バブルが怖くても積み立て投資は続けよう

2021/02/03

■今がバブルか否かは判断が困難
■相場観による投資なら怖がるのが自然
■初心者は相場観に頼るより積み立て投資
■積み立て投資は続ける事が重要
■変形積み立て型なら一時休止だが
■バブル崩壊時にも続ける事が更に重要

(本文)
■今がバブルか否かは判断が困難
バブルというと、「株価が高すぎる事を知りながらも、更なる値上がりを予想する強欲な投機家たちが株を買い上がる」というイメージを持っている人が多いであろう。しかし、そうしたバブルは過去のものである。

今は、そうしたバブルは政府日銀が潰すので、大きくなる事は稀である。ビットコインは従来型のバブルのように見えるが、これは例外であろう。

最近のバブルは、人々がバブルか否か判断がつかない間に成長するため、政府日銀のバブル潰しが行い難く、だからこそ成長するのだ。したがって、今がバブルであるか否か、判断する事は(後日振り返る事は可能でも)困難なのである。

そのあたりについては、拙稿https://column.ifis.co.jp/toshicolumn/tiw-tsukasaki/125836を併せて御参照いただければ幸いである。

■相場観による投資なら怖がるのが自然
景気が悪いのに株価が上昇を続けているのは、不自然である。金融が緩和されているから、といった説明がなされる場合が多いが、素直に納得するのは難しい。

株価は美人投票の世界であるから、皆が「金融緩和だから上がるだろう」と考えて買い注文を出すと実際に値上がりする。それを見て一層多くの投資家が「やはり金融緩和は株価上昇要因なのだ」と考えて買い注文を出すとすると、もはやそれはバブルと言えるかも知れない。

そうだとすれば、人々が「いくら金融が緩和されているとは言え、さすがに上がりすぎだ」と考えて売り注文を出すかも知れないし、新型コロナの収束によって金融緩和が終了して株価が暴落するかも知れない。バブルの崩壊である。

相場観から投資をしている人ならば、そうした事態を恐れるのが自然であるし、「とりあえず売って利益を確定して静かにしていよう」というのも合理的な判断であろう。

■初心者は相場観に頼るより積み立て投資
もっとも、筆者は「初心者は自分の相場観に頼るより、淡々と積み立て投資をすべき」だと考えている。初心者が自分で判断すると間違える事が多いからだ。

「プロとプロが相場観をぶつけ合っている株式市場で、初心者が勝てるはずがない」という事もあるが、初心者は株価が上がると「急いで買わないと」と焦ったり、株価が暴落すると狼狽売りをしたりする事も多い。

株価が上がっている時にバブル崩壊を恐れて売りたくなるような慎重な初心者は、バブルに踊ってしまうリスクは小さいものの、慎重な分だけ株価が暴落した場合に狼狽売りをする可能性は高いだろう。後から振り返れば絶好の買い場だった時に持株を投げ売りしてしまうというわけだ。

そうした事を考えると、投資初心者は「自分で判断すると間違える」ので、「自分で判断しない」という事がむしろ良い結果につながりやすい、と言えそうだ。

■積み立て投資は続ける事が重要
自分で判断しない、という投資としては、毎月必ず一定の金額の株式投信を購入する「積み立て投資」が便利で良いだろう。あらかじめ決めたルールどおりに淡々と積み立てていき、老後もあらかじめ決めたルールどおりに淡々と取り崩して行くのであれば、高い時も安い時も買い、高い時も安い時も売るので、大儲けは狙えないかわりに大損のリスクも小さくなるはずだ。

そうと決まれば、「相場がバブルっぽいから暴落が心配だ。しばらく積み立ては休もう」などと言わずに淡々と積み立てを続けよう。

もしかしたら、今がバブルで近い将来株価が暴落して、今月購入した分は半値になってしまうかも知れない。しかし、それは何百回も購入する中のほんの一部であるから、大した損失ではなかろう。

反対に「今がバブルだと思っていたら、そうではなかった」という場合には、投資をやめてしまって再開するチャンスが来ないまま積み立て出来ない状態が続くことになるかも知れない。そのリスクの方が大きいと筆者は考えている。

「今の株価は実体経済と比べて高すぎる」としても、金融緩和が続いている間に景気が回復して経済が成長して、経済が株価に追いつく可能性だって決して小さくないのだから。

■変形積み立て型なら一時休止だが
じつは、変形型の積み立て投資であれば、投資を休む事がルールに沿っているのかも知れない。それは、「毎月一定額ずつ資産残高の目標を増やしていく。目標額より実際の残高が多い月には積み立てをせず、目標額より残高が少ない月には2倍の積み立てを行なう」といったルールである。

このルールだと、バブルか否かにかかわらず、株価が高い時には資産残高が目標を上回るために買わず、株価が安い時には資産残高が目標を下回るので2倍買う、という事になるはずだ。つまり、高い時には買わずに安い時に買うことが可能になるはずだ。これは優れた投資手法のようにも思われるので、要検討かも知れない。

ただし、株価が下がり続けている時には毎月多額の積み立てをせざるを得なくなるので、資金繰りが苦しくなる、といったリスクは覚悟する必要があるかも知れない。

■バブル崩壊時にも続ける事が更に重要
今がバブルか否かもわからず、仮にバブルだとしてもいつ崩壊するのかもわからないのに、気が早いと言われそうだが、仮に将来バブルが崩壊して株価が暴落するような事があれば、その時こそ「ルールを守る」を思い出してほしい。

積み立て投資のルールを自分で決めたにもかかわらず、株価が暴落すると狼狽して積み立てをやめてしまったり、今まで積み立てた分まで売ってしまったりする投資家は少なくない。それだけは絶対に避けてほしい。

それこそまさに「自分で判断して間違える」の典型だからである。暴落した時こそ、後から考えれば絶好の買いチャンスだった、という場合が多いのである。

淡々と積み立てを続けるか、変形ルールであれば普段の2倍積み立てるべきなのに、積み立てをやめてしまう、というのは「自分で決めたルールへの違反」だという事をしっかり認識して欲しいものだ。

本稿は、以上である。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織等々とは関係が無い。また、当然であるが、投資は自己責任でお願いしたい。

(2月1日発行レポートから転載)

TIW客員エコノミスト
塚崎公義『経済を見るポイント』   TIW客員エコノミスト
目先の指標データに振り回されずに、冷静に経済事象を見てゆきましょう。経済指標・各種統計を見るポイントから、将来の可能性を考えてゆきます。
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