2月24日妥当レンジ 9,000円~10,300円
再来期予想が上向きに変化。上昇基調は変わらないが為替には注意

2012/02/29

【IFIS/TIWコンセンサス225】

今週に入ってAIJ投資顧問の年金運用の毀損、エルピーダメモリーの会社更生法申請と大きなニュースが続いたが、マーケットは一時的な動揺は生じたものの、上昇基調を続けている。
ギリシャへの支援決定に加えて、欧州中央銀行(ECB)による第2回目のLTRO(Long Term Refinance Operation=長期資金供給オペ)が本日実施されることもマーケットにとって追い風となっている模様である。第1回のLTROにおいては、4,892億ユーロ(約50兆円)を政策金利(1%)での貸出しを行った。担保要件なども引きさげて、南欧諸国の銀行の要求を満たし、市場の安定化を図ったのである。その結果、信用不安が後退し、米国をはじめとした世界的な株高が現出された。第二回目のLTROでは4,500~6,000億ユーロの規模の資金供給実施が市場では見込まれており、金利の低めへの誘導が期待されている。

原油価格の上昇もイラン情勢による投機的な資金の流入はあるものの、世界経済の安定的な拡大を映しているとの見方も有力である。現在の日本株の好調も米国経済の回復と日本への波及を期待したものであると言えよう。

2月24日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、前週との比較では今期予想ベース(1期)は引き続きマイナスであった。来期予想ベース(2期)も若干ながらマイナスとなったが、再来期予想ベース(3期)は明確にプラスであった。変化幅はそれぞれ、▲6.91円(1期)、 ▲0.75円(2期)、+3.72円(3期)である。
注目すべきは、来期予想ベース(2期)、再来期予想ベース(3期)において前週比プラスになった企業数がマイナスになった企業数を確実に上回ってきたことである。来期においてはプラス85社・マイナス66社、再来期においてはプラス78社・マイナス66社であった。セクター的には商社、自動車、小売、機械・プラントあたりがプラス企業では目立っている。

来期ベースの予想ROEも7.57%と昨年11月上旬頃の水準に戻ってきた。ただし、これは来期EPSの増加によるものではなく、今期EPSが大きく減少したことにより基準となる自己資本が小さくなることが影響している。テクニカルな要因ではあるが、今期予想が引き下げられることによって、同時に来期成長率が48.1%へと高められている。そのため日経平均の妥当レンジも今週も9,000円~10,300円へと引き上げる。
(全体の予想EPSは押し下げられているにも関わらず、今期予想のマイナスが大きいことによって結果的に妥当レンジが上昇するのは“モデルの欠陥”と思われるかもしれない。しかし、その方が現状のマーケットに適合しているというのも不思議な話である)

この1週間もマーケットは大きく上昇したが、日経平均のインプライド・リスク・プレミアム(2/24時点、6.50%)はまだ中位の水準である。来期ベースの予想EPSの減少が限定的であり、再来期ベースの予想EPSが上昇してゆく状況であれば強気を維持しても良いのであろう。ただし、LTROによる実質的な金融緩和によってユーロ安が進むようであれば為替には注意が必要であろう。76円台/ドルへの円高が始まったのは昨年暮れからであり、第1回の LTRO実施と時期的には符合する。

前回のレポートで“「グロース」&「バリュー」銘柄を狙え”という内容を書いたが、知人から“「グロース」with「バリュー」”の方が適切ではないか、との指摘を受けた。
アンドを使うと「グロース」も「バリュー」もどちらもという意味になってしまう(所謂バランス型運用)。今後はGrowth With Value ⇒「GWV」と称したい。
(発行が1日遅れてしまって申し訳けありません)

◇日経平均妥当水準(レンジ)

9,000円~10,300円 (前回 8,800円~10,100円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(2月24日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(2月24日)

今期予想EPS 471.36 (前週 478.27円)
来期予想EPS 697.92 (前週 698.67円)
今期予想PER 20.47 (前週 19.62倍)
来期予想PER 13.82 (前週 13.43倍)
来期予想PBR 1.05 (前週1.01倍)
来期予想ROE 7.57% 前週7.50%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
6.50% (前週6.54%)

*2月24日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出


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