今週の注目レポート (12月3日)

2021/12/06

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。

●日本光電(6849)【 2+→2+】
「22/3期予想を再度引き上げ。株価の見方は従来通り」
22/3期上期は前年同期比17%増収、99%営業増益で、9月に引き上げていた計画値を上振れて着地。国内外で新型コロナの感染拡大から、生体情報モニタを中心に関連需要が想定以上に強かったことが要因。自社製品の売上比率が72.2%まで高まり、ミックス向上を背景に営業利益率が17%と記録的な高水準に達している。通期計画が再度上方修正された。国内はコロナ感染も落ち着きつつある一方、海外では一部で感染拡大が続いている。今後関連需要は減少に向かうとみるが、会社側の修正計画は依然慎重な計画と考えられる。国内で政府による医療体制整備予算の継続執行が予想される他、円安など考慮しても全体で会社予想以上の収益が見込めるとTIWでは見ている。TIW通期営業利益予想を今回270億円に引き上げる。
予想ROE:12.7% PBR:2.0倍、来期予想PER:19.0倍、来期予想EPS成長率:-16%
株価(12/3終値):3,300円 Fモデルによる理論株価:3399円(11月29日by服部隆生)

●大阪ソーダ(4046)【 1→1】
「過去最高益を更新」
上期は、減収大幅増益、かつ最高益更新で着地。ただし、収益認識会計基準適用によるためで実質は増収大幅増益であった。特に、収益の源泉である機能化学品が82.3%増益と強さをみせた。一方、コロナウイルスの影響を受けていた基礎化学品も需要の回復を受けたことに合わせエピクロルヒドリンの原材料高騰による価格改定や生産コストダウンにより増益で着地した。TIWは下期も堅調とみている。投資評価「1」、目標株価は7,100円を維持する。コロナウイルスの再拡大のニュースがあり東証1部化学予想PERが前回(11/8)の19倍から17倍へ下がっている。しかし、同社の事業にはコロナウイルスの影響を受けないものも多く同社の事業成長性を見直すものではないため目標株価は変更しない。
予想ROE:9.9% PBR:0.9倍、来期予想PER:8.6倍、来期予想EPS成長率:4%
株価(12/3終値):2,687円 Fモデルによる理論株価:5,726円(12月3日by山方秀之)

●ニッパツ(5991)【 2+→2+】
「自動車関連見通し悪化も非自動車関連堅調から22/3期は大幅増益計画を維持」
22/3期上期は全事業セグメントの売上がコロナ禍で落ち込んだ前年を上回り営業利益は前年の▲88億円から102億円へ急増、黒字化の好決算となった。中でも、2Q単独で自動車関連が部品供給不足による自動車減産や原材料高騰影響から減速したにも関わらず、非自動車関連の好調で補い、営業段階で大幅増益を確保したことが評価できる。また、自動車生産調整や原材料高騰等の外部環境悪化にも関わらず22/3期は大幅営業増益計画が維持され、同社が下期に上期比で大幅営業増益を見込んでいる点がポジティブである。更にはTIWでは非自動車関連好調持続と自動車関連回復(部品供給不足緩和による自動車生産回復と生産拠点の体質改善を想定)が相俟って23/3期は堅調な業績を見込むことに加え、実績PBR0.72倍などの株価指標面にも割安感が強いため、投資評価は「2+」を維持する。
予想ROE:6.4% PBR:0.7倍、来期予想PER:10.3倍、来期予想EPS成長率:3%
株価(12/3終値):914円 Fモデルによる理論株価:1,358円(12月3日by高田悟)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期 予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出 しております。
(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)〔http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、 さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、 レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
TIWマガジン「投資の眼」   株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。

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