金利上昇時における株式投資の留意点

2026/05/22

当社サイトはこちら→三井住友トラスト・アセットマネジメント 投資INSIDE-OUT

◆金利上昇=株価にネガティブ?

5月18日、日本の長期金利(10年物国債利回り)が一時2.8%まで上昇し、約29年半ぶりの高水準となりました。ホルムズ海峡の事実上の閉鎖が続くなかで、資源価格の高騰を背景に世界的な金利上昇が続いています。国内では、「首相が26年度補正予算案の編成を表明」と報じられたことなども影響したとみられます。

一般的には、金利が上昇するとお金を借りにくくなり、事業を拡大しにくくなります。その結果、利益が伸びず、株価が低迷するというプロセスが想定されます。この場合、「金利上昇=株価下落」に陥ります。しかし、この構図は必ずしも当てはまる訳ではありません。

◆金利上昇時の株価上昇

今から約20年前の2003年から2006年にかけて、約3年に渡り、金利と株価がともに大きく上がる時期がありました。 1990年代のバブル崩壊以降、日本の銀行が抱えるいわゆる不良債権問題は、公的資金投入の遅れなどもあり、その処理が長引きました。2003年4月は、大手銀行でさえも破綻する可能性があるといった、金融システム全体に対する信用不安がピークに達し、日経平均株価は、7,600円台とバブル崩壊後の最安値を記録しました。世界的にも同年3月に米国を中心とする多国籍軍がイラク攻撃を開始し、中東情勢の緊迫化が先行き不透明感に拍車をかけました。しかし同年6月に、りそな銀行へ公的資金投入が発表されたことで、銀行の破綻が回避されるとの認識が広まり、株価は上昇に転じました。日本では、郵政民営化に代表される小泉政権の構造改革が進むとの期待もあるなか、2005年の総選挙で与党が大勝、景気の底打ち反転を狙った株高が続きました。その後も世界経済の成長や日本企業の好調な企業収益見通しを背景に、海外投資家の旺盛な買い需要が相場を押し上げました。2006年4月には日経平均株価は17,500円を上回り、3年間で約2.3倍になりました。

一方の債券市場では、2003年6月に長期金利は0.430%まで低下していましたが、その後、日本の債券市場で発生した歴史的な金利の急騰(VaRショック)も重なり、2006年4月には、2.0%台まで上昇、3年間で約4.7倍になりました。

◆経済成長を続けられるか?

日本における金利上昇のなかでの株価上昇は、1980年代も含め何度か経験しています。その共通点は、金利上昇を上回る経済成長、企業業績の向上が期待できるかどうかにあります。企業でみると、借金をして設備投資をする場合、借入金利を上回る投資収益が稼げれば良いということになります。日本経済全体でみた場合は、金利以上の経済成長を続けられれば、株価指数の上昇が期待できるということになります。

日々の金利の動きは株価に大きな影響を与えます。しかし、中長期的な観点からは、金利上昇を上回る経済成長を続けられるかがより重要と言えます。

(チーフストラテジスト 上野 裕之)

三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
三井住友トラスト・アセットマネジメント「投資INSIDE-OUT」   三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
三井住友トラスト・アセットマネジメントの金融情報調査室が、投資にまつわるコラムをお届けします。
【ご留意事項】
  • 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません
  • ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
  • 投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるものではありません。ファンドの運用による損益は全て投資者の皆様に帰属します。
  • 投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではありません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保護基金の保護の対象ではありません。
  • 当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また、今後予告なく変更される場合があります。
  • 当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示唆あるいは保証するものではありません。
  • 当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発元もしくは公表元に帰属します。

このページのトップへ