年始早々…株価上昇の可能性は?~2021年12月30日版~

2021/12/30

 

「いつになったら株価は上昇するのか?」が気になっている個人投資家の方はいますか?

日経平均株価で見ても、上がったと思ったら、下がり、下がったと思ったり上がり…と、これでもかというくらい方向感がない状況が続いています。

それを示すかのように、株式市場全体にもトレンドが乏しく、無風状態に近い中で、やや下落傾向が強い状況が続いています。

このように、日経平均株価と実際のトレンドに差異がある中では、日経平均株価を基準に株式市場のトレンドを捉えている個人投資家にとっては、悩ましい年末を過ごしているかもしれません。

そこで今回は、私が日本株市場のトレンドを捉えることを目的に、独自に開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきます。

 

なぜ、日経平均株価の上昇と個別株が連動しないのか?


まず、こちらをご覧ください。こちらは12/13~12/28の日経平均株価と、株トレンド指数の状況です。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。

  • 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
  • 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
  • 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
  • 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向

この4つの指数をふまえると、日経平均株価の動向で日本株市場のトレンドを捉えている個人投資家にとっては、前々週に続き、前週と今週も「おかしい」とまでは思わないものの「日経平均株価の上昇ほど、個別銘柄が上昇しない…」と疑問が起きやすい週だったでしょう。

株トレンド指数の状況を見る限り、12/13~12/28の期間は、ほとんど下落傾向があることが分かります。それに反して日経平均株価が上下していますので、トレンドを捉えるのが難しかったでしょう。

特に、12/22以降は、株トレンド指数の4つの指数の中で20を超えるものがありません。これは、株式市場が無風状態に近いことを示しています。

よって、この期間は、日経平均株価でトレンドを捉えている投資家にとっては「株価が思った方向と逆方向にいきやすい」タイミングであったでしょう。

不用意に動いてしまうと、手仕舞いのタイミングを見誤り、これまで積み上げた利益を失いやすいときだったとも考えられます。

さらに現状を詳しく理解するために、直近2ヶ月間の状況も見てみましょう。下のグラフをご覧ください。

 

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

こちらを見ると、11月下旬の日経平均株価の大幅下落以降、株式市場の下落傾向を示す「底値指数」が目立っていることが分かります。

ただし、明確な下落傾向とは言い切れず、下がりそうで下がりきらない状態が継続していると読み取れます。また、12月からは、11月と比較して、全体的トレンドが乏しいことが分かります。

よって、これまで続いているボックスでの推移が、この年末も継続していると考えられるでしょう。

このまま今年を終えたと仮定し、月初と月末の株価を比較すると、12月は上昇傾向があったと判断できるかもしません。

しかしながら、あくまでも結果的に上昇というだけで、短期売買で利益を狙うには、非常に難しい状況であることが読み取れます。

「とにかく、方向感が乏しい展開が続いている」これが、今月の特長と言えるでしょう。だから、今月、利益を狙うのは、とても難しかったと考えられるでしょう。

このように、引き続き方向感が乏しい直近の株式市場ですが、年始は、どのような展開が予測されるのでしょうか。

 

年始に上昇する可能性は?


年始の株式市場の展開を予測するにあたり、まず「OVER指数」を見てみましょう。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

「OVER指数」とは、上昇トレンドの展開を大まかに読み取れる指標です。

「OVER指数」とは、上昇トレンドの展開を大まかに読み取れる指標です。

今週も前週に続き、プラス圏に現れてきました。しかし、小さな山型がいくつもできていることが示すように、大きな上昇には至っていないことが読み取れます。

また、12/21以降、日経平均株価は上下しながら上昇していますが、OVER指数は、それほど上昇していません。

それをふまえると、日経平均株価を基準に株式市場の動向を捉えている投資家にとって、12/21以降、株式市場全体が大きく上昇している感覚があったかもしれません。

しかし、実際は小さく、一時的な上昇に過ぎず、楽観視できる状況ではないと考えられるでしょう。

以上をふまえると、年始に上昇を期待したいところですが、「ご祝儀相場」にならない限りは、大きな上昇を期待するのは難しいでしょう。

では、下落の可能性を示すRISK指数は、どのように推移しているのでしょうか?次は、こちらをご覧ください。

 

年始に暴落の可能性は?


「RISK指数」とは、暴落や大幅下落の展開を大まかに読み取れる指標です。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

このRISK指数は、平常時はマイナス圏を推移しています。ただし、暴落や大幅下落があるときは、その直前にプラス圏に現れます。

前々週、前週に続きプラス圏を推移し、今週もプラス圏を推移中です。直近では12/20の「26」をピークに、徐々に下がりつつあります。

暴落リスクのもう一つの目安となる「空売り指数」を見ると、前週よりはやや上昇してきているものの、まだ低い水準です。これが「10程度」まで上昇すれば、暴落や大幅下落への警戒を今よりも緩めることができます。

RISK指数もプラス圏で、空売り指数も低水準であることをふまえると、まだ警戒を完全に緩めることができないでしょう。

ただし、OVER指数がやや上昇していますので、一気に暴落というのは考えにくい状況でもあります。これもふまえると、上に引っ張る力と、下に引っ張る力が均衡しているので、まだボックス圏が続くとも考えられます。

なお、このRISK指数が「50」まで上昇するようなことがあると、暴落が起きる可能性が出てきます。今週よりは警戒しないものの、引き続き年始もRISK指数が、どのように動くかに注目すると良いでしょう。

 

どうする…年始の投資戦略?


前週に続き、今週もボックス圏を推移しています。12/10までの投資主体別売買動向によると、外国人投資家」「個人投資家」が売り、「機関投資家」が買いの状況です。

需給バランスでみると、やや「買い」が優勢だが「均衡」に近い状態。先週の日経平均株価の上昇は、機関投資家が支えたと考えられる状況です。

その流れの中、年内最終週を迎えましたが、それを象徴するかのように、トレンドが乏しいものの、その中では下落傾向が強い状況でした。

しかも、今後の下落と上昇の可能性を読み取るRISK指数とOVER指数をみても、どちらも上下に引っ張り合う状態なので、依然として、上下のどちらの方向に株価が抜けるか判断が難しい状況です。

こういった状況の中、年始を迎えますが、方向感が乏しいボックス圏を推移していますので、あまり「ご祝儀相場」などの言葉に惑わされることなく、方向感が出るまで様子見をするのも選択肢の一つでしょう。

ボックス圏では、方向感がないことが災いし、株価が思った方向とは逆方向に動きやすいので、売買のタイミングに注意が必要です。

特に、手仕舞いのタイミングは、後々後悔するような場面もあるかもしれませんので、ボックス圏でタイミングを見極めるのは難しいでしょう。

だからこそ、これまで積み上げた利益を年始早々、不用意に失わないためにも、週明けは「様子見」をして、上抜けと下抜けのどちらになるか?もしくは、そのままボックス圏が続くか?など、何もせずに株式市場の動向を見るのも、戦略の一つでしょう。

ぜひ、このような情報を参考にしていただきながら、あなたの週明けの投資戦略を考えてみてはいかがでしょうか。

 

今週のポイント~4つ~


【ポイント.1】
12/17までの投資主体別売買動向によると、「外国人投資家」「個人投資家」が売り、「機関投資家」が買い。ただし、その前の週よりも、「外国人投資家」「個人投資家」の売りは大きくなっている。需給バランスでみると、「機関投資家」の買いが相場を支えることなく、「売り」が優勢で、相場全体が下がりやすい状況。

【ポイント.2】
前週から今週に掛けて、日経平均株価と株式市場全体の動向に、差異がある状態。市場全体は、それほど明確なトレンドがないが、その中で下落傾向が強い。しかし、日経平均株価は、下落方向にそれほど動くことなく、ほぼ横ばい状態。不用意に動くと、手仕舞いのタイミングを見誤り、損失を拡大しかねない状況。

【ポイント.3】
日経平均株価の動向も結果的にはボックス圏を推移し、株トレンド指数全体も、下落が優勢であるものの、明確な下落傾向ではないので、依然として方向感がない状況。その中で、日経平均株価が上下していたので、日経平均株価を基準にトレンドを捉える個人投資家にとっては、難しい週だったかもしれない。

【ポイント.4】
RISK指数は、前週の12/20をピークに徐々に収まりつつある状態。しかし、依然としてプラス圏を推移していることから、株価が下落方向に動くことや、暴落への警戒から抜け出せない状況。完全に、大幅下落や暴落から抜け出すには「空売り指数」が「10」程度まで上昇することが必要だが、こちらも以前として、その水準まで達しない状況。よって、まだ完全に警戒を緩められない状況である。

 

※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。

※2.本記事は2021/12/28時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。

 

このような分析をすることで、個人投資家が難しいと感じる「売り(損切り・利益確定)のタイミング」や「買いのタイミング」を具体的に知ることができます。もし、あなたも実際に有効な「売買のタイミング」を習得したいなら、こちらのeBook(電子書籍)『日本株再入門』を今すぐお読みください。

 

実際に有効な「売買のタイミング」を学びませんか?【無料】でeBook(電子書籍)を受取るにはこちらをクリック

 

【無料】今回のデータ分析がもっと詳しく分かるeBook(電子書籍)『日本株再入門』無料プレゼント中。今すぐこちらをクリックしてください。</strong></a><br />
【無料】今回のデータ分析の詳細が分かる「日本株5つの法則」レポート無料プレゼント中。今すぐこちらをクリックしてください。
【無料】でeBook(電子書籍)『日本株再入門』を受け取るには、今すぐこちらをクリックしてください。

この記事を書いている人

高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ) 高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック

【高橋佑輔の関連記事】

株式会社シナジスタ
なぜ「高値掴みする投資家」と「底値付近で買える投資家」がいるか?それは「値動きの法則」の知識の差です。その法則を使い、過去12年で11年間利益を上げる現役トレーダー高橋佑輔が相場を分析。法則を学び、底値付近で買える投資家を目指しましょう。
株式会社シナジスタの提供する、コラム・教育サービスは、投資に関する考え方の一例をご紹介するというものですので、その正確性や完全性等について保証するものではありません。 実際の投資はお客様のご判断・ご責任で行って頂くものであり、当社は、お客様の投資におけるいかなる利益も保証するものではなく、また、お客様の投資によるいかなる損害に対しても補償を行うものでもありません。 本書の内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。内容に関するご質問・ご照会等にはお応え致しかねますので、あらかじめご容赦ください。

このページのトップへ