9月30日妥当レンジ 8,800円~10,100円
10月も“危機モード”が続く

2011/10/05

【IFIS/TIWコンセンサス225】

先週は、ギリシャ議会での財政再建を目的とした不動産課税導入の可決(27日)やドイツ下院でのEFSF(欧州金融安定ファシリティー)の拡充策の合意(29日)などの明るい材料も有ったものの、ユーロ圏の9月の消費者物価指数(30日発表)が前年同期比3.0%の上昇と高かったことからECBの利下げ観測が大きく後退し、週末の欧米株式市場は大きく崩れる展開となった。

週明けの東京市場もこの流れを引き継ぐ形で下落している。

今月は欧州問題に関して大きな山場を迎える。市場では既にギリシャのデフォルトは不可避と言う見方が優勢になっており、いかにソフトランディングをさせるかに焦点が移りつつある。その中で最も重要なポイントが財政危機に陥った加盟国への支援基金であるEFSFの拡充である。10月中旬から下旬にかけてユーロ加盟国の各国議会の承認が必要となる。

ギリシャへの80億ユーロの追加融資が決定されると見られているユーロ圏財務相会合(3日)、ギリシャで24時間反緊縮政策ストライキ実施(5日)、ECB理事会(6日)、G20財務相・中央銀行総裁会議(14~15日)、ギリシャで24時間反緊縮政策ストライキ実施(19日)。また、今週末(7日)には9月の米国雇用統計の発表(非農業部門雇用者数は前月比プラス5万人の市場予想)を控えており、市場に影響を与えそうなイベントが続く。いずれにしてもギリシャは10月デフォルトを回避しても12月に80億ユーロの国債償還を控えていることを考慮すれば、一時的に好材料があってもEFSFの拡充が決定されない限りは安心できない。

9月30日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、今期予想ベース(1期)、来期予想ベース(2期)、再来期予想ベース(3期)の全期間において前週を下回った。来期予想ベース(2期)では8週連続、再来期予想ベース(3期)では9週連続の減少。

9月28日には、CSK(9737)が除外となり、アマダ(6113)が新規対象となる入替が行われたが、これによる予想EPSへの影響額は、入替前と比較して(1期)0.91円、(2期)1.07円、(3期)1.29円のマイナスであった。この点を考慮しても前週からの減少幅は大きい。これに伴い、今回も日経平均の妥当レンジを8,800円~10,100円へと引き下げる。

来期予想ベース、再来期予想ベースにおいて前週比マイナス修正された主な企業は、東京エレクトロン(8035)、日本電気硝子(5214)、TDK(6762)、京セラ(6971)、ソフトバンク(9984)、武田薬品工業(4502)、太陽誘電(6976)、古河電工(5801)などエレクトロニクス関連が多い。一方、プラス企業では2月決算の小売業や鉄道会社など内需系企業が目立った。

予想EPSのマイナストレンドは未だ続く可能性が高く、3月決算期企業の第2四半期決算発表が本格化する中で、さらなるダウントレンドが生じる可能性が考えられる。

ギリシャをはじめとした欧州財務問題や世界のマクロ経済、そして国内企業の業績見通し引き下げの可能性など、上値の重い展開が10月中も続きそうである。

◇日経平均妥当水準(レンジ)

8,800円~10,100円 (前回 8,850円~10,150円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(9月30日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(9月30日)

今期予想EPS 631.08 (前週 636.39円)
来期予想EPS 748.77 (前週 755.50円)
今期予想PER 13.79 (前週 13.45倍)
来期予想PER 11.62 (前週 11.33倍)
来期予想PBR 0.92 (前週0.90倍)
来期予想ROE 7.95% 前週7.99%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
7.12 (前週7.24%)

*9月30日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

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