ECBの金融政策(2017年10月)量的緩和の規模縮小と期間延長を決定

2017/10/30

ECBの金融政策(2017年10月)量的緩和の規模縮小と期間延長を決定

 

【ポイント1】資産購入規模の縮小を決定

規模を半減し、期間を9カ月延長

 

■欧州中央銀行(ECB)は10月26日の理事会で、量的緩和策である資産購入プログラムの規模縮小を決定しました。2018年1月以降は、国債や社債の購入額を2017年12月までの月600億ユーロから、月300億ユーロへと縮小します。期間は2018年9月までとして、9カ月延長されました。

■政策金利、中銀預金金利(金融機関がECBに余剰資金を預け入れた際に適用する金利)はそれぞれ0.00%、▲0.40%に据え置きました。

 

 

 

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【ポイント2】フォワードガイダンス据え置き

引き続き緩和バイアスを残した

 

■将来の金融政策に対する考え方を示すフォワードガイダンスは「資産購入プログラム終了後もかなりの期間、政策金利が現状水準で推移することを期待する」とし、前回から変更はありませんでした。

■更にECBは、必要ならば量的緩和の延長や資産購入規模の拡大があるとしており、引き続き緩和的な姿勢を示しました。

 

 

 

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【今後の展開】ユーロ圏景気は堅調、ユーロは底堅い見込み

 

■今回の量的緩和の縮小は概ね市場の予想通りだったものの、延長期間については6カ月との見方もあったため、9カ月延長との決定は市場ではハト派と受け止められ、ユーロは大幅安となりました。

■ユーロ圏の物価動向を見ると、9月の消費者物価指数は前年比+1.5%と、ECBが目標とする2%近傍を下回りつつも上昇基調となっています。また、ユーロ圏の景況感は製造業を中心に概ね改善が続いており、ユーロ圏景気は堅調さが続くと見られます。こうしたことから、先々は量的緩和の終了やその後の利上げも視野に入ってくると考えられ、ユーロは底堅い推移が見込まれます。

 

(2017年 10月 27日)

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