TOTO<5332>4/30本決算発表予定。コロナ・ショックで3/23に年初来安値を更新。決算発表で株価どうなる?
4/30に本決算発表を迎えるTOTO<5332>。この1年間に同社株価は、4,500円を前後し、おおよそ5,000円から3,000円台後半という大きな変動幅で推移していました。直近では、コロナ・ショックの影響を受け下落し、現在は3,500円前後に位置しています。ただし、全体的に見ると、それ以前から値動きが活発な様子が伺えます。では、このTOTO<5332>は、本決算発表前後にどのように動くのでしょうか?
TOTO<5332>の本決算前後の株価動向は?
TOTOは、2月7日に年初来高値(5,040円)を更新したものの、コロナ・ショックの影響を受け3月23日の年初来安値(3,050円)を更新しました。下落前は4,500円を大きく前後する株価動向が見られました。では、同社の株価は、本決算前後でどのように動く傾向があるのでしょうか。そこで2000年から2019年の期間を対象に、決算発表前後1ヶ月間(4月中旬~5月中旬)に、どのような傾向があるのかデータ分析しました。その結果がこちらです。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
これまでの本決算前後の株価動向をデータ分析すると、過去20年のうち、上昇が8回、下落は12回でした。ここから読み取る限り、下落回数が上昇回数を上回るということは、やや下落傾向があるのかもしれません。また、ここで注目したいのは、上昇率と下落率の幅です。20%を超える上昇が、過去に2回ある反面、昨年は約20%の下落を記録しています。
全体を見ても、値動きが小幅の期間は少なく、上下に5%前後推移していることが読み取れます。これをふまえると、同社は株価が変動しやすい傾向があると考えられるでしょう。よって、もしあなたが決算発表をまたぐような投資戦略を採用する場合は、この変動を考慮するのが良いかもしれません。
「窯業」全体の動向は?
ただし、ここで注意したいのが、業種全体には、どのような株価動向があるかということです。そこで、同社を含めたガラス・土石製品を扱う「窯業」全体の株価の傾向について確認します。窯業全体はどういった傾向があるのでしょうか。同社の4月5月の傾向が独自の動きであるのか、また、窯業全体を通して同様の動きであるのか関連性を見てみましょう。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
「窯業」は、1年の前半に好調であることが分かります。そして、年の後半は低調に推移する傾向が強いことが分かります。中でも前半の3月~5月は上昇しやすいことが分かります。しかし、同社は今年は、この期間に年初来安値を更新するなど厳しい状況に置かれています。それをふまえると、今年の決算発表の前後は厳しい状況であると、これらのデータから読み取れます。やはり、この決算発表前後での同社の売買は注意が必要でしょう。
TOTO<5332>の目標株価は?
TOTO<5332>は、2月上旬の年初来高値更新と比較すると、大きく下落したままで、下落前の水準まで回復していません。そのような同社は、本決算前後で、どれくらいの値動きをし、具体的な目標株価はどれくらいになるのでしょうか?データ分析の結果がこちらです。
【3,228円~3,792円】
※2020年4月中旬の月間株価3,455円を基準に計算しています
上昇の幅はおよそ9.78%。下落の幅は、マイナス6.55%と、それぞれ5%以上変動することが想定されます。これをふまえると、2月上旬からの下落で、すでにこの本決算の内容が、株価に織り込み済みの可能性もあるでしょう。しかし、過去の株価動向を見る限り、大きく変動する年もあるので、この目標株価の範囲を超える可能性も考えておかなければならないでしょう。
そうお伝えすると、どちらにも取れる内容に聞こえるかもしれません。しかし、株価の動きは誰にも予測することはできません。このことや、同社は決算発表前後に株価が大きく動きやすいことを考えると、想定を超えることも考えておかなければならないでしょう。これまでのデータ分析を見る限り、このようなことが考えられます。
もし、このようなことが分かっていれば、あなたの投資スタンスは、大きく違うのではないでしょうか。そもそも、同社は決算発表前後の期間での株価は下落傾向が見られます。そして、今年は年初来安値を更新し、コロナ・ショックから回復していない状況です。
もちろん、これはチャートを見て気がつくことができるかもしれませんが、こういったデータ分析の結果で考えるのと、チャートを見続けて考えるのでは、その結論や、判断の精度が変わるではないでしょうか。
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傾向を知っている投資家と、知らない投資家の違い
このように、データ分析から見える傾向を知っているだけで、情報の精度は変わります。おそらく、このような傾向を知らない投資家は、最近の調子の良さや、決算発表がどうなるかを予測して投資判断をするでしょう。しかし、私たちのようにデータ分析による傾向を把握していると、このような精度の高い情報から、投資戦略やスタンスを決め、投資判断することができるでしょう。
これがまさに、どのような株式市場の状況でも「底値付近で買って、天井付近で売り抜ける投資家」と「天井付近で買って、底値付近で売る投資家」の違いだと、私は考えています。ぜひ、このようなデータ分析の情報をもとに、あなたの投資戦略を考えてみてはいかがでしょうか。
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