インドの経済・市場動向(2018年10月前半)インド中銀が予想外の据え置き、通貨・株価は一段安

2018/10/11

インドの経済・市場動向(2018年10月前半)

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【ポイント1】予想外の政策金利据え置き
金融政策スタンスは引き締めに変更

■インド準備銀行(RBI)は5日、市場予想に反して、金融政策決定会合で政策金利を6.50%に据え置きました。通貨が下落を続けるなかで利上げを見送ったのは、足元のインフレ率鈍化に加え、インドの大手ノンバンクのIL&FS社のデフォルトを契機とした信用不安拡大を警戒したためとみられます。一方で、金融政策スタンスについては、中立から「調整された引き締め」へ変更しました。RBIのパテル総裁は、「調整された引き締め」について、「利下げの可能性を排除し、次回のアクションは据え置きか利上げ」と説明しました。

【ポイント2】インドルピーは一段安
株式市場は調整局面

■RBIの利上げが見送られたことを受けて、インドルピーは対米ドルで一段安となり、過去最安値を更新しました。主要株価指数のSENSEXは、インドルピー安の加速に伴う資金流出懸念や原油高によるインフレ懸念に前述の信用不安が加わり、約半年ぶりの安値水準に下落しました。株式市場は8月下旬の最高値から10%を超える下げとなり、調整局面にあります。

【今後の展開】インド準備銀行は追加利上げへ

■RBIは、先行きのインフレ加速を警戒して金融政策スタンスを中立から引き締めに変更したことから、信用不安に関する懸念が払拭できれば、次回以降の会合で追加利上げを行うとみられます。

■米国の利上げが続くなかでRBIが今回利上げを見送ったことで、当面インドルピーには対米ドルで下落圧力がかかりそうです。株式市場は、通貨安と原油高が逆風となり、当面不安定な相場展開が見込まれますが、インド経済の高成長を背景にした企業収益拡大により中期的には持ち直すことが期待されます。

(2018年10月11日)

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