なぜ来週も…暴落に警戒が必要なのか?~2021年10月第2週版~
日経平均株価が一時は27,000円台まで下落し、再び上昇したと思ったら下落する状況を見て「これから株価がどうなるか?」が気になる方はいますか?
そこに衆議院解散が発表され、新政権発足とほぼ同時に日経平均株価の急落が頭をよぎり、これから株価が「下がるのか」、それとも「上がるのか」が気になる方はいますか?
まさに今、日経平均株価の動きを見ると、日々方向が定まらず、個人投資家にとって難しい展開が、先々週から続いています。
そこで今回は、私が日本株市場のトレンドを捉えることを目的に、独自に開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきます。
どうして…「今週も」思った方向に株価がいかない?
まず、こちらをご覧ください。こちらは10/1~10/14の日経平均株価と、株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
この4つの指数をふまえると、前週前半は日経平均株価は下落傾向でした。ただし、急に「底値指数」が目立ちはじめたこともあり、その下落スピードが上がりました。
しかし、そこから日経平均株価はトレンドが変わり、10/6を底値に上昇傾向に入りました。そして、この数日はやや停滞し、再び上昇するかどうかの分岐点にいるように見えます。
このように、日経平均株価の動きを見る限り、この短期間で下落、上昇、停滞の様々な動きが見られます。今週は、その中でも「停滞」のタイミングと読み取れるでしょう。
ただし、ここで注意したいのが「底値指数」の動きです。先週はじめの10/4以降、ほぼ「10以上」の水準が続いています。
株トレンド指数の内訳を見ると、日経平均株価が上昇しているときでも、この底値指数は、ほぼ10以上の水準を維持しています。
つまり、日経平均株価の上昇時は、底値指数が、ほぼ10以上でありがら、上昇を示す「天井指数」が増加したことで、何とか上昇したという状況と読み取れるでしょう。
それをふまえると、今週はこれまでと違って、日経平均株価と株式市場全体の実際のトレンドが、やや乖離した状態ではなく、「乖離」した状態だったと考えられます。
今週はもし、あなたが複数の銘柄を保有していたら、偶然全銘柄を同じような状況になることもあれば、銘柄によってバラバラという状況だったかもしれません。
このように、日経平均株価をトレンドとして捉えている個人投資家にとっては、保有銘柄との動きにばらつきがあり、とても難しい状態だったでしょう。
では、週明けの株式市場は、どのような展開が予測されるのでしょうか。
週明けの株式市場の動向は?
週明けの株式市場の展開を予測するにあたり、まず「OVER指数」を見てみましょう。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
「OVER指数」とは、上昇トレンドの展開を大まかに読み取れる指標です。
8月からのOVER指数の推移を見る限り、やはり9月前半に起きた上昇トレンドは短期的なもので終了したと考えられます。
今週も引き続き、OVER指数が小さいので、ここから再上昇する展開は考えにくいでしょう。
もし、再上昇する場合は、このOVER指数が数日間連続でマイナス圏に突入したときだと考えられます。
直近の上昇が起きたときを見ても前日にOVER指数が前日にマイナス圏に入っています。多くの上昇時には、このような傾向が見られます。
上昇の機会をできるだけ早く察知したい場合は、今後のOVER指数の状況に着目すると良いでしょう。
よって、OVER指数の現状をふまえると、来週に再上昇するのは難しいと考えられます。もし、上昇する場合は、週明けのOVER指数がマイナス圏に入るかに注目しましょう。
では、下落する可能性はどれくらいあるのでしょうか?次は、こちらの「RISK指数」をご覧ください。
週明け暴落の可能性は?
「RISK指数」とは、暴落や大幅下落の展開を大まかに読み取れる指標です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
このRISK指数は、平常時はマイナス圏を推移しています。ただし、暴落や大幅下落があるときは、その直前に、ひょっこ顔を出すようにプラス圏に現れます。
9月は、安全圏のマイナスを推移していましたが、今月に入りRISK指数が目立ちはじめています。
特に、今月からは小さな数値ではなく、暴落の可能性がある「10以上」が連続する期間が続いています。
10/11に10以上の水準から「9」に下がったので、そのまま収束するように見えましたが、再びRISK指数が上昇し、10/12~10/14は3日連続で10以上になっています。
なお、このRISK指数の状況ですが、これまでの傾向を見る限り、やや類似しているのは「リーマン・ショック」「チャイナ・ショック」「コロナ・ショック」です。
いずれも突発的に暴落が起きるのではなく、直近のRISK指数のように前兆があり、それから暴落が起きています。
また、うえの3つの暴落に共通しているのは、本格的に暴落が起きる前兆として、RISK指数が「前日の2倍付近」もしくは「2倍以上」に急上昇します。
例えば、10/14のRISK指数は「12」ですので、10/15に「24以上」まで急上昇すると、その後、1回目の暴落が起きる傾向があります。
そして、その1回目の暴落後にRISK指数がいったん収束した後、数日後に1回目よりも大きな暴落が起きる傾向があります。
このようにRISK指数を見る限り、まだプラス圏を推移していますので、これがマイナス圏に入らない限り、暴落の危険性がなくなったとは考えないほうが良いでしょう。
よって、週明けの株式市場も、引き続きこのRISK指数の動き次第で、コロナ・ショック以来の暴落が可能性があると読み取れます。
ただし、あくまでもこれは過去の傾向です。週明けの株式市場で、このRISK指数が一気にマイナス圏に入る可能性もあります。
そういった意味でも、今は分岐点にいますので、このRISK指数の動向を見ながら、暴落が起きても、暴落起きなくても、そのときの状況に合わせて動けるようにしておくと良いでしょう。
どうする…週明けの投資戦略?
10/8までの投資主体別売買動向によると、日本の株式市場を構成する三大投資家の「外国人投資家」と「個人投資家」は買い、「機関投資家」は比較的大きな売りでした。
相場全体の需給バランスで考えると、売りと買いがほぼ均衡しているので、上にいくか、下にいくか、分からない均衡状態のまま今週の株式市場に入りました。
あくまでも前週の状況ではありますが、その流れが今週も続き、暴落指数が目立つものの、上昇指数が時折目立つことで、アクセルとブレーキを同時に踏んだ状態になり、より均衡状態に違い状況になっているのでしょう。
また、RISK指数は、前週はここから暴落するか、ここでいったん下落リスクが終焉するかの分岐点でしたが、今週は依然として、ほぼ10以上の水準が続いているので、マイナス圏に突入するまでは警戒が必要でしょう。
特に今は、方向感が定まらず、日々トレンドが微妙な割合で変わっている状況が続き、展開が読みにくい状況にあります。
よって、週明けの株式市場は、引き続き、どちらか一方向に株価が動くと予測するのではなく、暴落がリスクがあることを念頭に置きながら、あらゆる方向に動くことを想定し、投資判断するのが良いのではないでしょうか。
今週のポイント~3つ~
【ポイント.1】
10/8までの投資主体別売買動向によると、「外国人投資家」「個人投資家」が買い、「機関投資家」が比較的大きな売り。需給バランスでみると、市場全体が上下のどちらにいくかの均衡状態のまま今週に入った。
【ポイント.2】
日経平均株価と実際のトレンドが、乖離した状態。日経平均株価の動向に連動することなく市場全体は「やや下落傾向」だったが、そこに一部の銘柄が上昇し、やや下落を弱める状態だった。
【ポイント.3】
RISK指数が先々週末からプラス圏に入り、10/11に収束の気配があったが再び「10以上」の水準へ。引き続き突発的な暴落に警戒が必要。
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※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2021/10/14時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
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この記事を書いている人
高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック。
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