) |
来期予想 インプライド・リスク・プレミアム |
6.34% | (前週6.44%) |
*3月16日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

コラム&レポート Pick Up
相場見通し


投資アイディア

プロの見方
