世界からの政策提言

2026/05/29

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◆海外から政策提言が相次ぐ

サナエノミクスに対して、海外からの提言が相次いでいます。ベッセント米財務長官は今月、高市首相と植田総裁と、それぞれ個別に会談しました。両氏との会談を終えた後、ロイターのインタビューに対して「植田氏は優れた中央銀​行総裁だ。必要なことを行う余地が(政府から)与えられれば、優れた金融政策を実現すると確信​している」と述べました。やや遠回しの表現ですが、政府に対して日銀の利上げを容認するよう求めたと読むのが自然でしょう。

下図は、今月OECD(経済協力開発機構)が公表した対日経済審査報告書の一部です。OECDは、現行政策を続けた場合に、政府債務残高の対GDP(国内総生産)比が2030年代以降に悪化するシミュレーションを示し、財政健全化や労働市場改革の必要性を強く指摘しました。そのうえで、2050年までに財政収支(budget balance)を対GDP比で4%近く改善させるための推奨政策を提示しました(下図)。消費税を18%まで段階的に引き上げることが柱になっており、食料品の消費税減税を掲げている高市政権の政策にくぎを刺した形になりました。

◆「信念貫徹」か「聞く力」か

もっとも、高市政権は今のところこれらに「聞く耳持たず」のスタンスに見えます。日銀の利上げに難色を示しているとの報道がみられ、6月に入ると早速、今年度補正予算案を国会に提出する方針が示されています。財政・金融政策とも引き締め方向を促す提言は、高市首相が師と仰ぐ安倍晋三元首相が進めた経済政策「アベノミクス」と逆行しており、むしろその後片付けを迫っているようにも見えます。高市首相の考えとは相容れないのかもしれません。

「信念を貫く意気込み」と「他者の声を聞く力」。
そのバランスが今後の政策運営で一段と問われることになりそうです。

(シニアストラテジスト 稲留 克俊)

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