1月6日妥当レンジ 8,100円~9,300円
円高プレッシャー継続等により上値の重い展開続く

2012/01/11

【IFIS/TIWコンセンサス225】

新年を迎えて、気持ちを一新して取り組んでゆきたいと考えております。その一環として、ストラテジーコメントにおける筆者のタイトル(名称)を「アナリスト」から「チーフ・ストラテジー・アーキテクト」への変更を致します。一般的な「ストラテジスト」という表現を用いないのは、現在、弊社(TIW)において筆者自身は、基本方針・ルール、レポートの形式・内容などの枠組みを設計(アーキテクト)する立場にあることや、世の中に優れたストラテジストの方々が沢山いらっしゃる中で「ストラテジスト」を名乗るのはおこがましいという面もあります。しかし、それ以上に、マーケット環境について解説・意見を発するだけではなく、企業分析手法、証券会社のビジネスモデル、企業ディスクロージャーの在り方を含めて、新しい投資の枠組み(アーキテクチャー)を提供・提案していくという挑戦的なスタイルを持ちたいと考えている点にあります。どうぞ宜しくお願いいたします。ただし、企業レポートにおいては誤解を避けるために従来どおり「アナリスト」の名称を使用いたします。

なお、既に昨日(1/10)に第一号を発行いたしましたが、前週のTIW企業レポートのサマリーを抜粋しました“銘柄ピックアップ”レポートも毎週発行していく予定です。こちらには前回の当レポートで紹介いたしました「Fモデル」による妥当PBR水準についても表記して参ります。

さて、9日の独仏首脳会談においては、英国を除くEU26カ国で合意した財政規律を強める新条約について「3月1日の首脳会談までに署名できる」ことが確認された。しかしながら、取り上げて新しい材料もなく、欧州諸国の国債償還・新規入札が多い中では市場の不安心理の解消に繋がっていない。スタンダード&プアーズやムーディーズによる欧州各国の格下の懸念もあり、ユーロが対ドル、対円で弱含む展開が継続しそうである。ユーロドルは1.27ドル台に、ユーロ円は一時期97円台を付けている。目先的には、12日のECB(欧州中央銀行)理事会での国債購入に対するスタンスや、今月中旬から下旬のイタリアやスペインの国債入札に注目が集まっている。

他方で米国は、ISM製造業指数(1/3)、雇用統計(1/6)など市場予想を上回り改善が進んでいる。ただし、ユーロ安ドル高に対する懸念から株式市場の上値はやや重い展開になっている。
日本市場は、欧州不安の影響と構造的な円高進行に対する懸念、さらには政府民主党の「社会保障と税の一体改革」の政策的評価が低いことやその実現可能性など前向きな見通しを描き難い点から投資家のマーケットからの離散が一段と進んでいるように見える。

1月6日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、今期予想ベース(1期)は引き続き減少トレンドにあるものの、来期予想ベース(2期)、再来期予想ベース(3期)は小幅な増減にあった。年末年始の影響からアナリストの業績予想の変更等が少なかったことから変化に乏しい状況が続いている。
日経平均の妥当レンジは8,100円~9,300円を継続する。

既に2月決算企業の第3四半期決算が発表されており、小売業が多いことから比較的好調な内容が伝えられているが、間もなく始まる3月決算期企業の第3四半期決算では、業績が比較的好調な企業もこの時点での通期会社予想の引き上げには慎重であることを鑑みると、下方修正などのマイナス面が強調される可能性が高いと考えられる。
欧州情勢、米国の金融緩和姿勢の強調(FRBの政策金利見通しの公表)による円高プレッシャーの継続などの外部環境と、足下の企業業績の弱含みから全体マーケットは膠着した状況が続きそうである。引き続き、マクロや外部環境による影響が少なく、機動性の高い新興市場に期待していきたい。日経新聞の市況欄から逆算した今期予想ROE(1/6現在)は、日経平均が6.29%、東証1部が6.14%に対して、JASDAQが7.92%と大きく上回っている。それに対して今期予想PERは、日経平均14.78倍、東証1部14.98倍、JASDAQ 14.14倍と割安である。日経平均が週末値の安値をつけた11月25日から昨日(1/10)までの上昇率は、日経平均3.2%、日経JASDAQ平均5.3%である。中小型株優位のトレンドが表れてきていると言えそうだ。

◇日経平均妥当水準(レンジ)

8,100円~9,300円 (前回 8,100円~9,300円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(1月6日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(1月6日)

今期予想EPS 534.62 (前週 538.89円)
来期予想EPS 700.09 (前週 699.98円)
今期予想PER 15.69 (前週 15.69倍)
来期予想PER 11.98 (前週 12.08倍)
来期予想PBR 0.90 (前週0.90倍)
来期予想ROE 7.47% 前週7.41%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
6.75% (前週6.69%)

*1月6日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

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独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。

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