10月19日妥当レンジ 8,300円~9,500円
金融緩和期待と企業業績見通し悪化との綱引き

2012/10/23

【IFIS/TIWコンセンサス225】

先週は、予想外に大きく日本株が上昇した。米国の経済指標(小売売上高、鉱工業生産、住宅着工件数)が軒並みコンセンサスを上回ったことや、スペインが救済要請を行うとの見通しが広がったこと、日銀が10月30日の金融政策決定会合で追加緩和を行うとの観測が広がっていることなど、ポジティブ材料が重なった。為替レートは、米国経済指標の強含みや日銀の金融緩和期待からドル円は円安に推移している。
昨日(22日)は、9月の貿易統計が公表され、貿易収支は3ヵ月連続の赤字となり、上半期では3兆2,189億円の過去最大の赤字と報じられている。これを受けて一段の円安が進む可能性もあり、株式市場にとってはテクニカルにプラス要因として働く可能性も考えられる(この原稿を書いている23日1時時点では79.8円/ドル近辺で推移)。

10月19日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、今期(1期)632.40円(前週比-5.29円)、来期(2期)738.02円(前週比-5.47円)、再来期(3期)815.33円(前週比-6.34円)と、再び減少幅が拡大している。
引き続き前週比で予想EPSがマイナスとなる企業数が高止まりしており、商社、機械、自動車、軸受けなどがマイナス上位に顔を出した。マイナスが目立った企業としては、三菱商事(8058)、ファナック(6954)、ホンダ(7267)、三井物産(8031)、商船三井(9104)、TDK(6762)、ジェイテクト(6473)など。
日経平均の妥当レンジは、テクニカルな要因(モデル上の誤差と日経新聞のデータ値のブレ)から今週は8,300円~9,500円へと引き上げる。

来期ベースのインプライド・リスク・プレミアムの計算値は6.89%と前週の7.15%から大きく低下した。投資家のリスク選好が高まったことが表われている。昨年12月から本年1月には日銀の金融緩和期待を受けて6.50%近辺まで低下したことを考慮するならば、まだ株価には十分に上昇余地があると見ることもできる。
しかしながら、2Q決算発表を経てコンセンサス予想が下方に修正されれば上値余地が狭まることになる。ここから数週間は、金融緩和による上昇期待と決算発表を織り込む下方圧力との綱引きが続きそうである。短期的には、バリュエーション面での魅力が少ない1部上場銘柄よりも、水準訂正余地の大きな新興市場銘柄に妙味があると考えている。

◇日経平均妥当水準(レンジ)

8,300円~9,500円 (前回 8,150円~9,350円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(10月19日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(10月19日)

今期予想EPS 632.40 (前週637.69円)
来期予想EPS 738.02 (前週743.49円)
再来期予想EPS 815.33 (前週821.67円)
今期予想PER 14.24 (前週 13.38倍)
来期予想PER 12.20 (前週 11.48倍)
再来期予想PER 11.04 (前週 10.39倍)
来期予想PBR 0.91 (前週0.87倍)
来期予想ROE 7.44% 前週7.57%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
6.89% (前週7.15%)

*10月19日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
TIWマガジン「投資の眼」   株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
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