1月27日妥当レンジ 8,300円~9,550円
好業績中小型銘柄に注目が集まる展開

2012/01/31

【IFIS/TIWコンセンサス225】

先週は、25日(水)に日本の2011年(1-12月)の貿易収支が発表され、赤字になったことがニュースとして取り上げられたことによって78円台/ドルまで一時的に円安が進んだ。ギリシャと民間銀行団との交渉が前進しているという観測報道なども加わって、週前半において日本株は大きく上昇した。しかしながら、FRBがこれまで“2013年半ばまで”としていた低金利の継続を、“2014年遅くまで” と緩和姿勢を強めたことから再び円高(ドル安)トレンドへと転換している。為替情勢に加えて、NEC(6701)、オムロン(6645)など3Q決算発表において下方修正が先行していることから先週末から上値が重い株価展開が続いている。

米欧ともに金融緩和姿勢を強めている中にあっては、円高プレッシャーが今後も続くことは避けられないものと考えられるが、(2011年が赤字に陥ることが)既に周知の内容であった貿易収支発表に為替市場が大きく反応したことには注意をする必要があるだろう。もちろん、経常収支が黒字である以上は、現在の円高構造が急に変化するとは考えていない。しかし、現時点での可能性は低いと思われるが、貿易収支赤字→国債の国内消化の危機→国債売り→金利上昇、という連想が広がることには用心したい。その場合は、銀行・保険などの金融機関や財務レバレッジの高い企業(借入金の多い会社)に対して売り圧力がかかる可能性が考えられる。

1月27日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、前週との比較で今期予想ベース(1期)、来期予想ベース(2期)、再来期予想ベース(3期)ともにマイナスとなった。今期予想EPSのダウントレンドが続くことはこれまでも指摘したとおりであるが、今期予想の引き下げに伴って、来期、再来期も僅かながら減少する傾向がある。
これは、昨年7月以降の円高の影響が3Q決算に強く反映されて来たこと、欧州や中国の景気減速が織り込まれつつあることが理由として挙げられるであろう。
現状の来期予想EPS水準から考えて現在のマーケットの株価水準は妥当レンジの範囲内にある(ほぼ中位)。ただし、発射台である今期予想の引き下げが大きくなることによって、(絶対値は下がっても)来期の回復率(増益率)は高くなる。10月28日時点の来期増益率は18.2%であったが、直近(1/27)では34.0%となっている。テクニカルな要因であるが、これをマーケットがポジティブに評価する可能性も残っている。

現在のインプライド・リスク・プレミアム(来期ベース)は6.56%であるが、ここからみて欧州債務問題に対するリスク回避行動はピークアウトしているように感じられる(勿論、リスクが無くなったわけではない)。マーケット全体としては米国の好調な経済指標など海外要因によっては上方に振れる可能性も残っているが、概ね来期業績水準は織り込まれていると考えられ、企業業績など国内要因での株価上昇は限定的であろう。主力大型株にはまだ今期予想の下方修正懸念が強く、こうした局面では、材料株や中小型の好業績銘柄に注目が集まる展開が続くと考える。今週の妥当株価レンジは若干上方に微調整を行った。

 

◇日経平均妥当水準(レンジ)

8,300円~9,550円 (前回 8,300円~9,500円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(1月27日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(1月27日)

今期予想EPS 520.16 (前週 527.44円)
来期予想EPS 697.16 (前週 698.45円)
今期予想PER 17.00 (前週 16.62倍)
来期予想PER 12.68 (前週 12.55倍)
来期予想PBR 0.94 (前週0.93倍)
来期予想ROE 7.38% 前週7.44%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
6.56% (前週6.62%)

*1月27日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
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