10月14日妥当レンジ 8,600円~9,900円
予想EPS減少続くが、外部環境には明るさも

2011/10/19

【IFIS/TIWコンセンサス225】

週末のG20(20カ国・地域 財務相・中央銀行総裁会議)において、「銀行システムや金融市場安定を保つための行動を取る」と明記された共同声明が発表された。特に欧州債務問題に関しては、EFSF(欧州金融安定基金)の再強化など包括対策を欧州に期待、銀行の資本増強を含め金融システム安定にあらゆる行動をとることが声明に盛り込まれた。

具体的な施策(銀行の資本増強、EFSF拡充策等)に関しては、今月23日に予定されているユーロ圏首脳会議で提示されるものと考えられる。

この声明を受けて、一時的にユーロドルは1.39台にまで上昇、月曜日の東京株式市場も日経平均が8,900円を回復する局面も見られた。

今後は欧州銀行に対する厳しい基準によるストレステストの実施、不合格銀行に対しての増資、資本注入が行われることが予想される。また、さらなるEFSFの拡充など資金的基盤のさらなる強化が求められている。こうした施策は一方で、ユーロ圏諸国の財政を悪化させることが危惧されるだけに、緊縮財政からリセッションに陥る懸念が残ることには中期的に留意する必要がある。

10月14日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、今回も僅かであるが、今期予想ベース(1期)、来期予想ベース(2期)、再来期予想ベース(3期)の全期間において前週を下回った。減少幅は、それぞれ▲1.11円(1期)、▲1.35円(2期)、▲2.07円(3期)と小幅であったが、ファーストリテイリング(9983・8月決算)の決算期変更による影響が、それぞれ+4.51円(1期)、+4.09円(2期)、+4.34円(3期)出ていることから実質面では今回も大きく減少したと言えよう。

来期予想ベース(2期)において大きくマイナス修正された企業は、京セラ(6971)、TDK(6762)、ホンダ(7267)、東京エレクトロン(8035)、アドバンテスト(6857)、安川電機(6506)、ファナック(6954)、三井物産(8031)、ヤマハ(7951)、トヨタ自動車(7203)、キヤノン(7751)、オリンパス(7733)、アルプス電気(6770)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)、野村ホールディングス(8604)など。電機・精密から自動車・機械、総合商社へと減少トレンドは広がっている。

今回は、日経平均の妥当レンジを8,600円~9,900円へと僅かながら引き上げるが、これは基準値としている(日経新聞からの逆算値の)予想BPSのブレによるテクニカルな要因であり、減少トレンドが止まったことを意味するものではない。

国内企業業績に関しては、世界経済の成長鈍化と円高の影響、タイの洪水被害の影響など、依然として不透明感が強い。しかし、欧州債務問題の沈静化に向けた道筋が見えてきたこと、米国景気も雇用統計や小売売上高など改善が見られること、中国消費者物価指数の鈍化などインフレ懸念が後退していることなど、全般的に明るさが出てきている。その結果として、円高圧力も和らいできている。株価への企業業績(下方修正)の折込みが進むことによって、10月が当面のボトムになる可能性が高まっている。

◇日経平均妥当水準(レンジ)

8,600円~9,900円 (前回 8,550円~9,850円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(10月14日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(10月14日)

今期予想EPS 619.68 (前週 620.79円)
来期予想EPS 736.56 (前週 737.91円)
今期予想PER 14.12 (前週 13.86倍)
来期予想PER 11.88 (前週 11.66倍)
来期予想PBR 0.92 (前週0.90倍)
来期予想ROE 7.72% 前週7.69%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
6.90 (前週6.96%)

*10月14日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

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