12月21日妥当レンジ 8,700円~9,900円
一時的現象か? 新年度の先取りか? トレンド変化か?

2012/12/26

【「IFIS/TIWコンセンサス225」によるマーケットの妥当レンジの推計】

<円安により来期・再来期見通しも好転か?>

■ユーロドルは7月の1.20ドル台から1.32ドル台へ、ドル円は9月の77円台から85円を覗う水準へと、円安基調が続いている。

■21日時点のコンセンスEPSは、今期予想ベースでは569.91円(前週比-2.19円)減少したが、来期予想ベース712.33円(同+0.21円)、再来期予想ベース797.09円(同+1.30円)においては僅かながらプラスとなった。円安による来期業績見通しの好転が表れてきたと言うには時期尚早であるが、向こう52週の移動平均ベースでは、6月第1週から続いていたマイナストレンドが12月第2週よりプラスに転換している。

■12月26日(水)に臨時国会が開かれ新政権が発足する。緊急経済対策が1月11日までに取りまとめられる模様である。また、安倍総裁が求める2%のインフレターゲットに関して、日銀は検討を行い、1月23~24日の金融政策決定会合で回答を行う見通しである。国内政治が株式マーケットを牽引する展開が今しばらくは続きそうである。

<2013年はリスク資産への投資回復から期待リターンの水準に変化も>

■欧州債務危機が生じて以来、日本株式(日経平均)のインプライド・リスク・プレミアム(来期予想ベース)は6.5%~7.5%のレンジにほぼ収まっていた。現在は6.5%を下回るような水準で推移しており、これが一時的要因orトレンド変化なのかを見極めるタイミングにあると考える。欧州債務危機は、ギリシャなど、あくまでも小国の問題であるという見方もある。各国に財政規律を強く求めたため金融危機は広がったが、ドラギECB総裁が金融危機に対する処方箋を推進することによって鎮静化しつつあり、銀行への直接資本注入をESM(欧州安定メカニズム)から行える体制が構築できれば一旦は完了するとの見方もある(もちろん、ギリシャ問題やユーロの構造要因については今後も支援や改革が必要ですが)。

■2013年が皆様にとって多幸でありますことを祈念して已みません。良いお年をお迎え下さい。

◇日経平均妥当水準(レンジ)

8,700円~9,900円 (前回 8,500円~9,700円)

  *「IFIS/TIWコンセンサス225」(12月21日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(12月21日)

今期予想EPS 569.91 (前週572.10円)
来期予想EPS 712.33 (前週712.12円)
再来期予想EPS 797.09 (前週795.79円)
今期予想PER 17.44 (前週 17.02倍)
来期予想PER 13.95 (前週 13.67倍)
再来期予想PER 12.47 (前週 12.24倍)
来期予想PBR 1.02 (前週0.98倍)
来期予想ROE 7.30% 前週7.18%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
 
6.50% (前週6.49%)

*12月21日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

 

妥当レンジも上方にシフトしておりますが、日経平均は上限値を上回る展開となっております。一時的な現象か? 新年度を先取りしているのか? それともトレンドが変わったのか?

 

 移動平均EPSの減少トレンドが6月から続いていましたが、漸く止まったようです。
(4~5月は決算期変更に伴うイレギュラーな値が出ています)。
 
出所:IFISコンセンサスを基にTIW作成 
     いずれも2012年1月から表示

「IFIS/TIWコンセンサス225」について
IFIS/TIWコンセンサス225」は、株式会社アイフィスジャパンが集計しているアナリストコンセンサス・データ等を原データとして、2009年4月より株式会社ティー・アイ・ダヴリュが東証株価指数(日経225)に対応するように構成銘柄のEPSを算出・集計したものである。今期予想EPS、来期予想EPSの変化を追うことによって、マーケット全体の業績見通しを確認する。
理論上では株価は、自己資本配当率(ROEと配当性向の積)、EPS成長率、無リスク証券の利回り(国債利回り)、リスクプレミアムの4要素で決定される。株価をこれら構成要素に分解することによって、株価変動の要因について考察するとともにファンダメンタルからの妥当な株価(マーケット)水準を思量する。なお、リスクプレミアムを正確に計測することは、一定期間を経た後でないと困難なことであることから、当レポートではインプライド・リスクプレミアム(株価と他の構成要素からの逆算値)を使用している。
4つの構成要素の内、株価の短期的な変動に最も影響を与えるのがリスクプレミアムである。リスクプレミアムは、無リスク証券の金利に対して投資家が要求する上乗せ金利と定義されるが、投資家心理(マーケットセンチメント)、他の投資対象(金融商品)との利回り格差の変動などによって変化する。長期的な見通しの変化が無い中では、インプライド・リスクプレミアムは一定のレンジ内で推移する傾向にある。日経平均株価の妥当水準を算出には、インプライド・リスクプレミアムの一定レンジからの逆算によって行っている。
〔今期予想ベースEPS、来期ベースEPSにおける“今期”、“来期”の取扱い〕
会計上の業績計測期間ではなく、本決算発表を基準とする。例えば、2011年4月30日現在では、2011年3月期は決算発表前であれば今期、決算発表が行われていれば前期、となる。
〔予想EPS増減社数〕
今期ベースならびに来期ベースを示している。週間(週末値)のデータを基に、前週末に比べてEPSが増加・変化無し・減少した企業の数。
〔予想PBR(今期末)〕
前期末BPS(1株純資産)に今期予想EPSを加えて、予想DPS(1株配当)を控除した値(=予想BPS)で株価を除した数値。中間配当は考慮していない。
〔予想ROE(来期ベース)〕
前述の予想BPSで来期予想EPSを除した値。
〔リスクプレミアム〕
特に断りの無い限りインプライド・リスクプレミアムを表す。計算式は、{ 1-予想配当性向×(1-予想B/Pレシオ)}×予想ROE-無リスク証券利回り

    
 
株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
TIWマガジン「投資の眼」   株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。

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