日本株…徐々に上昇するも依然として26,000円台を推移中…今週どうなる?~2022年7月18日版~
先々週から日経平均株価が再び26,000円台に入り、選挙後は上昇する動きを見せたものの、すぐに下落してしまって「いつ日本株市場は上がるのだろう…」と心配な人はいますか?
日経平均株価も、7/1以来26,000円台を割ることなく、一時よりは安定してきています。しかし、6月上旬には28,000円台を考慮すると、物足りない展開が続いています。
先週も、同じように「上昇した分下落し、下落した分上昇する」展開を見せています。とても展開の読みにくい状況が続いていますが、これから日本株はどのように推移していくのでしょうか。
そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは7/1~7/14の日経平均株価と、株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
これらの指数をふまえると、先週の株式市場は、連動性がなかった先々週と違って、日経平均株価の動きと株式市場全体の動きが、ほぼ連動している週でした。
ただし、日経平均株価の上昇幅ほど、株式市場全体は上昇していないので、この部分については差異があり、トレンドの読み取りに難しさを感じた人もいるかもしれません。
特に先週は、全体を通じて、選挙明けの7/11(月)のみ、ややトレンドが発生し、それ以外は、ほぼ無風状態であったのが、より難しくしたと考えられます。
これらを考慮すると、例えば選挙を材料にトレンドが変わると予測していた投資家にとっては、想像以上に何も起きなく、何ともいえない気分だったかもしれません。
なお、その無風状態に近い中で、最も目立ったのは天井指数でした。天井指数は、わずかにではありますが、日経平均株価の上昇と連動して、上昇しています。
ただし、目立ったとはいっても、株式市場全体のトレンドを牽引するようなトレンドではないので、何ともつかみにくい状況であったと読み取れます。
このように、先週は思った以上に株価が動かない何とも難しい展開でした。短期的な売買で利益を狙いたい投資家にとっては、ガマンの限界ともいえる展開だったでしょう。
また、これから分かるように、先々週までは、まだ次の展開に向けて株式市場全体が動き出そうとしている様子が見られましたが、先週は、株式市場全体のパワーが失速し、ほぼ膠着状態になったと考えられます。
だから、先週に限っては、株トレンド指数を基準にトレンドを捉える私たちにとっても、日経平均株価を基準にトレンドを考える彼らにとっても、いったん休止状態の週だったでしょう。
しかし、そのような中、私たちは株トレンド指数の発生状況を見て、トレンドが発生していないから仕方ないと捉えられますが、私たち以外の日経平均株価を基準にトレンドを捉える投資家にとっては、その根拠が乏しいので、精神的な部分に差異があったのではないでしょうか。
では、その現状を詳しく理解するために、直近2ヶ月間の状況も見てみましょう。
直近2ヶ月の状況を見ると、先週の株式市場も、ボックス圏を推移していることが読み取れます。日経平均株価は、下落した分だけ上昇するような動きが見られます。
また、株トレンド指数の発生状況を見ると、この2ヶ月間の中では、6月中旬以来の発生の少なさです。
6月中旬は、押し目買い指数が、もう少し目立っていましたので、それを比較すると、直近2ヶ月間で最もトレンドが発生していないとも読み取れます。
このように、株式市場が、先週は失速しています。そのような中、天井指数が少しずつ上昇していますので、ここから上昇へ期待したいところでもあります。
しかし、そうは言っても、まだ発生状況が乏しいので、あくまでもボックス圏の中を推移していることは念頭に置いておいたほうが良いでしょう。
これらをふまえると、引き続き方向感のない展開が続いています。特に、先々週までと先週では、株トレンド指数の発生状況が違います。
先々週までは、株式市場全体を上下のどちらに引っ張るパワーが優勢になるかで均衡状態が崩れる状況でしたが、先週はほぼそれらのパワーが失速した中での均衡状態です。
よって、先週の株式市場は、無風状態に近い状態で均衡状態に突入したと考えられるでしょう。先々週は、ここから新しい展開が望めましたが、再びゼロからのスタートになったと考えるのが妥当でしょう。
引き続き、ボックス圏を推移していることと、それに伴い方向感がないので、日々株価がどちらに動くか分からないと想定しておくのが良いかもしれません。
今週のポイント
上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数「OVER指数」と、大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数「RISK指数」をふまえると、このようなポイントが読み取れました。
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
【上昇の可能性は?】
OVER指数の直近の動向を見る限り、先々週は上昇へのパワーが失速したように見えたが、先週は再びパワーが出てきている。
ただし、そのパワーはそれほど大きくなく、まだ上昇トレンドが発生するような勢いではない。もちろん、空売り指数が、低水準であるので、ここから急騰するような可能性もあるが、現時点では判断が難しいだろう。
反対に見れば、空売り指数は目安である10を下回っているので、暴落や大幅下落のリスクが出てきたとも考えられる。
よって、ここからも分かるように、株式市場を上に引っ張る力と下に引っ張る力が、ほぼ均衡し、膠着状態になっていることが読み取れる。
(※引き続き、OVER指数の監視が必須)
【下落の可能性は?】
RISK指数の直近の動向を見る限り、先々週と比較して、先週から少しずつ暴落や大幅下落のリスクが高まっていると読み取れる。
もちろん、まだそれらのリスクが目前に迫っているという段階ではないが、先々週はRISK指数が大きくマイナスを推移していたのに対し、先週はプラス圏の目前まで迫っている。
よって、OVER指数との兼ね合いで見ると、ここから下落リスクがあるというよりは、あくまでも上昇のパワーと下落のパワーの均衡状態だと読み取れる。
もし、OVER指数に急変があると、この均衡状態が崩れ、下落方向へ動く可能性もある。この点は、引き続き注意しながらみて行く必要があるだろう。
(※引き続き、RISK指数の監視が必須)
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2022/7/14時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
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この記事を書いている人
高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック。
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