水素社会に向けて -溝上 泰吏-

2012/03/02

2/29から3/2までビックサイトにおいて同時開催されていた二次電池展、太陽電池展、水素・燃料電池展にいってきました。
太陽電池展のスペースが最も大きく、国内外の企業が参加し、関連製品も出展されるなど活気にあふれていました。
太陽電池の発電効率は、従来に比べ改善してきているものの、2割弱と既存の発電設備の効率に比べまだまだ半分以下のレベル。日系企業は、熱エネルギーとして逃げない工夫に加え、日本家屋の様々な屋根材に対応させた商品や、施工まで含めたサービスを売り物にしているところが多かったように思います。

一方の二次電池展及び水素・燃料電池展はスペースも狭く、人は、そこそこいましたが、対照的でした。
そのなかでも人が集まっていたエリアは、家庭に設置するタイプの燃料電池でした。東日本大震災以降、注目度が増しているようです。電力会社主導だった従来のオール電化の座に、居座ったような感じがありました。実際、問い合わせ件数も劇的に増え、設置件数も順調に増えているとのことでした。注目されるのは、都市ガスなどをベースに発電するだけでなく、余熱を利用し温水も供給できる点が評価される要因です。ちなみに、発電効率は自家消費する分を加味しても4割強もあり、熱エネルギーも活用することで9割以上のエネルギーを無駄なく活用しているという点です。
燃料電池は、将来の車載用だけでなく、設置型も大いに注目できる製品になるのではないかと感じました。

また、今回の訪問で印象に残ったのは、ドイツのエネルギー政策でした。ドイツは、風力発電から太陽光発電にシフトしていますが、その関係者曰く、「太陽電池は終わった、これからは、水素社会」だとのこと。ドイツでは水素パイプラインを東西に敷設し、その活用が始まるとのこと。ドイツといえば、欧州において太陽光発電を活発に採用していた国として知られるが、そのドイツが方向転換を打ち出したことに驚きを受けた。ちなみに、水素ガスは、化学メーカーや鉄鋼メーカーなどで副産物として生産されたものなども、同パイプラインに流す計画になっているようです。ドイツにおける水素に関する法律や、用途などの具体的な状況は分かりませんが、今後の動向に注目したいです。
また、同時に、わが国における水素社会実現の可能性なども、注目したいです。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
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